数学3 極限 問題 56 解説

方針・初手
与えられた極限は $n \to \infty$ とすると $1^\infty$ の不定形となる。このような極限では、ネイピア数 $e$ の定義式 $\lim_{x \to \pm\infty} \left(1+\frac{1}{x}\right)^x = e$ または $\lim_{x \to 0} (1+x)^{\frac{1}{x}} = e$ を利用できるように式を変形する。まずは括弧の中身を $1 + (\text{微小量})$ の形に整理することから始める。
解法1
求める極限の式において、括弧の中を次のように変形する。
$$\frac{n+1}{n+2} = \frac{(n+2)-1}{n+2} = 1 - \frac{1}{n+2}$$
これを元の極限の式に代入すると、
$$\lim_{n \to \infty} \left( \frac{n+1}{n+2} \right)^{3n-3} = \lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{1}{n+2} \right)^{3n-3}$$
となる。ここでネイピア数 $e$ の定義を利用するために、指数部分を $\left( 1 - \frac{1}{n+2} \right)^{-(n+2)}$ の形が現れるように調整する。
$$\left( 1 - \frac{1}{n+2} \right)^{3n-3} = \left\{ \left( 1 - \frac{1}{n+2} \right)^{-(n+2)} \right\}^{-\frac{3n-3}{n+2}}$$
$n \to \infty$ のとき、$-(n+2) \to -\infty$ であるから、
$$\lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{1}{n+2} \right)^{-(n+2)} = e$$
が成り立つ。一方、全体の指数部分の極限は、
$$\lim_{n \to \infty} \left( -\frac{3n-3}{n+2} \right) = \lim_{n \to \infty} \frac{-3 + \frac{3}{n}}{1 + \frac{2}{n}} = -3$$
となる。したがって、全体の極限は以下のように求まる。
$$\lim_{n \to \infty} \left( \frac{n+1}{n+2} \right)^{3n-3} = e^{-3}$$
解説
$1^\infty$ 型の不定形となる数列の極限における典型問題である。ネイピア数 $e$ の定義に帰着させるために、まずは底を $1 + \frac{1}{x}$ の形に変形し、次に指数部分に強引に $x$ を作り出して調整するという手順を確実に踏めるようにしておきたい。指数法則を用いた変形で計算ミスをしないよう注意が必要である。
答え
$e^{-3}$
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