トップ 基礎問題 数学3 極限 確率・極限 問題 4

数学3 確率・極限 問題 4 解説

数学3 確率・極限 問題 4 解説

方針・初手

連勝者が出ずに試合が続く場合、勝者がどのように推移するかを書き出し、そのパターンを把握します。勝者が毎回交代するため、推移のパターンは「A $\to$ C $\to$ B $\to$ A $\to \cdots$」と「B $\to$ C $\to$ A $\to$ B $\to \cdots$」の2通りしかありません。各パターンにおける勝敗の確率を掛け合わせて優勝確率を計算します。また、(2) では A と B の条件が完全に対称であることに着目すると、計算量を大幅に減らすことができます。

解法1

連勝者が出ずに試合が進行する場合、毎試合勝者が入れ替わる。 第1戦はAとBの対戦であり、その勝者が第2戦でCと対戦するため、勝者の推移は次の2つのパターンに限られる。

(i) 第1戦でAが勝つ場合 勝者は $\text{A} \to \text{C} \to \text{B} \to \text{A} \to \text{C} \to \text{B} \to \cdots$ と推移する。 このとき、第 $3k-2$ 戦はA、第 $3k-1$ 戦はC、第 $3k$ 戦はBが勝つ($k \geqq 1$)。 それぞれの試合でその勝者が勝つ確率は、Aが $\frac{1}{2}$、Cが $p$、Bが $1-p$ である。

(ii) 第1戦でBが勝つ場合 勝者は $\text{B} \to \text{C} \to \text{A} \to \text{B} \to \text{C} \to \text{A} \to \cdots$ と推移する。 このとき、第 $3k-2$ 戦はB、第 $3k-1$ 戦はC、第 $3k$ 戦はAが勝つ($k \geqq 1$)。 それぞれの試合でその勝者が勝つ確率は、Bが $\frac{1}{2}$、Cが $p$、Aが $1-p$ である。

(1) Cが第 $3m$ 戦で優勝するのは、第 $3m-2$ 戦まで連勝者が出ず、第 $3m-1$ 戦でCが勝ち、第 $3m$ 戦でもCが勝つ場合である。

(i) の推移からCが優勝する場合: 第 $3m-2$ 戦まで (i) の順に勝者が交代し、第 $3m-1$ 戦と第 $3m$ 戦でCが勝つ。 この間にAは $m$ 回、Bは $m-1$ 回、Cは $m$ 回勝つため、その確率は

$$\left( \frac{1}{2} \right)^m (1-p)^{m-1} p^m = \frac{1}{2} p^2 \left( \frac{p(1-p)}{2} \right)^{m-1}$$

である。

(ii) の推移からCが優勝する場合: 同様に、Bが $m$ 回、Aが $m-1$ 回、Cが $m$ 回勝つため、その確率は

$$\left( \frac{1}{2} \right)^m (1-p)^{m-1} p^m = \frac{1}{2} p^2 \left( \frac{p(1-p)}{2} \right)^{m-1}$$

である。 これらは互いに排反であるから、求める確率 $P_C(3m)$ は

$$P_C(3m) = 2 \times \frac{1}{2} p^2 \left( \frac{p(1-p)}{2} \right)^{m-1} = p^2 \left( \frac{p(1-p)}{2} \right)^{m-1}$$

次に、$P_C(3m)$ が最大になる $p$ ($0 \leqq p \leqq 1$) を求める。 $f(p) = \frac{1}{2^{m-1}} p^{m+1} (1-p)^{m-1}$ とおく。

$m=1$ のとき、$f(p) = p^2$ であり、$p=1$ で最大となる。

$m \geqq 2$ のとき、$f(p)$ を微分すると

$$\begin{aligned} f'(p) &= \frac{1}{2^{m-1}} \left\{ (m+1)p^m (1-p)^{m-1} - p^{m+1}(m-1)(1-p)^{m-2} \right\} \\ &= \frac{1}{2^{m-1}} p^m (1-p)^{m-2} \{ (m+1)(1-p) - p(m-1) \} \\ &= \frac{1}{2^{m-1}} p^m (1-p)^{m-2} \{ m+1 - 2mp \} \end{aligned}$$

$0 < p < 1$ において $f'(p) = 0$ となるのは $p = \frac{m+1}{2m}$ のときである。 $m \geqq 2$ より $\frac{m+1}{2m} \leqq \frac{3}{4} < 1$ であり、この前後で $f'(p)$ の符号は正から負に変わるため、ここで最大となる。 $m=1$ のときも $p = \frac{1+1}{2} = 1$ となり式は成り立つ。 よって、求める $p$ は $p = \frac{m+1}{2m}$。

(2) 試合が無限に続く確率は $\lim_{m \to \infty} \left( \frac{p(1-p)}{2} \right)^m = 0$ であるため、いずれかの者が必ず優勝する。 Cが優勝する確率 $P_C$ は、すべての $m \geqq 1$ についての $P_C(3m)$ の和である。 $p=0$ のとき $P_C = 0$、$p=1$ のとき $P_C = 1$ である。 $0 < p < 1$ のとき、公比 $\frac{p(1-p)}{2}$ は $0 < \frac{p(1-p)}{2} \leqq \frac{1}{8} < 1$ を満たすから、無限等比級数は収束し、

$$P_C = \sum_{m=1}^{\infty} p^2 \left( \frac{p(1-p)}{2} \right)^{m-1} = \frac{p^2}{1 - \frac{p(1-p)}{2}} = \frac{2p^2}{2 - p + p^2}$$

この式は $p=0, 1$ のときも成り立つ。

次にAが優勝する確率 $P_A$ とBが優勝する確率 $P_B$ について考える。 AとBは、最初の第1戦で対戦する点や、その後のCとの対戦における勝率が等しい点から、完全に対等な立場にあるため $P_A = P_B$ である。 誰かが必ず優勝することから $P_A + P_B + P_C = 1$ が成り立つため、

$$2P_A + P_C = 1 \iff P_A = \frac{1 - P_C}{2}$$

A, B, Cの優勝する確率が同じになる条件は $P_A = P_C$、すなわち $1 - P_C = 2P_C$ より $P_C = \frac{1}{3}$ である。 これを解くと、

$$\frac{2p^2}{2 - p + p^2} = \frac{1}{3}$$

$$6p^2 = 2 - p + p^2$$

$$5p^2 + p - 2 = 0$$

$p = \frac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 4 \cdot 5 \cdot (-2)}}{10} = \frac{-1 \pm \sqrt{41}}{10}$

確率の条件 $0 \leqq p \leqq 1$ を満たすものは、$p = \frac{-1 + \sqrt{41}}{10}$ である。

解説

無限に続く確率的な状態遷移を扱う、いわゆるマルコフ連鎖を背景とした問題です。(1) で試合の進行パターンが2通りしかないことに気づければ、確率の立式は容易になります。(2) はAとBが対称であることに着目して $P_A = P_B$ を利用すると、AやBの優勝確率を直接無限級数で計算する手間を省くことができます。対称性の利用は、確率分野において計算量を減らす強力な武器になります。

答え

(1) 第 $3m$ 戦でCが優勝する確率: $p^2 \left( \frac{p(1-p)}{2} \right)^{m-1}$、最大となる $p$: $\frac{m+1}{2m}$

(2) $p = \frac{-1 + \sqrt{41}}{10}$

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