トップ 基礎問題 数学2 図形と式 距離 問題 8

数学2 距離 問題 8 解説

数学2 距離 問題 8 解説

方針・初手

線分 $\text{OA}$ 上の点を媒介変数 $t$ を用いて表し、点 $\text{P}$ との距離の 2 乗を $t$ の 2 次関数として立式する。この 2 次関数の $0 \le t \le 1$ における最小値を求める問題に帰着させるのが確実である。最小値をとる $t$ の値(軸の位置)によって場合分けを行う。あるいは、点 $\text{P}$ から直線 $\text{OA}$ に下ろした垂線の足の位置を図形的に考察し、正射影ベクトルなどを利用して場合分けを行ってもよい。

解法1

線分 $\text{OA}$ 上の点 $\text{Q}$ は、実数 $t$ ($0 \le t \le 1$) を用いて $\text{Q}(t, 3t)$ と表せる。

(1) 点 $\text{P}(5, 2)$ のとき、線分 $\text{PQ}$ の長さの 2 乗は次のように表される。

$$\text{PQ}^2 = (t-5)^2 + (3t-2)^2 = 10t^2 - 22t + 29 = 10\left(t - \frac{11}{10}\right)^2 + \frac{169}{10}$$

$0 \le t \le 1$ の範囲において、$\text{PQ}^2$ は $t=1$ のとき最小となる。 最小値は $10\cdot 1^2 - 22\cdot 1 + 29 = 17$ である。 よって、求める値は以下の通りである。

$$d(\text{P}) = \sqrt{17}$$

(2) 点 $\text{P}(a, b)$ のとき、線分 $\text{PQ}$ の長さの 2 乗を $f(t)$ とおくと、次のように表される。

$$\begin{aligned} f(t) &= (t-a)^2 + (3t-b)^2 \\ &= 10t^2 - 2(a+3b)t + a^2 + b^2 \\ &= 10\left(t - \frac{a+3b}{10}\right)^2 + a^2 + b^2 - \frac{(a+3b)^2}{10} \\ &= 10\left(t - \frac{a+3b}{10}\right)^2 + \frac{(3a-b)^2}{10} \end{aligned}$$

$y=f(t)$ のグラフは下に凸の放物線であり、軸は直線 $t = \frac{a+3b}{10}$ である。$0 \le t \le 1$ における $f(t)$ の最小値を求めるため、軸の位置で場合分けを行う。

(i) $\frac{a+3b}{10} < 0$ すなわち $a+3b < 0$ のとき

$0 \le t \le 1$ において $f(t)$ は単調に増加するため、$t=0$ で最小値 $f(0) = a^2+b^2$ をとる。 このとき、$d(\text{P}) = \sqrt{a^2+b^2}$ である。

(ii) $0 \le \frac{a+3b}{10} \le 1$ すなわち $0 \le a+3b \le 10$ のとき

$f(t)$ は頂点である $t = \frac{a+3b}{10}$ で最小値 $\frac{(3a-b)^2}{10}$ をとる。 このとき、$d(\text{P}) = \frac{|3a-b|}{\sqrt{10}}$ である。

(iii) $\frac{a+3b}{10} > 1$ すなわち $a+3b > 10$ のとき

$0 \le t \le 1$ において $f(t)$ は単調に減少するため、$t=1$ で最小値 $f(1) = (a-1)^2+(b-3)^2$ をとる。 このとき、$d(\text{P}) = \sqrt{(a-1)^2+(b-3)^2}$ である。

(3) 点 $\text{P}$ は放物線 $y=x^2$ 上にあるので、$\text{P}(x, x^2)$ と表せる。(2) の結果において $a=x, b=x^2$ とする。 条件 $d(\text{P}) = \sqrt{10}$ は $d(\text{P})^2 = 10$ と同値である。場合分けの境界となる式は $a+3b = 3x^2+x$ であるため、これをもとに(2)の各場合について調べる。

(i) $3x^2+x < 0$ すなわち $-\frac{1}{3} < x < 0$ のとき

$d(\text{P})^2 = x^2+x^4 = 10$ より、$x^4+x^2-10 = 0$ となる。

$$\left(x^2 + \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{41}{4} = 0 \iff x^2 = \frac{-1 \pm \sqrt{41}}{2}$$

$x^2 > 0$ であるから $x^2 = \frac{\sqrt{41}-1}{2}$ となる。ここで、$6 < \sqrt{41} < 7$ より $\frac{5}{2} < x^2 < 3$ であるから、$x$ は $-\frac{1}{3} < x < 0$ の範囲を満たさない。よって不適である。

(ii) $0 \le 3x^2+x \le 10$ のとき

条件より $3x^2+x \ge 0$ すなわち $x \le -\frac{1}{3}, \ 0 \le x$ である。 また、$3x^2+x-10 \le 0$ すなわち $(3x-5)(x+2) \le 0$ より $-2 \le x \le \frac{5}{3}$ である。 これらを同時に満たす $x$ の範囲は $-2 \le x \le -\frac{1}{3}, \ 0 \le x \le \frac{5}{3}$ である。 このとき、$d(\text{P})^2 = \frac{(3x-x^2)^2}{10} = 10$ より、以下の式が成り立つ。

$$(x^2-3x)^2 = 100 \iff x^2-3x = \pm 10$$

$x^2-3x-10 = 0$ のとき、$(x-5)(x+2) = 0$ より $x = 5, -2$ となる。範囲を満たすのは $x = -2$ のみである。 $x^2-3x+10 = 0$ のとき、判別式 $D = (-3)^2 - 4\cdot 10 = -31 < 0$ より実数解をもたない。 よって $x = -2$ である。

