トップ 基礎問題 数学2 図形と式 線形計画法 問題 5

数学2 線形計画法 問題 5 解説

数学2 線形計画法 問題 5 解説

方針・初手

(1) については、与えられた $x, y$ の範囲から $xy$ のとりうる値の範囲を求め、その範囲において不等式 $\sin(xy) \geqq \frac{1}{2}$ を解くことで領域 $D$ を特定する。 (2) については、$x+y = u$ とおき、直線 $y = -x + u$ が領域 $D$ と共有点をもつような $u$ の範囲を求める。その後、求めた $u$ の範囲における $\sin u$ の最大値と最小値を調べる。

解法1

(1)

与えられた条件は以下の通りである。

$$0 \leqq x \leqq 2$$

$$0 \leqq y \leqq 2$$

$$\frac{1}{2} \leqq \sin(xy)$$

$0 \leqq x \leqq 2$ かつ $0 \leqq y \leqq 2$ であるから、$xy$ のとりうる値の範囲は次のようになる。

$$0 \leqq xy \leqq 4$$

この範囲において、不等式 $\sin(xy) \geqq \frac{1}{2}$ を満たす $xy$ の範囲を求める。 $0 \leqq xy \leqq 4$ と $\pi \approx 3.14$ より $4 < \frac{4}{3}\pi$ であることに注意すると、解は以下のようになる。

$$\frac{\pi}{6} \leqq xy \leqq \frac{5\pi}{6}$$

したがって、領域 $D$ は、正方形 $0 \leqq x \leqq 2, 0 \leqq y \leqq 2$ の内部および境界のうち、2つの双曲線 $xy = \frac{\pi}{6}$ と $xy = \frac{5\pi}{6}$ で挟まれた部分である。

境界となる曲線および線分の交点を求める。 曲線 $xy = \frac{\pi}{6}$ と直線 $x=2$ の交点は $(2, \frac{\pi}{12})$ 曲線 $xy = \frac{\pi}{6}$ と直線 $y=2$ の交点は $(\frac{\pi}{12}, 2)$ 曲線 $xy = \frac{5\pi}{6}$ と直線 $x=2$ の交点は $(2, \frac{5\pi}{12})$ 曲線 $xy = \frac{5\pi}{6}$ と直線 $y=2$ の交点は $(\frac{5\pi}{12}, 2)$

領域 $D$ は、これらの点と曲線、および直線 $x=2, y=2$ の一部で囲まれた図形となる。(境界線上の点を含む)

(2)

$u = x+y$ とおくと、これは傾きが $-1$、 $y$ 切片が $u$ の直線を表す。 この直線が領域 $D$ と共有点をもつような $u$ の最大値と最小値を求める。

まず、$u$ の最小値について考える。 直線が領域 $D$ の左下の境界である曲線 $xy = \frac{\pi}{6}$ に第1象限で接するとき、$u$ は最小となる。 相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$x+y \geqq 2\sqrt{xy} = 2\sqrt{\frac{\pi}{6}} = \sqrt{\frac{2\pi}{3}}$$

等号は $x=y=\sqrt{\frac{\pi}{6}}$ のときに成立する。 このとき、$\sqrt{\frac{\pi}{6}} < \sqrt{1} = 1 < 2$ であるから、接点は領域 $D$ 内に存在する。 よって、$u$ の最小値は $\sqrt{\frac{2\pi}{3}}$ である。

次に、$u$ の最大値について考える。 領域 $D$ の上側および右側の境界は、線分 $y=2 \ (\frac{\pi}{12} \leqq x \leqq \frac{5\pi}{12})$、曲線 $xy = \frac{5\pi}{6} \ (\frac{5\pi}{12} \leqq x \leqq 2)$、線分 $x=2 \ (\frac{\pi}{12} \leqq y \leqq \frac{5\pi}{12})$ からなる。 対称性より、曲線 $xy = \frac{5\pi}{6} \ (\frac{5\pi}{12} \leqq x \leqq 2)$ 上での $x+y$ の最大値を調べれば十分である。 $y = \frac{5\pi}{6x}$ を代入して、関数 $f(x) = x + \frac{5\pi}{6x}$ を考える。

