トップ 基礎問題 数学3 極限 極限 問題 39

数学3 極限 問題 39 解説

数学3 極限 問題 39 解説

方針・初手

領域内の格子点を数え上げる問題である。(2)で $x+y=3m+1$ という直線上の格子点を数える誘導があるため、これに従い $x+y=l$ という直線群で領域をスライスして数え上げる方針をとる。$x$ 軸や $y$ 軸に平行な直線で切断するよりも、場合分けが少なく見通しよく計算できる。

解法1

問題の連立不等式 $\frac{1}{2}x \leqq y \leqq 2x$、$0 \leqq x+y \leqq k$ を満たす点 $(x, y)$ のうち、$x, y$ がともに整数であるものの個数を考える。

直線 $x+y=l$($l$ は $0 \leqq l \leqq k$ を満たす整数)上にある整数点の個数を調べる。 $y = l-x$ を $\frac{1}{2}x \leqq y \leqq 2x$ に代入すると、以下の不等式を得る。

$$\frac{1}{2}x \leqq l-x \leqq 2x$$

各辺を整理して $x$ について解く。

$$x \leqq 2l - 2x \iff 3x \leqq 2l \iff x \leqq \frac{2l}{3}$$

$$l - x \leqq 2x \iff l \leqq 3x \iff \frac{l}{3} \leqq x$$

したがって、$x$ の範囲は以下のようになる。

$$\frac{l}{3} \leqq x \leqq \frac{2l}{3}$$

$x$ は整数であるから、この不等式を満たす整数 $x$ の個数が、直線 $x+y=l$ 上にある領域 $D$ 内の整数点の個数に等しい。

(1)

$k=3$ のとき、$l$ は $0, 1, 2, 3$ の値をとる。それぞれについて整数 $x$ の個数を調べる。 $l=0$ のとき、$0 \leqq x \leqq 0$ より $x=0$(1個) $l=1$ のとき、$\frac{1}{3} \leqq x \leqq \frac{2}{3}$ より整数 $x$ は存在しない(0個) $l=2$ のとき、$\frac{2}{3} \leqq x \leqq \frac{4}{3}$ より $x=1$(1個) $l=3$ のとき、$1 \leqq x \leqq 2$ より $x=1, 2$(2個) よって、$a_3$ はこれらの和となる。

$$a_3 = 1 + 0 + 1 + 2 = 4$$

$k=6$ のとき、上記に加えて $l=4, 5, 6$ について調べる。 $l=4$ のとき、$\frac{4}{3} \leqq x \leqq \frac{8}{3}$ より $x=2$(1個) $l=5$ のとき、$\frac{5}{3} \leqq x \leqq \frac{10}{3}$ より $x=2, 3$(2個) $l=6$ のとき、$2 \leqq x \leqq 4$ より $x=2, 3, 4$(3個) よって、$a_6$ は $l=0$ から $l=6$ までの個数の和となる。

$$a_6 = a_3 + 1 + 2 + 3 = 4 + 6 = 10$$

(2)

$l = 3m+1$($m \geqq 1$)のとき、満たすべき不等式は以下のようになる。

$$\frac{3m+1}{3} \leqq x \leqq \frac{2(3m+1)}{3}$$

これを帯分数のように変形すると、以下のようになる。

$$m + \frac{1}{3} \leqq x \leqq 2m + \frac{2}{3}$$

$x$ は整数であるから、これを満たす $x$ の範囲は以下の通りとなる。

$$m+1 \leqq x \leqq 2m$$

したがって、求める整数点の個数は以下のようになる。

$$2m - (m+1) + 1 = m$$

(3)

$l$ を $3$ で割った余りで分類し、$l = 3m, 3m+1, 3m+2$ の各場合について、直線 $x+y=l$ 上の整数点の個数を調べる。

(i) $l = 3m$ のとき

$$m \leqq x \leqq 2m$$

より、個数は $2m - m + 1 = m+1$ 個である。

(ii) $l = 3m+1$ のとき (2)の検討より $m$ 個である。これは $m=0$ のときも $0$ 個となり成立する。

(iii) $l = 3m+2$ のとき

$$\frac{3m+2}{3} \leqq x \leqq \frac{6m+4}{3}$$

$$m + \frac{2}{3} \leqq x \leqq 2m + 1 + \frac{1}{3}$$

$x$ は整数であるから、$m+1 \leqq x \leqq 2m+1$ となり、個数は $(2m+1) - (m+1) + 1 = m+1$ 個である。

$a_{3n}$ は $l=0$ から $l=3n$ までの整数点の個数の総和である。 $l=0, 1, 2, \dots, 3n-1$ の部分は、$m=0, 1, \dots, n-1$ に対する (i), (ii), (iii) の個数の和となる。

$$\sum_{m=0}^{n-1} \{ (m+1) + m + (m+1) \} = \sum_{m=0}^{n-1} (3m+2)$$

等差数列の和の公式を用いて計算する。

$$\sum_{m=0}^{n-1} (3m+2) = 3 \cdot \frac{1}{2}(n-1)n + 2n = \frac{3n^2 - 3n + 4n}{2} = \frac{3n^2 + n}{2}$$

これに、$l=3n$ のときの個数である (i) の結果 $n+1$ 個を加える。

$$a_{3n} = \frac{3n^2 + n}{2} + n + 1 = \frac{3n^2 + 3n + 2}{2}$$

(4)

領域 $D$ は、3直線 $y = \frac{1}{2}x$、$y = 2x$、$x+y = 3n$ で囲まれた三角形の周および内部である。 交点を求めると、原点 $(0,0)$、$(2n, n)$、$(n, 2n)$ がこの三角形の頂点となる。 したがって、三角形の面積 $S_{3n}$ は以下のようになる。

$$S_{3n} = \frac{1}{2} | 2n \cdot 2n - n \cdot n | = \frac{3n^2}{2}$$

これより、求める比は以下のようになる。

$$\frac{a_{3n}}{S_{3n}} = \frac{\frac{3n^2 + 3n + 2}{2}}{\frac{3n^2}{2}} = \frac{3n^2 + 3n + 2}{3n^2} = 1 + \frac{1}{n} + \frac{2}{3n^2}$$

また、その極限値は以下のようになる。

$$\lim_{n \to \infty} \frac{a_{3n}}{S_{3n}} = \lim_{n \to \infty} \left( 1 + \frac{1}{n} + \frac{2}{3n^2} \right) = 1$$

解説

格子点の個数を求める典型的な問題である。領域を $x$ 軸または $y$ 軸に垂直な直線で切断して数えるのが基本であるが、本問のように境界が斜めの直線である場合は、(2)の誘導が示すように $x+y=l$ という直線群で切断すると見通しが良く、計算が格段に楽になる。(4)の結果は、領域が十分に大きいとき、その中に含まれる格子点の個数は面積に近似されるという有名な性質を示している。

答え

(1) $a_3 = 4, a_6 = 10$

(2) $m$ 個

(3) $\frac{3n^2 + 3n + 2}{2}$

(4) $\frac{a_{3n}}{S_{3n}} = 1 + \frac{1}{n} + \frac{2}{3n^2}$、極限値は $1$

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