数学2 直線 問題 9 解説

方針・初手
問題の誘導に従い、図形的な性質と座標平面上の直線の方程式、および三角関数の公式を組み合わせて順に求めていく。
垂直二等分線や外心については、線分の中点と傾きから直線の方程式を立てる。角の二等分線の傾きについては、図の配置から直線と $x$ 軸がなす角の正接($\tan$)を読み取り、2倍角の公式を用いて逆算する。最後に、内心は2つの内角の二等分線の交点として連立方程式から導出する。
解法1
$\text{O}(0, 0), \text{B}(5, 12)$ について、線分 $\text{OB}$ の中点は $\left(\frac{5}{2}, 6\right)$ である。 直線 $\text{OB}$ の傾きは $\frac{12}{5}$ であるから、線分 $\text{OB}$ の垂直二等分線の傾きは $-\frac{5}{12}$ となる。 したがって、垂直二等分線の方程式は、
$$y - 6 = -\frac{5}{12}\left(x - \frac{5}{2}\right)$$
$$y = -\frac{5}{12}x + \frac{25}{24} + \frac{144}{24} = -\frac{5}{12}x + \frac{169}{24}$$
となる。
$\triangle\text{OAB}$ の外心 $\text{M}$ は、各辺の垂直二等分線の交点である。 線分 $\text{OA}$ は $x$ 軸上にあり、その中点は $(7, 0)$ であるため、$\text{OA}$ の垂直二等分線の方程式は $x = 7$ である。 外心 $\text{M}$ は直線 $x = 7$ と線分 $\text{OB}$ の垂直二等分線の交点であるから、$x = 7$ を代入して、
$$y = -\frac{5}{12} \cdot 7 + \frac{169}{24} = -\frac{70}{24} + \frac{169}{24} = \frac{99}{24} = \frac{33}{8}$$
よって、外心 $\text{M}$ の座標は $\left(7, \frac{33}{8}\right)$ である。
次に、$\angle\text{AOB} = 2\alpha$ とする。 直線 $\text{OA}$ は $x$ 軸であるため、直線 $\text{OB}$ と $x$ 軸正の向きのなす角が $2\alpha$ である。 したがって、直線 $\text{OB}$ の傾きより、
$$\tan 2\alpha = \frac{12}{5}$$
となる。 正接の2倍角の公式より、
$$\frac{2\tan\alpha}{1-\tan^2\alpha} = \frac{12}{5}$$
$$10\tan\alpha = 12 - 12\tan^2\alpha$$
$$6\tan^2\alpha + 5\tan\alpha - 6 = 0$$
$$(3\tan\alpha - 2)(2\tan\alpha + 3) = 0$$
ここで、点 $\text{B}$ は第1象限にあり、$x$ 座標よりも $y$ 座標の方が大きいため、直角三角形を考えると $0 < 2\alpha < \frac{\pi}{2}$ である。 ゆえに $0 < \alpha < \frac{\pi}{4}$ となり、$\tan\alpha > 0$ であるから、
$$\tan\alpha = \frac{2}{3}$$
となる。
同様に、$\angle\text{OAB} = 2\beta$ について考える。 $\text{A}(14, 0), \text{B}(5, 12)$ より、直線 $\text{AB}$ の傾きは、
$$\frac{12 - 0}{5 - 14} = -\frac{4}{3}$$
である。 $x$ 軸の負の方向と直線 $\text{AB}$ がなす角が $2\beta$ に等しいため、
$$\tan 2\beta = \left| -\frac{4}{3} \right| = \frac{4}{3}$$
となる。 正接の2倍角の公式より、
$$\frac{2\tan\beta}{1-\tan^2\beta} = \frac{4}{3}$$
$$6\tan\beta = 4 - 4\tan^2\beta$$
$$2\tan^2\beta + 3\tan\beta - 2 = 0$$
$$(2\tan\beta - 1)(\tan\beta + 2) = 0$$
ここでも $\tan\beta > 0$ であるから、
$$\tan\beta = \frac{1}{2}$$
となる。 $\angle\text{OAB}$ の二等分線は、点 $\text{A}(14, 0)$ を通り、傾きが $-\tan\beta = -\frac{1}{2}$ である直線であるため、その方程式は、
$$y = -\frac{1}{2}(x - 14) = -\frac{1}{2}x + 7$$
となる。
最後に、$\triangle\text{OAB}$ の内心 $\text{N}$ の座標を求める。 内心 $\text{N}$ は内角の二等分線の交点である。 $\angle\text{AOB}$ の二等分線は、原点を通り傾き $\tan\alpha = \frac{2}{3}$ の直線であるから $y = \frac{2}{3}x$ である。 これと $\angle\text{OAB}$ の二等分線 $y = -\frac{1}{2}x + 7$ を連立させて解く。
$$\frac{2}{3}x = -\frac{1}{2}x + 7$$
$$\frac{7}{6}x = 7$$
$$x = 6$$
このとき、
$$y = \frac{2}{3} \cdot 6 = 4$$
となる。 したがって、内心 $\text{N}$ の座標は $(6, 4)$ である。
解法2
内心 $\text{N}$ の座標については、三角形の各辺の長さを利用した公式によって直接求めることも可能である。
$\triangle\text{OAB}$ の各頂点の座標は $\text{O}(0, 0), \text{A}(14, 0), \text{B}(5, 12)$ であるから、各辺の長さは以下のようになる。
$$\text{OA} = 14$$
$$\text{OB} = \sqrt{5^2 + 12^2} = \sqrt{25 + 144} = 13$$
$$\text{AB} = \sqrt{(5 - 14)^2 + 12^2} = \sqrt{81 + 144} = 15$$
三角形の頂点を $(x_1, y_1), (x_2, y_2), (x_3, y_3)$、対辺の長さをそれぞれ $a, b, c$ とすると、内心の座標は、
$$\left( \frac{ax_1 + bx_2 + cx_3}{a + b + c}, \frac{ay_1 + by_2 + cy_3}{a + b + c} \right)$$
と表される。 これに今回の数値を当てはめると、内心 $\text{N}$ の座標は、
$$x = \frac{15 \cdot 0 + 13 \cdot 14 + 14 \cdot 5}{14 + 13 + 15} = \frac{182 + 70}{42} = \frac{252}{42} = 6$$
$$y = \frac{15 \cdot 0 + 13 \cdot 0 + 14 \cdot 12}{14 + 13 + 15} = \frac{168}{42} = 4$$
となり、$\text{N}(6, 4)$ が得られる。
解説
直線の方程式と図形的な意味を結びつける基本問題である。 直線の傾き $m$ と、$x$ 軸の正の向きとのなす角 $\theta$ の間に $m = \tan\theta$ の関係があることを利用して、角の二等分線の傾きを求めるのが本問の主なテーマである。 途中の2倍角の公式から得られる2次方程式については、図形の配置(直角三角形の内角など)から適する解を判断する必要がある。
また、解法2で示したように、内心の座標公式を知っていれば計算の検算が容易に行えるため、公式を記憶しておくことは実戦上非常に有用である。
答え
ア: $-\frac{5}{12}$
イ: $\frac{169}{24}$
ウ: $\frac{33}{8}$
エ: $\frac{12}{5}$
オ: $\frac{2}{3}$
カ: $\frac{1}{2}$
キ: $-\frac{1}{2}$
ク: $7$
ケ: $6$
コ: $4$
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