数学3 確率・極限 問題 10 解説

方針・初手
重複順列の考え方を用いて、ボールの入れ方の総数を求める。特定の箱に入るボールの個数が指定された場合は、そのボールを選ぶ組み合わせと、残りのボールの入れ方を分けて考える。極限の計算では、与えられたネイピア数 $e$ の定義式を利用できるように式変形を行う。
解法1
$m$ 個のボールそれぞれについて、$n$ 個の箱のどれに入れるかは $n$ 通りの選び方がある。 したがって、入れ方の総数 $a(m, n)$ は、
$$a(m, n) = n^m$$
である。
次に、$b(m, n)$ を求める。 番号1の箱に入る2個のボールの選び方は、$m$ 個の中から2個を選ぶので ${}_m\mathrm{C}_2$ 通りある。
残りの $m-2$ 個のボールは、番号2から $n$ までの $n-1$ 個の箱のどれかに入れる。空箱があってもよいので、それぞれのボールについて $n-1$ 通りの選び方があるため、その入れ方は $(n-1)^{m-2}$ 通りである。
したがって、
$$b(m, n) = {}_m\mathrm{C}_2 (n-1)^{m-2} = \frac{m(m-1)}{2} (n-1)^{m-2}$$
である。
最後に極限を計算する。上で求めた式に $m=2n$ を代入すると、
$$a(2n, n) = n^{2n}$$
$$b(2n, n) = \frac{2n(2n-1)}{2} (n-1)^{2n-2} = n(2n-1)(n-1)^{2n-2}$$
となる。よって、求める式の値は
$$\frac{b(2n, n)}{a(2n, n)} = \frac{n(2n-1)(n-1)^{2n-2}}{n^{2n}}$$
となる。これを整理すると、
$$\frac{b(2n, n)}{a(2n, n)} = \frac{n(2n-1)}{n^2} \cdot \frac{(n-1)^{2n-2}}{n^{2n-2}} = \left(2 - \frac{1}{n}\right) \left( \frac{n-1}{n} \right)^{2n-2}$$
ここで、後半の累乗の部分を、与えられた極限の式 $\lim_{x \to \infty} \left(1 + \frac{1}{x}\right)^x = e$ が使える形に変形する。
$$\left( \frac{n-1}{n} \right)^{2n-2} = \left( \frac{n}{n-1} \right)^{-(2n-2)} = \left( 1 + \frac{1}{n-1} \right)^{-2(n-1)} = \frac{1}{\left\{ \left( 1 + \frac{1}{n-1} \right)^{n-1} \right\}^2}$$
$n \to \infty$ のとき $n-1 \to \infty$ であるから、
$$\lim_{n \to \infty} \left( 1 + \frac{1}{n-1} \right)^{n-1} = e$$
となる。これを用いると、
$$\lim_{n \to \infty} \frac{b(2n, n)}{a(2n, n)} = \lim_{n \to \infty} \left(2 - \frac{1}{n}\right) \cdot \frac{1}{\left\{ \left( 1 + \frac{1}{n-1} \right)^{n-1} \right\}^2} = (2 - 0) \cdot \frac{1}{e^2} = \frac{2}{e^2}$$
となる。
解説
組分け問題の基本である重複順列の考え方と、指定された条件(今回は「特定の箱に2個」)に基づく場合の数の計算が問われている。後半は、ネイピア数 $e$ の定義式を活用する極限の計算である。
$\left(1 - \frac{1}{n}\right)^n$ の極限を扱う際、逆数をとって $\left(1 + \frac{1}{n-1}\right)^{n-1}$ の形を作り出す変形は、微積分において極めて頻出の手法であるため確実に習得しておきたい。
答え
[ア] $n^m$
[イ] $\frac{m(m-1)}{2} (n-1)^{m-2}$
[ウ] $\frac{2}{e^2}$
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