(iii) $3x^2+x > 10$ のとき

条件より $(3x-5)(x+2) > 0$ すなわち $x < -2, \ \frac{5}{3} < x$ である。 このとき、$d(\text{P})^2 = (x-1)^2+(x^2-3)^2 = 10$ より、以下の式が成り立つ。

$$\begin{aligned} x^2-2x+1 + x^4-6x^2+9 &= 10 \\ x^4-5x^2-2x &= 0 \\ x(x^3-5x-2) &= 0 \end{aligned}$$

$P(x) = x^3-5x-2$ とすると、$P(-2) = 0$ であるから、因数定理より $P(x)$ は $x+2$ を因数にもつ。

$$x(x+2)(x^2-2x-1) = 0$$

これを解くと $x = 0, -2, 1 \pm \sqrt{2}$ を得る。 $x < -2, \ \frac{5}{3} < x$ を満たすものを調べる。 $x = 0, -2$ は条件を満たさない。 $1+\sqrt{2} \approx 2.41$ であり、$\frac{5}{3} \approx 1.66$ より大きいので条件を満たす。 $1-\sqrt{2} \approx -0.41$ であり、$-2$ より大きく $\frac{5}{3}$ より小さいので条件を満たさない。 よって $x = 1+\sqrt{2}$ である。

以上より、求める $x$ 座標は $x = -2, 1+\sqrt{2}$ である。

解法2

(1)と(2)について、図形的意味(正射影ベクトル)を用いて解く。 直線 $\text{OA}$ の方向ベクトルを $\vec{v} = (1, 3)$ とする。点 $\text{P}$ から直線 $\text{OA}$ に下ろした垂線の足を $\text{H}$ とし、実数 $k$ を用いて $\vec{OH} = k\vec{v}$ とおく。 $\vec{PH} \cdot \vec{v} = 0$ より、$(\vec{OH}-\vec{OP}) \cdot \vec{v} = 0$ が成り立つ。

$$k|\vec{v}|^2 = \vec{OP} \cdot \vec{v}$$

(2) $\vec{OP} = (a, b)$ のとき、$|\vec{v}|^2 = 10$、$\vec{OP} \cdot \vec{v} = a+3b$ であるから、$k = \frac{a+3b}{10}$ を得る。 点 $\text{H}$ の位置により、距離 $d(\text{P})$ は次のように場合分けされる。

(i) $k < 0$ すなわち $a+3b < 0$ のとき

点 $\text{H}$ は $\text{O}$ を越えた延長線上にあるため、線分 $\text{OA}$ 上の点との距離が最小となるのは端点 $\text{O}$ のときである。 $d(\text{P}) = \text{PO} = \sqrt{a^2+b^2}$

(ii) $0 \le k \le 1$ すなわち $0 \le a+3b \le 10$ のとき

点 $\text{H}$ は線分 $\text{OA}$ 上にあるため、距離が最小となるのは $\text{H}$ のときである。このとき $d(\text{P}) = \text{PH}$ となり、これは点 $\text{P}(a, b)$ と直線 $\text{OA}: 3x-y=0$ との距離に等しい。 $d(\text{P}) = \frac{|3a-b|}{\sqrt{3^2+(-1)^2}} = \frac{|3a-b|}{\sqrt{10}}$

(iii) $k > 1$ すなわち $a+3b > 10$ のとき

点 $\text{H}$ は $\text{A}$ を越えた延長線上にあるため、線分 $\text{OA}$ 上の点との距離が最小となるのは端点 $\text{A}(1,3)$ のときである。 $d(\text{P}) = \text{PA} = \sqrt{(a-1)^2+(b-3)^2}$

(1) 点 $\text{P}(5, 2)$ のとき、(2)の $a=5, b=2$ の場合である。 $a+3b = 5+6 = 11 > 10$ となり、(iii) の場合に該当する。

$$d(\text{P}) = \sqrt{(5-1)^2+(2-3)^2} = \sqrt{16+1} = \sqrt{17}$$

(3) の解法については解法1と同様である。

解説

点と線分の距離を問う典型問題である。「点から直線に下ろした垂線の足」が線分上にあるかないかで場合分けが生じることが最大のポイントとなる。 解法1のように距離の2乗をパラメータの2次関数として表せば、自然と「定義域のある2次関数の最小値」という基本問題に帰着できるため、機械的な処理が可能である。 (3)は(2)の結果の各式を利用して方程式を解くことになるが、それぞれの方程式の解が「その場合分けの条件(定義域)」を満たしているかの確認(十分性の確認)を忘れないようにすることが重要である。

答え

(1) $\sqrt{17}$

(2)

$a+3b < 0$ のとき、$d(\text{P}) = \sqrt{a^2+b^2}$

$0 \le a+3b \le 10$ のとき、$d(\text{P}) = \frac{|3a-b|}{\sqrt{10}}$

$a+3b > 10$ のとき、$d(\text{P}) = \sqrt{(a-1)^2+(b-3)^2}$

(3) $x = -2, \ 1+\sqrt{2}$

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