$$f'(x) = 1 - \frac{5\pi}{6x^2}$$

$f'(x) = 0$ となるのは $x = \sqrt{\frac{5\pi}{6}}$ のときであり、このとき $f(x)$ は極小かつ最小となる。 したがって、区間 $\frac{5\pi}{12} \leqq x \leqq 2$ における $f(x)$ の最大値は端点でとる。 $f(\frac{5\pi}{12}) = \frac{5\pi}{12} + 2$ $f(2) = 2 + \frac{5\pi}{12}$ また、線分上での最大値も端点において $2 + \frac{5\pi}{12}$ となる。 よって、$u$ の最大値は $2 + \frac{5\pi}{12}$ である。

以上より、$u$ のとりうる値の範囲は次のようになる。

$$\sqrt{\frac{2\pi}{3}} \leqq u \leqq 2 + \frac{5\pi}{12}$$

この範囲における $\sin u$ の最大値と最小値を求める。 区間の両端と $\frac{\pi}{2}, \pi$ などの値との大小関係を調べる。

$$\frac{\pi^2}{4} - \frac{2\pi}{3} = \frac{\pi(3\pi - 8)}{12} > 0$$

したがって、$\frac{2\pi}{3} < \frac{\pi^2}{4}$ であり、$\sqrt{\frac{2\pi}{3}} < \frac{\pi}{2}$ が成り立つ。 また、$3.14 < \pi < 3.15$ を用いると、

$$2 + \frac{5\pi}{12} - \pi = 2 - \frac{7\pi}{12} = \frac{24 - 7\pi}{12} > \frac{24 - 7 \times 3.15}{12} = \frac{1.95}{12} > 0$$

$$\frac{3\pi}{2} - \left( 2 + \frac{5\pi}{12} \right) = \frac{13\pi}{12} - 2 = \frac{13\pi - 24}{12} > \frac{13 \times 3.14 - 24}{12} = \frac{16.82}{12} > 0$$

これらより、$\pi < 2 + \frac{5\pi}{12} < \frac{3\pi}{2}$ が成り立つ。

すなわち、区間 $\left[ \sqrt{\frac{2\pi}{3}}, 2 + \frac{5\pi}{12} \right]$ の内部に $u = \frac{\pi}{2}$ が含まれる。 $\sin u$ は $u = \frac{\pi}{2}$ で最大値 $1$ をとる。 一方、最小値については、区間の右端 $2 + \frac{5\pi}{12}$ が $\pi$ と $\frac{3\pi}{2}$ の間にあるため、$\sin u$ は負の値をとる。左端での値は正であるため、最小値は $u = 2 + \frac{5\pi}{12}$ のときである。

解説

本問は、領域の図示と、その領域内を動く点に関する関数の最大・最小を求める典型的な問題である。 変数 $x, y$ の範囲から $xy$ のとりうる範囲を正確に求め、$0 \leqq xy \leqq 4$ という条件の下で三角不等式を解くことが最初の関門となる。 後半の最大・最小の議論では、$x+y = u$ とおく線形計画法の考え方を用いる。境界線が曲線を含むため、直線を動かして接する場合や端点を通る場合を微分や相加・相乗平均の関係を利用して調べる必要がある。また、得られた $u$ の範囲と $\frac{\pi}{2}$ や $\pi$ との大小関係を論理的に比較することが求められる。

答え

(1)

領域 $D$ は、$0 \leqq x \leqq 2$ かつ $0 \leqq y \leqq 2$ の範囲において、2つの双曲線 $y = \frac{\pi}{6x}$ と $y = \frac{5\pi}{6x}$ に挟まれた部分である。境界線を含む。

(交点は $(2, \frac{\pi}{12}), (\frac{\pi}{12}, 2), (2, \frac{5\pi}{12}), (\frac{5\pi}{12}, 2)$)

(2)

最大値: $1$

最小値: $\sin\left(2 + \frac{5\pi}{12}\right)$

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