トップ 基礎問題 数学3 極限 確率・極限 問題 9

数学3 確率・極限 問題 9 解説

数学3 確率・極限 問題 9 解説

方針・初手

解法1

$n$ 回の試行後に、箱Aに赤玉が $k$ 個入っている確率を $P_n(k)$ とおく($k = 0, 1, 2$)。 初期状態では箱Aに赤玉が1個入っているため、$P_0(0) = 0$、$P_0(1) = 1$、$P_0(2) = 0$ である。 求める確率は $P_n(1)$ である。

1回の試行において、箱Aおよび箱Bから玉を1個ずつ選んで交換する際の、箱Aの赤玉の個数の変化を考える。玉の総数はA, Bともに常に4個であり、赤玉の総数は常に2個である。

(i) 箱Aに赤玉が0個のとき

箱Aには白玉が4個、箱Bには赤玉が2個、白玉が2個入っている。 箱Aからは必ず白玉が選ばれる。 箱Bから赤玉(確率 $\frac{2}{4} = \frac{1}{2}$)が選ばれれば、交換後、箱Aの赤玉は1個となる。 箱Bから白玉(確率 $\frac{2}{4} = \frac{1}{2}$)が選ばれれば、交換後、箱Aの赤玉は0個のままである。

(ii) 箱Aに赤玉が1個のとき

箱Aには赤玉が1個、白玉が3個、箱Bには赤玉が1個、白玉が3個入っている。 交換後、箱Aの赤玉が0個になるのは、箱Aから赤玉(確率 $\frac{1}{4}$)、箱Bから白玉(確率 $\frac{3}{4}$)が選ばれるときであり、その確率は $\frac{1}{4} \times \frac{3}{4} = \frac{3}{16}$ である。 交換後、箱Aの赤玉が2個になるのは、箱Aから白玉(確率 $\frac{3}{4}$)、箱Bから赤玉(確率 $\frac{1}{4}$)が選ばれるときであり、その確率は $\frac{3}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{3}{16}$ である。 交換後、箱Aの赤玉が1個のままになるのは、これら以外の場合であり、その確率は $1 - \frac{3}{16} - \frac{3}{16} = \frac{5}{8}$ である。

(iii) 箱Aに赤玉が2個のとき

箱Aには赤玉が2個、白玉が2個、箱Bには白玉が4個入っている。 箱Bからは必ず白玉が選ばれる。 箱Aから赤玉(確率 $\frac{2}{4} = \frac{1}{2}$)が選ばれれば、交換後、箱Aの赤玉は1個となる。 箱Aから白玉(確率 $\frac{2}{4} = \frac{1}{2}$)が選ばれれば、交換後、箱Aの赤玉は2個のままである。

以上より、数列 $\{ P_n(k) \}$ に関する連立漸化式は以下のようになる。

$$\begin{cases} P_{n+1}(0) = \frac{1}{2} P_n(0) + \frac{3}{16} P_n(1) \\ P_{n+1}(1) = \frac{1}{2} P_n(0) + \frac{5}{8} P_n(1) + \frac{1}{2} P_n(2) \\ P_{n+1}(2) = \frac{3}{16} P_n(1) + \frac{1}{2} P_n(2) \end{cases}$$

ここで、$P_0(0) = 0$、$P_0(2) = 0$ であり、$P_{n+1}(0)$ と $P_{n+1}(2)$ の漸化式の形が対称であることから、数学的帰納法により、すべての $0$ 以上の整数 $n$ について $P_n(0) = P_n(2)$ が成り立つことがわかる。 また、全確率の和は $1$ であるから、すべての $n$ において

$$P_n(0) + P_n(1) + P_n(2) = 1$$

が成り立つ。$P_n(0) = P_n(2)$ を用いると、

$$P_n(0) + P_n(2) = 1 - P_n(1)$$

となる。これを $P_{n+1}(1)$ の漸化式に代入する。

$$P_{n+1}(1) = \frac{1}{2} \{ P_n(0) + P_n(2) \} + \frac{5}{8} P_n(1)$$

$$P_{n+1}(1) = \frac{1}{2} \{ 1 - P_n(1) \} + \frac{5}{8} P_n(1)$$

$$P_{n+1}(1) = \frac{1}{8} P_n(1) + \frac{1}{2}$$

この漸化式を変形すると、以下のようになる。

$$P_{n+1}(1) - \frac{4}{7} = \frac{1}{8} \left( P_n(1) - \frac{4}{7} \right)$$

よって、数列 $\left\{ P_n(1) - \frac{4}{7} \right\}$ は、初項が $P_0(1) - \frac{4}{7} = 1 - \frac{4}{7} = \frac{3}{7}$、公比が $\frac{1}{8}$ の等比数列であるから、

$$P_n(1) - \frac{4}{7} = \frac{3}{7} \left( \frac{1}{8} \right)^n$$

$$P_n(1) = \frac{3}{7} \left( \frac{1}{8} \right)^n + \frac{4}{7}$$

これが求める確率である。

解説

確率漸化式の典型問題である。注目すべき状態(ここでは箱Aの赤玉の個数)を適切に設定し、推移確率を正確に求めることが第一歩となる。 状態が3つあり連立漸化式が立つが、初期状態と遷移の対称性から $P_n(0) = P_n(2)$ に気づくことで、変数を1つに減らし、単独の2項間漸化式に帰着させることができる。確率の和が常に1になるという条件式 $P_n(0) + P_n(1) + P_n(2) = 1$ を用いて文字を消去するのも、このタイプの問題の定石である。

答え

$$\frac{3}{7} \left( \frac{1}{8} \right)^n + \frac{4}{7}$$

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