トップ 基礎問題 数学2 図形と式 直線 問題 8

数学2 直線 問題 8 解説

数学2 直線 問題 8 解説

方針・初手

点 $\text{P}$ の $x$ 座標を変数 $t$ として、関連する点 $\text{H}$ や $\text{M}$ の座標を $t$ を用いて表す。 $\triangle\text{OPM}$ を原点 $\text{O}$ を中心に回転させるとき、通過する領域は原点を中心とする円(円盤)となる。その半径は、原点 $\text{O}$ から $\triangle\text{OPM}$ の周および内部の点までの距離の最大値に等しい。 したがって、この距離の最大値を $t$ の関数として立式し、その最小値を求める問題に帰着させる。

解法1

2点 $\text{A}(3,0), \text{B}(0,2)$ を通る直線の方程式は、

$$\frac{x}{3} + \frac{y}{2} = 1 \iff y = -\frac{2}{3}x + 2$$

と表される。 点 $\text{P}$ は線分 $\text{AB}$ 上にあり、点 $\text{A}$ とは異なるので、点 $\text{P}$ の $x$ 座標を $t$ とおくと、$\text{P}$ の座標は $\left(t, -\frac{2}{3}t + 2\right)$ となる。このとき $t$ のとり得る値の範囲は $0 \le t < 3$ である。

点 $\text{P}$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足 $\text{H}$ の座標は $(t, 0)$ である。 点 $\text{M}$ は点 $\text{A}(3,0)$ と点 $\text{H}(t,0)$ の中点であるから、$\text{M}$ の座標は $\left(\frac{t+3}{2}, 0\right)$ となる。

$\triangle\text{OPM}$ を原点 $\text{O}$ を中心に1回転させたとき、通過する点全体が作る図形は、原点 $\text{O}$ を中心とし、$\triangle\text{OPM}$ 上の点と原点 $\text{O}$ との距離の最大値を半径とする円(内部を含む)である。 多角形の周および内部の点から定点までの距離が最大となるのは、定点と多角形の頂点との距離が最大となるときである。 原点 $\text{O}$ から $\triangle\text{OPM}$ の各頂点までの距離はそれぞれ $0, \text{OP}, \text{OM}$ であるから、求める円の半径の2乗を $f(t)$ とすると、

$$f(t) = \max(\text{OP}^2, \text{OM}^2)$$

となる。ここで $\text{OP}^2$ と $\text{OM}^2$ をそれぞれ $t$ の関数として求める。

$$\text{OP}^2 = t^2 + \left(-\frac{2}{3}t + 2\right)^2 = \frac{13}{9}t^2 - \frac{8}{3}t + 4$$

$$\text{OM}^2 = \left(\frac{t+3}{2}\right)^2 = \frac{1}{4}t^2 + \frac{3}{2}t + \frac{9}{4}$$

$f(t)$ の最小値を調べるため、$\text{OP}^2 = \text{OM}^2$ となる $t$ を求める。

$$\frac{13}{9}t^2 - \frac{8}{3}t + 4 = \frac{1}{4}t^2 + \frac{3}{2}t + \frac{9}{4}$$

両辺に $36$ を掛けて整理する。

$$52t^2 - 96t + 144 = 9t^2 + 54t + 81$$

$$43t^2 - 150t + 63 = 0$$

二次方程式の解の公式より、

$$t = \frac{75 \pm \sqrt{75^2 - 43 \cdot 63}}{43} = \frac{75 \pm \sqrt{5625 - 2709}}{43} = \frac{75 \pm \sqrt{2916}}{43}$$

$54^2 = 2916$ であるから、

$$t = \frac{75 \pm 54}{43}$$

よって、$t = 3, \frac{21}{43}$ を得る。 $0 \le t < 3$ の範囲で交点をもつのは $t = \frac{21}{43}$ のみである。

次に、$0 \le t < 3$ における $\text{OP}^2$ と $\text{OM}^2$ の大小関係を調べる。 $t=0$ のとき、$\text{OP}^2 = 4, \text{OM}^2 = \frac{9}{4}$ であり、$\text{OP}^2 > \text{OM}^2$ となる。 したがって、連続関数であることと交点が $t = \frac{21}{43}$ のみであることから、 $0 \le t \le \frac{21}{43}$ のとき $f(t) = \text{OP}^2$ $\frac{21}{43} \le t < 3$ のとき $f(t) = \text{OM}^2$ であることがわかる。

それぞれの区間における関数の増減を調べる。

(i) $0 \le t \le \frac{21}{43}$ のとき

$$f(t) = \frac{13}{9}t^2 - \frac{8}{3}t + 4 = \frac{13}{9}\left(t - \frac{12}{13}\right)^2 + \frac{36}{13}$$

これは $t = \frac{12}{13}$ を軸とする下に凸の放物線である。$\frac{21}{43} < \frac{12}{13}$($21 \cdot 13 = 273, 43 \cdot 12 = 516$ より明らか)であるから、この区間において $f(t)$ は単調に減少する。

(ii) $\frac{21}{43} \le t < 3$ のとき

$$f(t) = \frac{1}{4}(t+3)^2$$

これは $t \ge 0$ において明らかに単調増加である。

(i)(ii) より、$f(t)$ は $t = \frac{21}{43}$ のときに最小値をとる。円の面積が最小となるのは半径の2乗 $f(t)$ が最小となるときであるから、求める点 $\text{P}$ の $x$ 座標は $\frac{21}{43}$ である。

このときの $y$ 座標は、

$$y = -\frac{2}{3} \cdot \frac{21}{43} + 2 = -\frac{14}{43} + \frac{86}{43} = \frac{72}{43}$$

となる。

解説

図形の回転により生じる領域の面積を評価する問題である。 原点を中心とする回転であるため、領域は「原点から最も遠い点」までの距離を半径とする円となる。この「最も遠い点」が三角形の頂点のいずれかになるという事実(凸多角形の性質)を利用することで、各頂点までの距離の最大値を求める関数問題に帰着させることができる。 $f(x) = \max(g(x), h(x))$ の最小値を求める際、2つの関数のグラフの交点を求め、それぞれの増減を調べて最も低くなる点を見つけるという定石に沿って処理すればよい。

答え

点 $\text{P}$ の座標は $\left( \frac{21}{43}, \frac{72}{43} \right)$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。