数学3 無限級数 問題 26 解説

方針・初手
三角形の面積比を、共有する角を挟む2辺の長さの比から求めるのが基本方針である。操作を1回行う前後での面積の関係式を立てることで、数列 $\{a_n\}$ の漸化式を導く。その後、得られた等比数列の公比の範囲を確認した上で無限等比級数の和を求め、最後に分母の2次関数の最大・最小を考える。
解法1
(1)
$\triangle P_nQ_{n+1}R_{n+1}$ について考える。 問題文の定義より、点 $R_{n+1}$ は辺 $P_nQ_n$ を $t:(1-t)$ に内分する点であるから、
$$P_nR_{n+1} = t P_nQ_n$$
となる。 また、点 $Q_{n+1}$ は辺 $R_nP_n$ を $t:(1-t)$ に内分する点であるから、
$$P_nQ_{n+1} = (1-t) R_nP_n = (1-t) P_nR_n$$
となる。 $\triangle P_nQ_nR_n$ と $\triangle P_nQ_{n+1}R_{n+1}$ は $\angle P_n$ を共有しているため、その面積比は角を挟む辺の長さの積の比となる。したがって、
$$\begin{aligned} \triangle P_nQ_{n+1}R_{n+1} &= \frac{P_nR_{n+1}}{P_nQ_n} \cdot \frac{P_nQ_{n+1}}{P_nR_n} \triangle P_nQ_nR_n \\ &= t \cdot (1-t) a_n \\ &= t(1-t)a_n \end{aligned}$$
と表される。
同様にして、他の2つの角の頂点を持つ三角形についても考える。 点 $P_{n+1}$ は辺 $Q_nR_n$ を $t:(1-t)$ に内分するので、
$$Q_nP_{n+1} = t Q_nR_n, \quad R_nP_{n+1} = (1-t) Q_nR_n$$
であり、点 $R_{n+1}$ は辺 $P_nQ_n$ を $t:(1-t)$ に内分するので、
$$Q_nR_{n+1} = (1-t) P_nQ_n$$
であり、点 $Q_{n+1}$ は辺 $R_nP_n$ を $t:(1-t)$ に内分するので、
$$R_nQ_{n+1} = t R_nP_n$$
である。よって、これらの面積も同様に計算できる。
$$\triangle Q_nP_{n+1}R_{n+1} = \frac{Q_nR_{n+1}}{Q_nP_n} \cdot \frac{Q_nP_{n+1}}{Q_nR_n} \triangle P_nQ_nR_n = (1-t)t a_n$$
$$\triangle R_nP_{n+1}Q_{n+1} = \frac{R_nP_{n+1}}{R_nQ_n} \cdot \frac{R_nQ_{n+1}}{R_nP_n} \triangle P_nQ_nR_n = (1-t)t a_n$$
中央にできる $\triangle P_{n+1}Q_{n+1}R_{n+1}$ の面積 $a_{n+1}$ は、全体の面積から3つの隅の三角形の面積を引いたものであるから、
$$\begin{aligned} a_{n+1} &= \triangle P_nQ_nR_n - (\triangle P_nQ_{n+1}R_{n+1} + \triangle Q_nP_{n+1}R_{n+1} + \triangle R_nP_{n+1}Q_{n+1}) \\ &= a_n - 3t(1-t)a_n \\ &= (3t^2 - 3t + 1) a_n \end{aligned}$$
となる。
(2)
(1)の漸化式より、数列 $\{a_n\}$ は初項 $a_1$、公比 $r = 3t^2 - 3t + 1$ の等比数列である。 公比 $r$ について平方完成すると、
$$r = 3 \left( t - \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{1}{4}$$
となる。$0 < t < 1$ であるから、公比 $r$ のとりうる値の範囲は、
$$\frac{1}{4} \le r < 1$$
となる。 公比が $-1 < r < 1$ の範囲にあるため、無限等比級数 $\sum_{n=1}^{\infty} a_n$ は収束する。その和 $S$ は、
$$S = \frac{a_1}{1 - r} = \frac{a_1}{1 - (3t^2 - 3t + 1)} = \frac{a_1}{-3t^2 + 3t}$$
となる。
(3)
$a_1 = 1$ のとき、和 $S$ は
$$S = \frac{1}{-3t^2 + 3t}$$
となる。 $f(t) = -3t^2 + 3t$ とおくと、$0 < t < 1$ において $f(t) > 0$ であるため、$S$ が最小となるのは分母 $f(t)$ が最大となるときである。 関数 $f(t)$ を平方完成すると、
$$f(t) = -3 \left( t - \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{3}{4}$$
となる。 $0 < t < 1$ の範囲において、$t = \frac{1}{2}$ のとき $f(t)$ は最大値 $\frac{3}{4}$ をとる。 したがって、$S$ を最小とする $t$ の値は $t = \frac{1}{2}$ であり、そのときの $S$ の値は
$$S = \frac{1}{\frac{3}{4}} = \frac{4}{3}$$
となる。
解説
内分点によって作られる三角形の面積比の問題として、非常に典型的な問題である。面積比が辺の長さの比の積で表されることに気づけば、容易に等比数列の漸化式を導くことができる。 無限等比級数の和を求める際、公比が収束条件 $-1 < r < 1$ を満たしていることを確認する手順は、記述式試験において重要であるため省略しないこと。また、分数の値が最小になる条件を考える際、分母が正であることを明記した上で分母の最大化を論じると論理がより明確になる。
答え
(1) $\triangle P_nQ_{n+1}R_{n+1} = t(1-t)a_n$、 $a_{n+1} = (3t^2 - 3t + 1) a_n$
(2) $S = \frac{a_1}{-3t^2 + 3t}$
(3) $t = \frac{1}{2}$ のとき、最小値 $\frac{4}{3}$
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