数学3 確率・極限 問題 5 解説

注意 画像1行目でボールの最大の番号が小文字の「$n$」と読めますが、(1)以降の記述から大文字の「$N$」の誤植と判断し、以下はボールの番号が「$1$ から $N$ まで」として解釈した場合の解答解説です。
方針・初手
- 取り出したボールを袋に戻すため、毎回の試行は独立であり、特定の番号を引く確率は常に等しい。
- (1)は、Bが特定の番号 $k$ を引く事象と、Aが条件を満たす事象が独立であることを利用し、それぞれの確率を掛けて求める。
- (2)は、事象全体が $Y=1, 2, \dots, N$ の場合で排反に分割できることを利用し、(1)で求めた確率の和として $p(N)$ を表す。その後、区分求積法を用いて極限を計算する。
解法1
1回の試行において、$1$ から $N$ までの番号から特定の番号を引く確率は $\frac{1}{N}$ である。また、$k$ 以下の番号を引く確率は $\frac{k}{N}$ であり、$k$ より大きい番号を引く確率は $1 - \frac{k}{N} = \frac{N-k}{N}$ である。
これらは復元抽出であるため、毎回の試行で確率は変化せず、各試行は独立である。
(1)
Bが1回の試行で番号 $k$ のボールを取り出す確率は $\frac{1}{N}$ である。
Aが5回の試行で $k$ 以下の番号のボールをちょうど4回取り出す確率は、反復試行の確率より以下のようになる。
$${}_5\mathrm{C}_4 \left( \frac{k}{N} \right)^4 \left( \frac{N-k}{N} \right)^1 = 5 \frac{k^4(N-k)}{N^5}$$
Aが5回の試行で $k$ 以下の番号のボールをちょうど5回取り出す確率は以下のようになる。
$${}_5\mathrm{C}_5 \left( \frac{k}{N} \right)^5 = \frac{k^5}{N^5}$$
「少なくとも4つが $k$ 以下である」事象は、「ちょうど4つが $k$ 以下である」事象と「ちょうど5つが $k$ 以下である」事象の和事象であり、これらは互いに排反であるため、その確率は以下の和で求められる。
$$5 \frac{k^4(N-k)}{N^5} + \frac{k^5}{N^5} = \frac{5Nk^4 - 4k^5}{N^5}$$
Aの試行とBの試行は独立であるため、求める確率 $p(N, k)$ はこれらの積となる。
$$\begin{aligned} p(N, k) &= \frac{1}{N} \cdot \frac{5Nk^4 - 4k^5}{N^5} \\ &= \frac{5Nk^4 - 4k^5}{N^6} \end{aligned}$$
(2)
事象「$X_1, X_2, \dots, X_5$ のうち少なくとも4つが $Y$ 以下である」は、Bが取り出したボールの番号 $Y$ が $1, 2, \dots, N$ であるそれぞれの排反な事象の和事象として表される。
したがって、$p(N)$ は $p(N, k)$ を $k=1$ から $N$ まで足し合わせたものになる。
$$p(N) = \sum_{k=1}^N p(N, k) = \sum_{k=1}^N \frac{5Nk^4 - 4k^5}{N^6}$$
極限 $\lim_{N \to \infty} p(N)$ を求めるために、式を変形して区分求積法を用いる。
$$\begin{aligned} \lim_{N \to \infty} p(N) &= \lim_{N \to \infty} \sum_{k=1}^N \frac{1}{N} \left\{ 5 \left( \frac{k}{N} \right)^4 - 4 \left( \frac{k}{N} \right)^5 \right\} \\ &= \int_0^1 (5x^4 - 4x^5) dx \\ &= \left[ x^5 - \frac{2}{3}x^6 \right]_0^1 \\ &= 1 - \frac{2}{3} \\ &= \frac{1}{3} \end{aligned}$$
解説
- 確率の基本である「排反」と「独立」を正しく処理できるかを問う典型問題である。
- (1)におけるAの試行は、いわゆる反復試行の確率であり、公式通りに立式する。
- (2)において、和の極限を定積分に変換する「区分求積法」を用いることは、式の中に $\frac{1}{N}$ と $\frac{k}{N}$ の形を作り出せることから自然に発想できる。極限の計算では多項式の積分となるため、計算ミスに注意したい。
答え
(1)
$$p(N, k) = \frac{5Nk^4 - 4k^5}{N^6}$$
(2)
$$\lim_{N \to \infty} p(N) = \frac{1}{3}$$
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