数学3 無限級数 問題 24 解説

方針・初手
与えられた分数式を部分分数分解し、数列の和を計算しやすい形に変形する。和の計算においては、隣り合う項や少し離れた項同士が互いに打ち消し合う構造を見つけ出すことがポイントとなる。無限級数の和は、有限部分和を求めてから極限をとるという手順を踏む。
解法1
(1)
与えられた等式の右辺を通分して整理する。
$$\frac{p}{k} + \frac{q}{k+1} + \frac{r}{k+3} = \frac{p(k+1)(k+3) + qk(k+3) + rk(k+1)}{k(k+1)(k+3)}$$
$$= \frac{(p+q+r)k^2 + (4p+3q+r)k + 3p}{k(k+1)(k+3)}$$
これがすべての自然数 $k$ について $\frac{2ak + 6b}{k(k+1)(k+3)}$ と等しくなるためには、分子が $k$ についての恒等式となればよい。両辺の係数を比較して、以下の連立方程式を得る。
$$\begin{cases} p+q+r = 0 \\ 4p+3q+r = 2a \\ 3p = 6b \end{cases}$$
これを解く。第3式より $p=2b$ である。これを第1式、第2式に代入する。
$$\begin{cases} 2b+q+r = 0 \\ 8b+3q+r = 2a \end{cases}$$
第1式より $r = -q-2b$ となり、これを第2式に代入すると、
$$8b + 3q - q - 2b = 2a$$
$$2q = 2a - 6b$$
よって $q = a - 3b$ となる。さらに $r$ を求めると、
$$r = -(a-3b) - 2b = -a + b$$
以上より、$p = 2b, q = a - 3b, r = -a + b$ となる。
(2)
前半:$b=0$ のとき (1) の結果より、$p=0, q=a, r=-a$ であるから、数列の一般項は以下のように表される。
$$x_k = \frac{a}{k+1} - \frac{a}{k+3} = a \left( \frac{1}{k+1} - \frac{1}{k+3} \right)$$
$n \ge 3$ に対して、この数列の初項から第 $n$ 項までの和を書き下す。
$$\sum_{k=1}^n x_k = a \sum_{k=1}^n \left( \frac{1}{k+1} - \frac{1}{k+3} \right)$$
$$= a \left\{ \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{4} \right) + \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{5} \right) + \left( \frac{1}{4} - \frac{1}{6} \right) + \cdots + \left( \frac{1}{n} - \frac{1}{n+2} \right) + \left( \frac{1}{n+1} - \frac{1}{n+3} \right) \right\}$$
途中の項が互いに打ち消し合い、正の項と負の項がそれぞれ2つずつ残る。
$$= a \left( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} - \frac{1}{n+2} - \frac{1}{n+3} \right)$$
$$= a \left( \frac{5}{6} - \frac{1}{n+2} - \frac{1}{n+3} \right)$$
これを通分して整理する。
$$= a \frac{5(n+2)(n+3) - 6(n+3) - 6(n+2)}{6(n+2)(n+3)}$$
$$= a \frac{5n^2+25n+30 - 6n - 18 - 6n - 12}{6(n+2)(n+3)}$$
$$= \frac{an(5n+13)}{6(n+2)(n+3)}$$
後半:$a=0$ のとき (1) の結果より、$p=2b, q=-3b, r=b$ であるから、一般項は以下のようになる。
$$x_k = b \left( \frac{2}{k} - \frac{3}{k+1} + \frac{1}{k+3} \right)$$
$n \ge 4$ に対して和を求める。項の形ごとに和を分割し、$k=4$ から $n$ までの部分をシグマとしてまとめて扱うことで、打ち消し合いを見やすくする。
$$\sum_{k=1}^n x_k = b \left( 2\sum_{k=1}^n \frac{1}{k} - 3\sum_{k=1}^n \frac{1}{k+1} + \sum_{k=1}^n \frac{1}{k+3} \right)$$
