トップ 基礎問題 数学3 極限 無限級数 問題 17

数学3 無限級数 問題 17 解説

数学3 無限級数 問題 17 解説

方針・初手

円が2つの辺に接しながら次々と外接していく図形的な状況を座標平面に設定して考える。 正方形の1つの頂点を原点に置くと、2辺に接する円の中心座標を半径 $r$ を用いて $(r, r)$ と表すことができる。中心間の距離と半径の和が等しいという外接の条件から、$r_n$ と $r_{n-1}$ の漸化式を導出する。立体の場合も同様に、立方体の頂点を原点とする座標空間で考えることで簡潔に処理できる。

解法1

正方形の隣り合う2辺を $x$ 軸、$y$ 軸上に置き、1つの頂点が原点 $(0,0)$ に一致するように座標系を設定する。正方形は $0 \leqq x \leqq 2$ かつ $0 \leqq y \leqq 2$ の領域にあるとする。 このとき、正方形に内接する半径 $1$ の円 $C_1$ の中心は $(1, 1)$ であり、$r_1 = 1$ である。

円 $C_n$ は正方形の2辺($x$ 軸および $y$ 軸)に接するため、その中心は $(r_n, r_n)$ と表せる。 また、条件より円 $C_2, C_3, \dots$ はすべて原点付近に生じる隙間に連なるように配置され、$r_1 > r_2 > r_3 > \dots > 0$ を満たす。

(1)

円 $C_2$ は円 $C_1$ に外接する。$C_1$ の中心 $(1, 1)$ と $C_2$ の中心 $(r_2, r_2)$ の距離は、2円の半径の和 $1 + r_2$ に等しい。 したがって、次の方程式が成り立つ。

$$\sqrt{(1 - r_2)^2 + (1 - r_2)^2} = 1 + r_2$$

これを整理する。

$$\sqrt{2(1 - r_2)^2} = 1 + r_2$$

$1 - r_2 > 0$ より、$\sqrt{2}(1 - r_2) = 1 + r_2$ となる。これを $r_2$ について解く。

$$(\sqrt{2} + 1)r_2 = \sqrt{2} - 1$$

$$r_2 = \frac{\sqrt{2} - 1}{\sqrt{2} + 1} = (\sqrt{2} - 1)^2 = 3 - 2\sqrt{2}$$

同様に、$C_3$ は $C_2$ に外接するため、$C_2$ の中心 $(r_2, r_2)$ と $C_3$ の中心 $(r_3, r_3)$ について以下の式が成り立つ。

$$\sqrt{(r_2 - r_3)^2 + (r_2 - r_3)^2} = r_2 + r_3$$

$r_2 > r_3$ であるから、$\sqrt{2}(r_2 - r_3) = r_2 + r_3$ となる。 これを $r_3$ について解くと、以下のようになる。

$$(\sqrt{2} + 1)r_3 = (\sqrt{2} - 1)r_2$$

$$r_3 = \frac{\sqrt{2} - 1}{\sqrt{2} + 1}r_2 = (3 - 2\sqrt{2})(3 - 2\sqrt{2}) = 17 - 12\sqrt{2}$$

(2)

(1)の $C_2, C_3$ における関係と同様に、$n \geqq 2$ に対して $C_n$ は $C_{n-1}$ と外接するため、以下の式が成り立つ。

$$\sqrt{2}(r_{n-1} - r_n) = r_{n-1} + r_n$$

これを変形すると、数列 $\{r_n\}$ の漸化式が得られる。

$$r_n = \frac{\sqrt{2} - 1}{\sqrt{2} + 1}r_{n-1} = (3 - 2\sqrt{2})r_{n-1}$$

これは $n=2$ のときも、(1)の計算の通り $r_1=1$ を用いて成り立つ。 したがって、数列 $\{r_n\}$ は初項 $r_1 = 1$、公比 $3 - 2\sqrt{2}$ の等比数列である。 よって、一般項 $r_n$ は次のように表される。

$$r_n = 1 \cdot (3 - 2\sqrt{2})^{n-1} = (3 - 2\sqrt{2})^{n-1}$$

(3)

求める面積の総和を $S$ とすると、$S = \sum_{n=1}^{\infty} \pi r_n^2$ である。

$$r_n^2 = \{(3 - 2\sqrt{2})^{n-1}\}^2 = \{(3 - 2\sqrt{2})^2\}^{n-1} = (17 - 12\sqrt{2})^{n-1}$$

公比 $17 - 12\sqrt{2}$ について、$12\sqrt{2} = \sqrt{288} \approx 16.97$ であるから、$0 < 17 - 12\sqrt{2} < 1$ となり、この無限等比級数は収束する。 したがって、面積の総和 $S$ は次のように計算できる。

$$S = \frac{\pi \cdot r_1^2}{1 - (17 - 12\sqrt{2})} = \frac{\pi}{12\sqrt{2} - 16}$$

分母を有理化して整理する。

$$S = \frac{(12\sqrt{2} + 16)\pi}{(12\sqrt{2})^2 - 16^2} = \frac{4(3\sqrt{2} + 4)\pi}{288 - 256} = \frac{4(3\sqrt{2} + 4)\pi}{32} = \frac{3\sqrt{2} + 4}{8}\pi$$

(4)

立体の場合も平面の場合と同様に考える。 立方体の3つの面を $xy$ 平面、$yz$ 平面、$zx$ 平面とし、立方体が $0 \leqq x \leqq 2$、$0 \leqq y \leqq 2$、$0 \leqq z \leqq 2$ の領域にあるように座標系をとる。 このとき、立方体に内接する半径 $1$ の球 $G_1$ の中心は $(1, 1, 1)$ である。

球 $G_2$ は立方体の3つの面(座標平面)に接し、かつ $G_1$ より小さいため、その中心は $(r, r, r)$ ($0 < r < 1$) と表せる。$G_2$ の半径も $r$ となる。 $G_1$ と $G_2$ は外接するため、2つの球の中心間の距離は、半径の和 $1 + r$ に等しい。

$$\sqrt{(1 - r)^2 + (1 - r)^2 + (1 - r)^2} = 1 + r$$

$1 - r > 0$ より、これを整理する。

$$\sqrt{3}(1 - r) = 1 + r$$

$r$ について解く。

$$(\sqrt{3} + 1)r = \sqrt{3} - 1$$

$$r = \frac{\sqrt{3} - 1}{\sqrt{3} + 1} = \frac{(\sqrt{3} - 1)^2}{(\sqrt{3} + 1)(\sqrt{3} - 1)} = \frac{4 - 2\sqrt{3}}{2} = 2 - \sqrt{3}$$

したがって、球 $G_2$ の半径は $2 - \sqrt{3}$ である。

解説

図形が接する条件を式で表現する、古典的で典型的な問題である。「円が直線(軸)に接する」という条件から中心の座標を設定し、「2円が外接する」という条件から中心間の距離の式を立てるという基本手順を忠実に実行すればよい。 図形が自己相似的に無限に続いていくことから、公比が $1$ より小さい等比数列が現れ、面積の総和は無限等比級数の和として求められる。 (4)の空間図形への拡張も、2次元の直角二等辺三角形が3次元の直角三角錐に置き換わるだけで、本質的な計算構造は全く同じである。空間座標を導入することで、見通しよく処理できる。

答え

(1) $r_2 = 3 - 2\sqrt{2}, \quad r_3 = 17 - 12\sqrt{2}$

(2) $r_n = (3 - 2\sqrt{2})^{n-1}$

(3) $\frac{3\sqrt{2} + 4}{8}\pi$

(4) $2 - \sqrt{3}$

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