数学3 確率・極限 問題 14 解説

方針・初手
箱Aと箱Bの札の合計は常に一定(白2枚、赤2枚)であるため、箱Aにある白札の枚数が決まれば、箱Aの赤札、箱Bの白札・赤札の枚数もすべて自動的に定まる。したがって、箱Aにある白札の枚数に注目して状態を分類し、1回の操作による確率の推移を考えればよい。
解法1
(1) 始めの状態($n=0$)は、箱Aに白1枚、赤1枚、箱Bに白1枚、赤1枚が入っている。
1回の操作で箱Aの白札が1枚となるのは、次のいずれかの場合である。
(i) 箱Aから白札、箱Bから白札を取り出す。
(ii) 箱Aから赤札、箱Bから赤札を取り出す。
(i) の確率は、$\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}$ である。
(ii) の確率は、$\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}$ である。
(i) と (ii) は互いに排反であるから、求める確率 $p_1$ は
$$p_1 = \frac{1}{4} + \frac{1}{4} = \frac{1}{2}$$
(2) $n$ 回目の操作後に箱Aにある白札の枚数が0枚である確率を $q_n$、2枚である確率を $r_n$ とする。
箱Aと箱Bの札は合わせて白2枚、赤2枚であるから、箱Aの白札の枚数は0枚、1枚、2枚のいずれかであり、すべての状態の確率の和は1であるため、
$$p_n + q_n + r_n = 1$$
が成り立つ。
$n+1$ 回目の操作後に箱Aの白札が1枚になるのは、$n$ 回目の状態からそれぞれ次のように遷移する場合である。
(ア) $n$ 回目に箱Aの白札が1枚(確率 $p_n$)のとき: (1)と同様に、両方の箱から同色の札を取り出す場合であり、その遷移確率は $\frac{1}{2}$ である。
(イ) $n$ 回目に箱Aの白札が0枚(確率 $q_n$)のとき: 箱Aには赤札が2枚、箱Bには白札が2枚入っている。このとき、箱Aからは必ず赤札、箱Bからは必ず白札を取り出すことになり、操作後の箱Aには白札1枚、赤札1枚が入る。したがって、遷移確率は 1 である。
(ウ) $n$ 回目に箱Aの白札が2枚(確率 $r_n$)のとき: 箱Aには白札が2枚、箱Bには赤札が2枚入っている。このとき、箱Aからは必ず白札、箱Bからは必ず赤札を取り出すことになり、操作後の箱Aには白札1枚、赤札1枚が入る。したがって、遷移確率は 1 である。
これらは互いに排反であるから、$p_{n+1}$ は次のように表される。
$$p_{n+1} = \frac{1}{2} p_n + 1 \cdot q_n + 1 \cdot r_n$$
ここで、$q_n + r_n = 1 - p_n$ を代入すると、
$$p_{n+1} = \frac{1}{2} p_n + (1 - p_n)$$
整理して、求める漸化式は
$$p_{n+1} = -\frac{1}{2} p_n + 1$$
(3) (2)で求めた漸化式は次のように変形できる。
$$p_{n+1} - \frac{2}{3} = -\frac{1}{2} \left( p_n - \frac{2}{3} \right)$$
これより、数列 $\left\{ p_n - \frac{2}{3} \right\}$ は公比 $-\frac{1}{2}$ の等比数列であるから、
$$p_n - \frac{2}{3} = \left( p_1 - \frac{2}{3} \right) \left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1}$$
(1)より $p_1 = \frac{1}{2}$ であるから、
$$p_n - \frac{2}{3} = \left( \frac{1}{2} - \frac{2}{3} \right) \left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1} = -\frac{1}{6} \left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1}$$
したがって、$p_n$ の一般項は
$$p_n = \frac{2}{3} - \frac{1}{6} \left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1}$$
$n \to \infty$ のとき $\left( -\frac{1}{2} \right)^{n-1} \to 0$ であるから、極限値は
$$\lim_{n \to \infty} p_n = \frac{2}{3}$$
解説
状態遷移を考える確率漸化式の典型問題である。全体の札の枚数が白2枚、赤2枚と固定されているため、箱Aにある白札の枚数のみで全体の状況が決定されることに気づくのがポイントである。
漸化式を立てる際は、推移図をイメージし、各状態からの遷移確率を抜け漏れなく考えることが重要である。また、状態が3つある場合でも、箱Aの白札が0枚または2枚の状態から遷移する確率が等しいことに着目し、確率の総和が1であること($q_n + r_n = 1 - p_n$)を利用すれば、連立漸化式を回避して簡潔に処理できる。
答え
(1) $p_1 = \frac{1}{2}$
(2) $p_{n+1} = -\frac{1}{2} p_n + 1$
(3) $\lim_{n \to \infty} p_n = \frac{2}{3}$
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