$$= b \left\{ 2 \left( 1 + \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \sum_{k=4}^n \frac{1}{k} \right) - 3 \left( \frac{1}{2} + \frac{1}{3} + \sum_{k=4}^n \frac{1}{k} + \frac{1}{n+1} \right) + \left( \sum_{k=4}^n \frac{1}{k} + \frac{1}{n+1} + \frac{1}{n+2} + \frac{1}{n+3} \right) \right\}$$
ここで、$\sum_{k=4}^n \frac{1}{k}$ の係数は $2 - 3 + 1 = 0$ となり完全に消去される。残った項を整理する。
$$= b \left( 2 + 1 + \frac{2}{3} - \frac{3}{2} - 1 - \frac{3}{n+1} + \frac{1}{n+1} + \frac{1}{n+2} + \frac{1}{n+3} \right)$$
$$= b \left( \frac{7}{6} - \frac{2}{n+1} + \frac{1}{n+2} + \frac{1}{n+3} \right)$$
これを通分して整理する。
$$= b \frac{7(n+1)(n+2)(n+3) - 12(n+2)(n+3) + 6(n+1)(n+3) + 6(n+1)(n+2)}{6(n+1)(n+2)(n+3)}$$
分子を展開して計算する。
$$= b \frac{7(n^3+6n^2+11n+6) - 12(n^2+5n+6) + 6(n^2+4n+3) + 6(n^2+3n+2)}{6(n+1)(n+2)(n+3)}$$
$$= b \frac{7n^3 + (42-12+6+6)n^2 + (77-60+24+18)n + (42-72+18+12)}{6(n+1)(n+2)(n+3)}$$
$$= \frac{bn(7n^2+42n+59)}{6(n+1)(n+2)(n+3)}$$
(3)
(1) の結果を用いた一般の $x_k$ の式は、(2) で扱った $a$ を含む部分と $b$ を含む部分の和として表すことができる。
$$x_k = a \left( \frac{1}{k+1} - \frac{1}{k+3} \right) + b \left( \frac{2}{k} - \frac{3}{k+1} + \frac{1}{k+3} \right)$$
したがって、第 $n$ 項までの部分和 $\sum_{k=1}^n x_k$ も、(2) で求めた2つの結果を足し合わせたものになる。
$$\sum_{k=1}^n x_k = a \left( \frac{5}{6} - \frac{1}{n+2} - \frac{1}{n+3} \right) + b \left( \frac{7}{6} - \frac{2}{n+1} + \frac{1}{n+2} + \frac{1}{n+3} \right)$$
無限級数の和は、この部分和において $n \to \infty$ とした極限である。 $n \to \infty$ のとき、$\frac{1}{n+1} \to 0, \frac{1}{n+2} \to 0, \frac{1}{n+3} \to 0$ となるから、
$$\sum_{k=1}^\infty x_k = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n x_k = \frac{5}{6}a + \frac{7}{6}b$$
となる。
解説
分数数列の和を求める典型的な問題である。分母が積の形になっている場合は、部分分数分解をして $\frac{1}{A} - \frac{1}{B}$ のような差の形を作り、足し合わせたときに途中の項がドミノ倒しのように消えていく構造を利用するのが定石である。 本問の (2) 後半のように、3つ以上の項に分解される場合や、係数が異なる場合は、どの項が残り、どの項が消えるのかを慎重に書き出して確認する必要がある。項番号をずらしてシグマ記号で括ることで、消去される部分を論理的にまとめることができる。
答え
(1) $p = 2b, \quad q = a-3b, \quad r = -a+b$
(2) $b=0$ のとき:$\frac{an(5n+13)}{6(n+2)(n+3)}$
(2) $a=0$ のとき:$\frac{bn(7n^2+42n+59)}{6(n+1)(n+2)(n+3)}$
(3) $\frac{5}{6}a + \frac{7}{6}b$
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