数学2 円と直線 問題 18 解説

方針・初手
(1) 与えられた方程式が円を表すためには、$x, y$ について平方完成したときに、右辺にくる定数(半径の2乗に相当する部分)が正でなければならない。
(2) 2つの円が異なる2つの共有点をもつ条件は、2円の方程式から2次の項を消去して得られる直線(共通弦)が、どちらか一方の円と異なる2点で交わることと同値である。あるいは、2円の中心間の距離 $d$ とそれぞれの半径 $r_1, r_2$ の間に $|r_1 - r_2| < d < r_1 + r_2$ が成り立つことを用いる。
(3) 2円の共通接線の方程式を求める。接線を $ax+by+c=0$ とおき、2つの円の中心からの距離がそれぞれ半径と等しくなるような条件を求めるのが確実である。
解法1
(1)
方程式 ② $x^2 + y^2 - 2kx + 3k = 0$ を変形すると、
$$(x - k)^2 + y^2 = k^2 - 3k$$
となる。 これが円を表すための条件は、半径の2乗に相当する右辺が正となることである。 よって、
$$k^2 - 3k > 0$$
$$k(k - 3) > 0$$
これを解いて、
$$k < 0, \quad 3 < k$$
(2)
①と②が異なる2つの共有点をもつとき、その交点を通る図形の方程式は実数 $p, q$ を用いて次のように表せる。
$$p(x^2 + y^2 - 1) + q(x^2 + y^2 - 2kx + 3k) = 0$$
ここで $p = 1, q = -1$ とすると、交点を通る直線(共通弦)の方程式が得られる。
$$(x^2 + y^2 - 1) - (x^2 + y^2 - 2kx + 3k) = 0$$
$$2kx - 3k - 1 = 0$$
$$x = \frac{3k + 1}{2k} \quad \cdots \text{③}$$
((1) より $k \neq 0$ であるため、両辺を $2k$ で割ることができる)
円①と円②が異なる2つの共有点をもつことは、円①と直線③が異なる2つの共有点をもつことと同値である。 円①の中心 $(0, 0)$ と直線③の距離 $d$ は
$$d = \left| \frac{3k + 1}{2k} \right|$$
であり、これが円①の半径 $1$ より小さければよい。
$$\left| \frac{3k + 1}{2k} \right| < 1$$
両辺は正であるから、2乗しても同値性は保たれる。
$$\frac{(3k + 1)^2}{4k^2} < 1$$
$$9k^2 + 6k + 1 < 4k^2$$
$$5k^2 + 6k + 1 < 0$$
$$(5k + 1)(k + 1) < 0$$
これを解くと、
$$-1 < k < -\frac{1}{5}$$
この範囲は、(1)で求めた $k < 0, \ 3 < k$ の範囲に含まれている。 したがって、求める $k$ の範囲は
$$-1 < k < -\frac{1}{5}$$
(3)
$k = 4$ のとき、2つの円の方程式は次のようになる。 ①: $x^2 + y^2 = 1$ (中心 $(0, 0)$、半径 $1$) ②: $(x - 4)^2 + y^2 = 4$ (中心 $(4, 0)$、半径 $2$)
求める共通接線の方程式を $ax + by + c = 0$ $\cdots$④ とする。 ただし、$a^2 + b^2 = 1$ と仮定しても一般性を失わない。(両辺を $\sqrt{a^2+b^2}$ で割ったものと考える) 直線④が円①、円②とそれぞれ接するため、各円の中心と直線④との距離はそれぞれの半径に等しい。
円①について:
$$\frac{|c|}{\sqrt{a^2 + b^2}} = 1$$
$a^2 + b^2 = 1$ より、
$$|c| = 1$$
よって、$c = 1$ または $c = -1$。
円②について:
$$\frac{|4a + c|}{\sqrt{a^2 + b^2}} = 2$$
$$|4a + c| = 2$$
(i) $c = 1$ のとき
$|4a + 1| = 2$ より、
$$4a + 1 = \pm 2$$
よって、$a = \frac{1}{4}, \ -\frac{3}{4}$
$a = \frac{1}{4}$ のとき、
$$b^2 = 1 - a^2 = 1 - \frac{1}{16} = \frac{15}{16}$$
より、$b = \pm \frac{\sqrt{15}}{4}$ したがって、接線の方程式は
$$\frac{1}{4}x \pm \frac{\sqrt{15}}{4}y + 1 = 0$$
$$x \pm \sqrt{15}y + 4 = 0$$
$a = -\frac{3}{4}$ のとき、
$$b^2 = 1 - a^2 = 1 - \frac{9}{16} = \frac{7}{16}$$
より、$b = \pm \frac{\sqrt{7}}{4}$ したがって、接線の方程式は
$$-\frac{3}{4}x \pm \frac{\sqrt{7}}{4}y + 1 = 0$$
$$-3x \pm \sqrt{7}y + 4 = 0 \iff 3x \mp \sqrt{7}y - 4 = 0$$
(ii) $c = -1$ のとき
$|4a - 1| = 2$ より、
$$4a - 1 = \pm 2$$
よって、$a = \frac{3}{4}, \ -\frac{1}{4}$
$a = \frac{3}{4}$ のとき、
$$b^2 = 1 - a^2 = 1 - \frac{9}{16} = \frac{7}{16}$$
