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数学2 直線 問題 11 解説

数学2 直線 問題 11 解説

方針・初手

(1) は2つの放物線の方程式から $y$ を消去した2次方程式が異なる2つの実数解をもつ条件を求める。 (2) は2つの交点を通る直線の傾き $m$ を $a$ の式で表し、その最大値を求める。$m$ を求めるには、交点の $x$ 座標を文字でおいて解と係数の関係を用いる方法と、2つの放物線の方程式から $x^2$ の項を消去して直接直線の方程式を導出する方法がある。その後、分数関数の最大値を求めるため、分子の次数下げを行い、相加平均と相乗平均の大小関係を利用する。

解法1

(1)

2つの放物線 $C, D$ の方程式から $y$ を消去すると、

$$x^2 - ax - a = ax^2 + ax$$

整理して、

$$(a - 1)x^2 + 2ax + a = 0 \quad \cdots \cdots \text{①}$$

$C$ と $D$ が異なる2点で交わるための条件は、方程式①が異なる2つの実数解をもつことである。 $a \geqq 1$ より、もし $a = 1$ であれば①は $2x + 1 = 0$ となり解が1つとなるため不適である。 よって、$a > 1$ である。このとき①は2次方程式となる。 ①の判別式を $\Delta$ とすると、

$$\frac{\Delta}{4} = a^2 - (a - 1)a = a$$

異なる2つの実数解をもつための条件は $\Delta > 0$ であるから、

$$a > 0$$

$a > 1$ と合わせて、求める $a$ の値の範囲は、

$$a > 1$$

(2)

$a > 1$ のとき、$C$ と $D$ の2つの交点を通る直線の方程式は、$C, D$ の式から $x^2$ の項を消去することで得られる。 $C: y = x^2 - ax - a$ の両辺を $a$ 倍すると、

$$ay = ax^2 - a^2x - a^2 \quad \cdots \cdots \text{②}$$

$D: y = ax^2 + ax \quad \cdots \cdots \text{③}$

③から②を辺々引くと、

$$(1 - a)y = (a^2 + a)x + a^2$$

$a > 1$ より $1 - a \neq 0$ であるから、両辺を $1 - a$ で割って、

$$y = \frac{a^2 + a}{1 - a}x + \frac{a^2}{1 - a}$$

これが交点を通る直線の方程式であるから、その傾き $m$ は、

$$m = \frac{a^2 + a}{1 - a} = \frac{-a^2 - a}{a - 1}$$

分子の次数を下げるために変形する。

$$\begin{aligned} m &= \frac{-(a - 1)^2 - 3a + 1}{a - 1} \\ &= \frac{-(a - 1)^2 - 3(a - 1) - 2}{a - 1} \\ &= -(a - 1) - 3 - \frac{2}{a - 1} \\ &= -\left\{ (a - 1) + \frac{2}{a - 1} \right\} - 3 \end{aligned}$$

ここで $a > 1$ より $a - 1 > 0, \frac{2}{a - 1} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$(a - 1) + \frac{2}{a - 1} \geqq 2\sqrt{(a - 1) \cdot \frac{2}{a - 1}} = 2\sqrt{2}$$

等号が成立するのは、

$$a - 1 = \frac{2}{a - 1}$$

すなわち、$(a - 1)^2 = 2$ のときである。$a > 1$ より $a - 1 > 0$ であるから、

$$a - 1 = \sqrt{2} \iff a = 1 + \sqrt{2}$$

したがって、$m$ は $a = 1 + \sqrt{2}$ のとき最大となり、最大値は、

$$-2\sqrt{2} - 3 = -3 - 2\sqrt{2}$$

解法2

(1)

解法1に同じ。

(2)

$a > 1$ のとき、方程式①の異なる2つの実数解を $\alpha, \beta \ (\alpha \neq \beta)$ とすると、これらが2交点の $x$ 座標となる。 解と係数の関係より、

$$\alpha + \beta = -\frac{2a}{a - 1}$$

2交点の座標は、放物線 $C$ 上にあることから $(\alpha, \alpha^2 - a\alpha - a), (\beta, \beta^2 - a\beta - a)$ と表せる。 これら2点を通る直線の傾き $m$ は、

$$\begin{aligned} m &= \frac{(\beta^2 - a\beta - a) - (\alpha^2 - a\alpha - a)}{\beta - \alpha} \\ &= \frac{\beta^2 - \alpha^2 - a(\beta - \alpha)}{\beta - \alpha} \\ &= \frac{(\beta - \alpha)(\beta + \alpha - a)}{\beta - \alpha} \\ &= \alpha + \beta - a \end{aligned}$$

ここに解と係数の関係を代入して、

$$\begin{aligned} m &= -\frac{2a}{a - 1} - a \\ &= \frac{-2a - a(a - 1)}{a - 1} \\ &= \frac{-a^2 - a}{a - 1} \end{aligned}$$

これ以降は解法1と同様にして $m$ の最大値と、そのときの $a$ の値を求める。

解説

(1) は、連立方程式が異なる2組の実数解をもつための条件を求める基本問題である。$x^2$ の係数に文字が含まれているため、2次方程式になる条件の確認($a \neq 1$)を忘れないようにしたい。 (2) は、2交点を通る直線の傾きを立式し、最大値を求める問題である。解法1のように2つの2次方程式から $x^2$ の項を消去することで、交点を通る直線の方程式を直接求めるのが最も計算の負担が少ない。解法2のように解と係数の関係を利用するのも王道の手法である。 立式後の分数関数については、分子の次数を分母の次数より低くする(次数下げ)のが定石である。その後は、逆数同士の和の形が表れるため、相加平均と相乗平均の大小関係を用いて最大値(または最小値)を求めることができる。

答え

(1) $a > 1$

(2) $a = 1 + \sqrt{2}$ のとき、最大値 $-3 - 2\sqrt{2}$

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