数学3 極限 問題 14 解説

方針・初手
極限 $\lim_{n \to \infty} a_n$ が有限な値に収束するための条件を考える。 そのままでは $n \to \infty$ で $\infty + \infty$ または $\infty - \infty$ の形となる。$k \geqq 0$ のときは明らかに正の無限大に発散してしまうため、$k < 0$ であることが必要であると見当をつける。 $\infty - \infty$ の不定形を解消するために、式を分数と見立てて分子の有理化を行う。
解法1
$n \to \infty$ の極限を考えるため、$n > 0$ としてよい。
与えられた数列の一般項は次のように変形できる。
$$a_n = \sqrt{2n^2 - 3n + 1} + kn$$
$n \to \infty$ のとき、$\sqrt{2n^2 - 3n + 1} \to \infty$ となる。 もし $k \geqq 0$ であれば、$kn \to \infty$ (または $k=0$ なら $0$)となるため、$a_n \to \infty$ となり発散する。 したがって、数列 $\{a_n\}$ が収束するためには $k < 0$ が必要である。
このとき、$a_n$ は $\infty - \infty$ の不定形となるため、分母を $1$ とみなして分子の有理化を行う。
$$\begin{aligned} a_n &= \frac{(\sqrt{2n^2 - 3n + 1} + kn)(\sqrt{2n^2 - 3n + 1} - kn)}{\sqrt{2n^2 - 3n + 1} - kn} \\ &= \frac{(2n^2 - 3n + 1) - k^2 n^2}{n \sqrt{2 - \frac{3}{n} + \frac{1}{n^2}} - kn} \\ &= \frac{(2 - k^2)n^2 - 3n + 1}{n \left( \sqrt{2 - \frac{3}{n} + \frac{1}{n^2}} - k \right)} \end{aligned}$$
分母分子を $n$ で割ると、
$$a_n = \frac{(2 - k^2)n - 3 + \frac{1}{n}}{\sqrt{2 - \frac{3}{n} + \frac{1}{n^2}} - k}$$
ここで $n \to \infty$ とすると、分母は $\sqrt{2} - k$ に収束する。$k < 0$ より $\sqrt{2} - k > 0$ であるため、分母は $0$ にならない。 このとき、分子の $(2 - k^2)n$ の項が残っていると、分子が発散し、数列全体も発散してしまう。 数列 $\{a_n\}$ が有限な値に収束するための条件は、分子の $n$ の係数が $0$ になることである。
したがって、
$$2 - k^2 = 0$$
$k < 0$ であるから、
$$k = -\sqrt{2}$$
このとき、$a_n$ は次のように表される。
$$a_n = \frac{- 3 + \frac{1}{n}}{\sqrt{2 - \frac{3}{n} + \frac{1}{n^2}} + \sqrt{2}}$$
$n \to \infty$ のときの極限を計算すると、
$$\lim_{n \to \infty} a_n = \frac{-3 + 0}{\sqrt{2 - 0 + 0} + \sqrt{2}} = \frac{-3}{2\sqrt{2}} = -\frac{3\sqrt{2}}{4}$$
これは有限確定値であり、条件を満たす。
解説
無理式を含む数列の極限における典型問題である。 $\infty - \infty$ の不定形となる極限において、根号を含む場合は「分子の有理化」を行うのが基本手順となる。 計算の過程で「分母が定数に収束するとき、全体が収束するためには分子の最高次の項が消える必要がある」という論理を用いることで、未知数 $k$ の値を決定することができる。$k$ の符号による収束・発散の事前確認を忘れないようにしたい。
答え
$k = -\sqrt{2}$、極限値は $-\frac{3\sqrt{2}}{4}$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