より、$b = \pm \frac{\sqrt{7}}{4}$ 接線の方程式は
$$\frac{3}{4}x \pm \frac{\sqrt{7}}{4}y - 1 = 0$$
$$3x \pm \sqrt{7}y - 4 = 0$$
これは (i) で求めたものと一致する。
$a = -\frac{1}{4}$ のとき、
$$b^2 = 1 - a^2 = 1 - \frac{1}{16} = \frac{15}{16}$$
より、$b = \pm \frac{\sqrt{15}}{4}$ 接線の方程式は
$$-\frac{1}{4}x \pm \frac{\sqrt{15}}{4}y - 1 = 0$$
$$-x \pm \sqrt{15}y - 4 = 0 \iff x \mp \sqrt{15}y + 4 = 0$$
これも (i) で求めたものと一致する。
以上より、求める共通接線の方程式は
$$x \pm \sqrt{15}y + 4 = 0, \quad 3x \pm \sqrt{7}y - 4 = 0$$
解法2
(2)
2つの円の中心間の距離と半径の関係から求める。 円①は中心 $(0, 0)$、半径 $r_1 = 1$。 円②は中心 $(k, 0)$、半径 $r_2 = \sqrt{k^2 - 3k}$ ((1)の条件を満たすとする)。 中心間の距離を $d$ とすると、$d = \sqrt{(k - 0)^2 + 0^2} = |k|$。 2円が異なる2つの共有点をもつための条件は、
$$|r_1 - r_2| < d < r_1 + r_2$$
すなわち、
$$\left| 1 - \sqrt{k^2 - 3k} \right| < |k| < 1 + \sqrt{k^2 - 3k}$$
まず、右側の不等式 $|k| < 1 + \sqrt{k^2 - 3k}$ について考える。
$$|k| - 1 < \sqrt{k^2 - 3k}$$
$|k| - 1 < 0$ つまり $-1 < k < 1$ のとき、(1)の $k < 0, 3 < k$ と合わせると $-1 < k < 0$。 このとき、左辺は負、右辺は正となるため常に成立する。 $|k| - 1 \geqq 0$ のとき、両辺は $0$ 以上なので2乗して、
$$(|k| - 1)^2 < k^2 - 3k$$
$$k^2 - 2|k| + 1 < k^2 - 3k$$
$$-2|k| + 1 < -3k$$
$k \leqq -1$ のとき、$|k| = -k$ なので
$$2k + 1 < -3k \iff 5k < -1 \iff k < -\frac{1}{5}$$
$k \leqq -1$ であるから、この範囲は $k \leqq -1$。 $k > 3$ のとき、$|k| = k$ なので
$$-2k + 1 < -3k \iff k < -1$$
これは $k > 3$ を満たさない。 よって、右側の不等式の解は $k < 0$ となる。
次に、左側の不等式 $\left| 1 - \sqrt{k^2 - 3k} \right| < |k|$ について考える。 両辺は $0$ 以上なので2乗して、
$$1 - 2\sqrt{k^2 - 3k} + k^2 - 3k < k^2$$
$$1 - 3k < 2\sqrt{k^2 - 3k}$$
$1 - 3k < 0$ つまり $k > \frac{1}{3}$ のとき、(1)の条件と合わせると $k > 3$。 このとき、左辺は負、右辺は正となるため常に成立する。 $1 - 3k \geqq 0$ つまり $k \leqq \frac{1}{3}$ のとき、(1)の条件と合わせると $k < 0$。 両辺は $0$ 以上なので2乗して、
$$(1 - 3k)^2 < 4(k^2 - 3k)$$
$$1 - 6k + 9k^2 < 4k^2 - 12k$$
$$5k^2 + 6k + 1 < 0$$
$$(5k + 1)(k + 1) < 0$$
$$-1 < k < -\frac{1}{5}$$
これは $k < 0$ を満たす。 よって、左側の不等式の解は $-1 < k < -\frac{1}{5}$ または $k > 3$。
以上から、両方の不等式を同時に満たす $k$ の範囲を求めて、
$$-1 < k < -\frac{1}{5}$$
解説
(2) は、2円が交わる条件を中心間距離 $d$ と半径 $r_1, r_2$ の関係式 $|r_1 - r_2| < d < r_1 + r_2$ から求めるのが王道である(解法2)。しかし、根号を含み、かつ場合分けを伴う不等式の処理は計算ミスを誘発しやすい。そこで解法1のように、2つの円の方程式を辺々引いて得られる「共通弦」を表す直線の方程式に着目し、「直線と円が2点で交わる条件」に帰着させることで計算量を大幅に削減できる。この手法は実践的に極めて有効であるため習得しておきたい。 (3) は接線を $y = mx+n$ とおいてしまうと $y$ 軸に平行な接線を表現できなくなるため注意が必要である。一般形 $ax+by+c=0$ でおいて点と直線の距離の公式に持ち込むのが安全である。
答え
(1) $k < 0, \quad 3 < k$
(2) $-1 < k < -\frac{1}{5}$
(3) $x \pm \sqrt{15}y + 4 = 0, \quad 3x \pm \sqrt{7}y - 4 = 0$
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