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数学2 線形計画法 問題 6 解説

数学2 線形計画法 問題 6 解説

方針・初手

与えられた3つの不等式が表す領域を図示し、その領域内を点 $(x, y)$ が動くときの各式の取り得る値の範囲を図形的に考える。 $2x+y$ の最大値・最小値は、$2x+y=k$ とおくことで、傾き $-2$ の直線の $y$ 切片に着目する線形計画法の基本方針をとる。 $x^2+y^2$ の最大値・最小値は、原点 $(0, 0)$ から領域内の点 $(x, y)$ までの距離の2乗として捉える。

解法1

与えられた連立不等式

$$\begin{cases} 4x+y \leqq 9 \\ x+2y \geqq 4 \\ 2x-3y \geqq -6 \end{cases}$$

が表す領域を $D$ とする。領域 $D$ の境界となる3直線

$$\begin{aligned} l_1 &: 4x+y = 9 \\ l_2 &: x+2y = 4 \\ l_3 &: 2x-3y = -6 \end{aligned}$$

について、これらの交点を求める。

$l_1$ と $l_2$ の交点 $A$ は、連立方程式を解いて $A(2, 1)$ である。 $l_2$ と $l_3$ の交点 $B$ は、連立方程式を解いて $B(0, 2)$ である。 $l_3$ と $l_1$ の交点 $C$ は、連立方程式を解いて $C\left(\frac{3}{2}, 3\right)$ である。

各交点の座標はすべての不等式を満たすため、領域 $D$ はこれら3点を頂点とする $\triangle ABC$ の周および内部となる。

1. $2x+y$ の最大値と最小値

$2x+y = k$ とおくと、これは傾きが $-2$、 $y$ 切片が $k$ の直線を表す。 この直線が領域 $D$ と共有点をもつような $y$ 切片 $k$ の最大値と最小値を求める。 領域 $D$ は多角形(三角形)であるため、$k$ が最大または最小となるのは、直線が領域のいずれかの頂点を通るときである。 各頂点における $k$ の値は以下の通りである。

点 $A(2, 1)$ のとき、$k = 2 \cdot 2 + 1 = 5$ 点 $B(0, 2)$ のとき、$k = 2 \cdot 0 + 2 = 2$ 点 $C\left(\frac{3}{2}, 3\right)$ のとき、$k = 2 \cdot \frac{3}{2} + 3 = 6$

したがって、$2x+y$ の最大値は $6$、最小値は $2$ である。

2. $x^2+y^2$ の最大値と最小値

$x^2+y^2 = r^2$ ($r \geqq 0$) とおくと、$r^2$ は原点 $O(0, 0)$ から領域 $D$ 内の点 $P(x, y)$ までの距離 $OP$ の2乗である。

まず最大値について考える。原点から多角形の領域内の点までの距離が最大となるのは、いずれかの頂点のときである。 各頂点と原点の距離の2乗を計算する。

$$\begin{aligned} OA^2 &= 2^2 + 1^2 = 5 \\ OB^2 &= 0^2 + 2^2 = 4 \\ OC^2 &= \left(\frac{3}{2}\right)^2 + 3^2 = \frac{9}{4} + 9 = \frac{45}{4} \end{aligned}$$

これらを比較すると、$OC^2$ が最も大きいため、最大値は $\frac{45}{4}$ である。

次に最小値について考える。領域 $D$ と原点との距離が最小になるのは、原点から領域の境界に下ろした垂線の足が線分上にある場合か、あるいは頂点のいずれかである。 原点 $O$ から直線 $l_2: x+2y-4=0$ に下ろした垂線の足を $H$ とする。 点と直線の距離の公式より、線分 $OH$ の長さの2乗は

$$OH^2 = \left( \frac{|0 + 2 \cdot 0 - 4|}{\sqrt{1^2 + 2^2}} \right)^2 = \left( \frac{4}{\sqrt{5}} \right)^2 = \frac{16}{5}$$

となる。垂線の足 $H$ の座標を求めるため、原点を通る $l_2$ の垂線の方程式 $2x-y=0 \iff y=2x$ と $l_2$ の交点を計算すると、

$$x+2(2x) = 4 \iff 5x=4 \iff x=\frac{4}{5}$$

よって $H\left(\frac{4}{5}, \frac{8}{5}\right)$ である。 $H$ の $x$ 座標 $\frac{4}{5}$ は、点 $B$ の $x$ 座標 $0$ と点 $A$ の $x$ 座標 $2$ の間($0 \leqq \frac{4}{5} \leqq 2$)にあるため、点 $H$ は線分 $AB$ 上に存在する。 $OH^2 = \frac{16}{5} = 3.2$ は、先に求めたどの頂点までの距離の2乗よりも小さいため、これが最小値となる。

したがって、$x^2+y^2$ の最大値は $\frac{45}{4}$、最小値は $\frac{16}{5}$ である。

解説

不等式で表された領域における関数値の最大・最小を求める、線形計画法の典型問題である。 1次式の最大・最小は、多角形領域であれば必ず頂点で値をとるという性質を利用すれば、各頂点の値を比較するだけで確実に解答できる。 一方で、2次式である $x^2+y^2$(原点からの距離の2乗)の最小値については、頂点だけでなく、境界線に下ろした垂線の足が領域の線分上に含まれるかどうかを確認する必要がある。この点を見落とし、単なる頂点の比較だけで最小値を求めてしまわないよう注意したい。

答え

$2x+y$ の最大値:$6$

$2x+y$ の最小値:$2$

$x^2+y^2$ の最大値:$\frac{45}{4}$

$x^2+y^2$ の最小値:$\frac{16}{5}$

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