トップ 基礎問題 数学3 極限 無限級数 問題 15

数学3 無限級数 問題 15 解説

数学3 無限級数 問題 15 解説

方針・初手

正三角形 $T_1, T_2, \dots$ について、隣り合う正三角形の辺の長さの関係を余弦定理を用いて導出する。正三角形の面積は1辺の長さの2乗に比例するため、面積の数列は等比数列となる。公比の条件を確認したうえで無限等比級数の和を計算し、最後に相加平均と相乗平均の大小関係を用いて最小値を求める。

解法1

(1)

正三角形 $T_1$ の1辺の長さは $a$ である。点 $\text{A}_2$ は辺 $\text{A}_1\text{B}_1$ を $t:1$ に内分し、点 $\text{C}_2$ は辺 $\text{C}_1\text{A}_1$ を $t:1$ に内分するため、それぞれの線分の長さは次のようになる。

$$\text{A}_1\text{A}_2 = \frac{t}{t+1}a$$

$$\text{A}_1\text{C}_2 = \frac{1}{t+1}a$$

$\triangle \text{A}_1\text{A}_2\text{C}_2$ において、余弦定理を用いると、

$$\begin{aligned} \text{A}_2\text{C}_2^2 &= \text{A}_1\text{A}_2^2 + \text{A}_1\text{C}_2^2 - 2 \text{A}_1\text{A}_2 \cdot \text{A}_1\text{C}_2 \cos 60^\circ \\ &= \left( \frac{t}{t+1}a \right)^2 + \left( \frac{1}{t+1}a \right)^2 - 2 \cdot \frac{t}{t+1}a \cdot \frac{1}{t+1}a \cdot \frac{1}{2} \\ &= \frac{t^2 + 1 - t}{(t+1)^2} a^2 \end{aligned}$$

$t$ は正の実数であるから $t^2 - t + 1 = \left( t - \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{3}{4} > 0$ であり、$t+1 > 0$, $a > 0$ である。したがって、$\text{A}_2\text{C}_2 > 0$ より $T_2$ の1辺の長さは次のように求まる。

$$\text{A}_2\text{C}_2 = \frac{\sqrt{t^2 - t + 1}}{t+1}a$$

(2)

正三角形 $T_n$ の面積を $S_n$ とおく。

$T_n$ の1辺の長さを $l_n$ とすると、$T_{n+1}$ の頂点も $T_n$ の各辺を $t:1$ に内分する点であるから、(1)と同様の計算により、

$$l_{n+1}^2 = \frac{t^2 - t + 1}{(t+1)^2} l_n^2$$

が成り立つ。正三角形の面積は1辺の長さの2乗に比例するため、面積比は次のように表される。

$$\frac{S_{n+1}}{S_n} = \frac{l_{n+1}^2}{l_n^2} = \frac{t^2 - t + 1}{(t+1)^2}$$

ここで、$公比 \ r = \frac{t^2 - t + 1}{(t+1)^2}$ とおく。

$$1 - r = 1 - \frac{t^2 - t + 1}{t^2 + 2t + 1} = \frac{3t}{(t+1)^2}$$

$t > 0$ より $3t > 0$, $(t+1)^2 > 0$ であるから、$1 - r > 0$ すなわち $r < 1$ である。また $r > 0$ も明らかであるから、$0 < r < 1$ を満たす。

数列 $\{S_n\}$ は、初項 $S_1 = \frac{\sqrt{3}}{4}a^2$、公比 $r$ の無限等比数列であり、公比の絶対値が $1$ より小さいため、その級数は収束する。面積の総和 $S(t)$ は無限等比級数の和の公式より、

$$\begin{aligned} S(t) &= \frac{S_1}{1 - r} \\ &= \frac{\frac{\sqrt{3}}{4}a^2}{\frac{3t}{(t+1)^2}} \\ &= \frac{\sqrt{3}(t+1)^2}{12t}a^2 \end{aligned}$$

(3)

(2)で求めた $S(t)$ を変形する。

$$\begin{aligned} S(t) &= \frac{\sqrt{3}a^2}{12} \cdot \frac{t^2 + 2t + 1}{t} \\ &= \frac{\sqrt{3}a^2}{12} \left( t + \frac{1}{t} + 2 \right) \end{aligned}$$

$t > 0$, $\frac{1}{t} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$t + \frac{1}{t} \geqq 2\sqrt{t \cdot \frac{1}{t}} = 2$$

が成り立つ。両辺に $2$ を加えると、

$$t + \frac{1}{t} + 2 \geqq 4$$

したがって、

$$S(t) \geqq \frac{\sqrt{3}a^2}{12} \cdot 4 = \frac{\sqrt{3}}{3}a^2$$

等号が成立するのは $t = \frac{1}{t}$ すなわち $t^2 = 1$ のときであり、$t > 0$ より $t = 1$ のときである。以上より、$S(t)$ の最小値は $\frac{\sqrt{3}}{3}a^2$ である。

解説

図形の反復操作と無限等比級数を組み合わせた典型的な問題である。図形の相似性に気づけば、$T_n$ と $T_{n+1}$ の1辺の長さの関係から直ちに面積比(公比)を導くことができる。極限や無限級数の問題では、公比が収束条件($-1 < r < 1$)を満たすことを明記することが重要である。また、分母に文字を含む分数式の最大・最小では、分子の次数を下げて相加平均と相乗平均の大小関係に持ち込む変形が定石となる。

答え

(1) $\frac{\sqrt{t^2 - t + 1}}{t+1}a$

(2) $S(t) = \frac{\sqrt{3}(t+1)^2}{12t}a^2$

(3) $\frac{\sqrt{3}}{3}a^2$

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