数学3 極限 問題 22 解説

方針・初手
(1)は、与えられた関数 $f(x)$ について導関数 $f'(x)$ を計算し、与えられた方程式 $\frac{f(x)-f(0)}{x} = f'(y)$ に代入して $y$ について解く。 (2)は、(1)で求めた $y$ の式を用いて $\frac{y}{x}$ の極限を計算する。その際、分子の根号内の引き算を解消するために、分子の有理化と同様の変形を行うと極限が見やすくなる。
解法1
(1) $a > 0$ であり、$f(x) = \sqrt{x^2+a^2}$ より、$f(0) = \sqrt{a^2} = a$ である。 また、$f(x)$ を微分すると、
$$f'(x) = \frac{1}{2\sqrt{x^2+a^2}} \cdot 2x = \frac{x}{\sqrt{x^2+a^2}}$$
となる。これらを条件式 $\frac{f(x)-f(0)}{x} = f'(y)$ に代入すると、
$$\frac{\sqrt{x^2+a^2}-a}{x} = \frac{y}{\sqrt{y^2+a^2}}$$
$x > 0, a > 0$ より $\sqrt{x^2+a^2} > \sqrt{a^2} = a$ であるから、左辺は正である。 したがって右辺も正であり、分母の $\sqrt{y^2+a^2} > 0$ であることから $y > 0$ がわかる。 両辺を2乗して整理する。
$$\frac{(\sqrt{x^2+a^2}-a)^2}{x^2} = \frac{y^2}{y^2+a^2}$$
ここで、記述を簡潔にするため左辺を $K$ とおく。すなわち $K = \frac{(\sqrt{x^2+a^2}-a)^2}{x^2}$ である。
$$K = \frac{y^2}{y^2+a^2}$$
分母を払って $y^2$ について整理する。
$$K(y^2+a^2) = y^2$$
$$(1-K)y^2 = a^2K$$
ここで、$1-K$ を計算して符号を確認する。
$$1-K = 1 - \frac{x^2+a^2 - 2a\sqrt{x^2+a^2} + a^2}{x^2} = \frac{x^2 - (x^2 + 2a^2 - 2a\sqrt{x^2+a^2})}{x^2} = \frac{2a(\sqrt{x^2+a^2}-a)}{x^2}$$
$x > 0, a > 0$ より $\sqrt{x^2+a^2} > a$ であるから、$1-K > 0$ である。 したがって両辺を $1-K$ で割ることができ、
$$y^2 = \frac{a^2K}{1-K} = \frac{a^2 \cdot \frac{(\sqrt{x^2+a^2}-a)^2}{x^2}}{\frac{2a(\sqrt{x^2+a^2}-a)}{x^2}} = \frac{a(\sqrt{x^2+a^2}-a)}{2}$$
$y > 0$ より、平方根の正の方をとって、
$$y = \sqrt{\frac{a(\sqrt{x^2+a^2}-a)}{2}}$$
(2) (1)の過程で現れた $\sqrt{x^2+a^2}-a$ について、分子の有理化と同様の変形を行うと、
$$\sqrt{x^2+a^2}-a = \frac{(\sqrt{x^2+a^2}-a)(\sqrt{x^2+a^2}+a)}{\sqrt{x^2+a^2}+a} = \frac{(x^2+a^2)-a^2}{\sqrt{x^2+a^2}+a} = \frac{x^2}{\sqrt{x^2+a^2}+a}$$
となる。これを用いて $y$ を変形すると、
$$y = \sqrt{\frac{a}{2} \cdot \frac{x^2}{\sqrt{x^2+a^2}+a}} = x\sqrt{\frac{a}{2(\sqrt{x^2+a^2}+a)}}$$
ただし、$x>0$ より $\sqrt{x^2} = x$ であることを用いた。 これより $\frac{y}{x}$ は次のように表される。
$$\frac{y}{x} = \sqrt{\frac{a}{2(\sqrt{x^2+a^2}+a)}}$$
極限 $x \to +0$ をとると、
$$\lim_{x \to +0} \frac{y}{x} = \lim_{x \to +0} \sqrt{\frac{a}{2(\sqrt{x^2+a^2}+a)}} = \sqrt{\frac{a}{2(\sqrt{a^2}+a)}} = \sqrt{\frac{a}{2(2a)}} = \sqrt{\frac{1}{4}} = \frac{1}{2}$$
解説
本問で登場する方程式 $\frac{f(x)-f(0)}{x-0} = f'(y)$ は、平均値の定理を表す式そのものである。区間 $[0, x]$ において平均値の定理を満たす $y$ ($0 < y < x$) を具体的に求め、区間幅を $0$ に近づけたとき($x \to +0$)の $y$ の位置の割合を問うている。 一般に、関数 $f(x)$ が $x=0$ の近傍で2回微分可能であり $f''(0) \neq 0$ であるとき、平均値の定理を満たす $y$ について $\lim_{x \to 0} \frac{y}{x} = \frac{1}{2}$ となることが知られている。本問はその事実を具体的な関数を通じて計算によって確かめる問題である。 計算面では、(1)で $y$ について解く際に符号の確認を怠らないこと、(2)で不定形を解消するために $x^2 = (\sqrt{x^2+a^2}-a)(\sqrt{x^2+a^2}+a)$ を利用する極限の典型的な処理が重要となる。
答え
(1) $y = \sqrt{\frac{a(\sqrt{x^2+a^2}-a)}{2}}$
(2) $\frac{1}{2}$
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