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数学2 線形計画法 問題 10 解説

数学2 線形計画法 問題 10 解説

方針・初手

与えられた不等式は、絶対値 $|x-y|$ についての2次不等式とみなすことができる。まずはこれを解いて $|x-y|$ のとりうる値の範囲を求め、領域 $D$ の具体的な形を特定する。

(2)の「円と領域が共有点をもつ」という条件は、「原点(円の中心)と領域 $D$ 内の点との距離の最小値・最大値」を考えることで求められる。領域 $D$ は無限に広がる帯状の領域であるため、原点との最短距離を点と直線の距離の公式を用いて求める。

解法1

(1)

与えられた不等式は以下の通りである。

$$(|x - y| - 2)(|x - y| - 4) \leqq 0$$

ここで、$|x - y| = t$ とおくと、$t \geqq 0$ であり、不等式は次のように書ける。

$$(t - 2)(t - 4) \leqq 0$$

これを解くと、$2 \leqq t \leqq 4$ を得る。これは $t \geqq 0$ を満たす。

したがって、

$$2 \leqq |x - y| \leqq 4$$

となる。絶対値をはずすと、

$$2 \leqq x - y \leqq 4 \quad \text{または} \quad -4 \leqq x - y \leqq -2$$

となる。それぞれを $y$ について解くと、

$$x - 4 \leqq y \leqq x - 2 \quad \text{または} \quad x + 2 \leqq y \leqq x + 4$$

となる。

領域 $D$ は、これら2組の連立不等式が表す領域である。図示すると、傾きが $1$ の平行な直線群に挟まれた2つの帯状の領域となる(境界線を含む)。

(2)

円 $x^2 + y^2 = r^2$ は、原点 $(0,0)$ を中心とする半径 $r$ ($r > 0$) の円である。

この円が領域 $D$ と共有点をもつためには、原点 $(0,0)$ から領域 $D$ 内の点までの距離の最小値が $r$ 以下であればよい。領域 $D$ は無限に広がっているため、距離に上限はない。

原点から領域 $D$ までの距離が最小となるのは、原点から領域の境界となる直線のうち、最も原点に近いものへ垂線を下ろしたときである。対称性より、直線 $x - y - 2 = 0$ または $x - y + 2 = 0$ との距離を考えれば十分である。

点と直線の距離の公式より、原点 $(0,0)$ と直線 $x - y - 2 = 0$ の距離 $d$ は、

$$d = \frac{|0 - 0 - 2|}{\sqrt{1^2 + (-1)^2}} = \frac{2}{\sqrt{2}} = \sqrt{2}$$

である。

したがって、原点から領域 $D$ 内の点までの距離の最小値は $\sqrt{2}$ である。円が共有点をもつためには、半径 $r$ がこの最短距離以上であればよい。

よって、求める半径 $r$ の範囲は $r \geqq \sqrt{2}$ となる。

解説

絶対値を含む不等式が表す領域の図示と、領域と円の共有点の条件を問う標準的な問題である。(1)で領域の形を正確に把握し、(2)で「円と共有点をもつ」という条件を「原点からの距離」の問題に言い換えることができるかがポイントである。

領域が無限に広がっているため、円の半径 $r$ がいくら大きくなっても必ず共有点をもつ(最大値が存在しない)ことを見抜くことが重要である。

答え

(1) 直線 $y = x - 2$ と $y = x - 4$ に挟まれた領域、および直線 $y = x + 2$ と $y = x + 4$ に挟まれた領域。(境界線を含む)

(2) $r \geqq \sqrt{2}$

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