トップ 基礎問題 数学3 極限 確率・極限 問題 16

数学3 確率・極限 問題 16 解説

数学3 確率・極限 問題 16 解説

方針・初手

漸化式を利用して確率を求める典型問題である。 1回の試行において、$a_k$ が偶数(赤玉が出る)となる確率と奇数(白玉が出る)となる確率をそれぞれ求める。 そして、$n+1$ 回目までの和 $S_{n+1}$ の偶奇が、$n$ 回目までの和 $S_n$ の偶奇と $n+1$ 回目の値 $a_{n+1}$ の偶奇の組み合わせによってどのように決まるかを考え、確率の推移を漸化式で立式する。

解法1

(1)

1回の操作で、白玉(奇数 $1$)が出る確率は $\frac{1}{3}$、赤玉(偶数 $2$)が出る確率は $\frac{2}{3}$ である。

$p_1$ は $S_1 = a_1$ が偶数となる確率なので、1回目に赤玉が出ればよい。

$$p_1 = \frac{2}{3}$$

$p_2$ は $S_2 = a_1 + a_2$ が偶数となる確率である。 和が偶数になるのは、「奇数+奇数」または「偶数+偶数」の組み合わせであるから、2回とも白玉が出るか、2回とも赤玉が出る場合である。

$$p_2 = \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{3} + \frac{2}{3} \cdot \frac{2}{3} = \frac{1}{9} + \frac{4}{9} = \frac{5}{9}$$

$p_3$ は $S_3 = S_2 + a_3$ が偶数となる確率である。 和が偶数になるのは、$S_2$ が偶数で $a_3$ が偶数(赤玉)の場合、または $S_2$ が奇数で $a_3$ が奇数(白玉)の場合である。 $S_2$ が奇数となる確率は $1 - p_2$ であるから、

$$p_3 = p_2 \cdot \frac{2}{3} + (1 - p_2) \cdot \frac{1}{3} = \frac{5}{9} \cdot \frac{2}{3} + \left( 1 - \frac{5}{9} \right) \cdot \frac{1}{3} = \frac{10}{27} + \frac{4}{27} = \frac{14}{27}$$

(2)

(1)の $p_3$ を求めたときと同様に考える。 $S_{n+1} = S_n + a_{n+1}$ が偶数となるのは、次の2つの排反な事象のいずれかが起こる場合である。

・$S_n$ が偶数(確率 $p_n$)であり、かつ $n+1$ 回目に赤玉が出る(確率 $\frac{2}{3}$) ・$S_n$ が奇数(確率 $1 - p_n$)であり、かつ $n+1$ 回目に白玉が出る(確率 $\frac{1}{3}$)

したがって、これらを足し合わせて以下の漸化式を得る。

$$p_{n+1} = p_n \cdot \frac{2}{3} + (1 - p_n) \cdot \frac{1}{3}$$

式を整理して、

$$p_{n+1} = \frac{1}{3} p_n + \frac{1}{3}$$

(3)

(2)で求めた漸化式 $p_{n+1} = \frac{1}{3} p_n + \frac{1}{3}$ を変形する。 特性方程式 $\alpha = \frac{1}{3} \alpha + \frac{1}{3}$ を解くと $\alpha = \frac{1}{2}$ となるため、次のように変形できる。

$$p_{n+1} - \frac{1}{2} = \frac{1}{3} \left( p_n - \frac{1}{2} \right)$$

数列 $\left\{ p_n - \frac{1}{2} \right\}$ は、初項が $p_1 - \frac{1}{2} = \frac{2}{3} - \frac{1}{2} = \frac{1}{6}$、公比が $\frac{1}{3}$ の等比数列である。 よって、一般項は次のように求められる。

$$p_n - \frac{1}{2} = \frac{1}{6} \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}$$

$$p_n = \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{3} \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1} = \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \left( \frac{1}{3} \right)^n$$

(4)

(3)で求めた $p_n$ の式において、$n \to \infty$ の極限をとる。 $\lim_{n \to \infty} \left( \frac{1}{3} \right)^n = 0$ であるから、

$$\lim_{n \to \infty} p_n = \lim_{n \to \infty} \left\{ \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \left( \frac{1}{3} \right)^n \right\} = \frac{1}{2}$$

解説

状態の推移に注目して漸化式を立てる「確率漸化式」の基本問題である。 和の偶奇が問われているため、注目すべき状態は「和が偶数であるか、奇数であるか」の2通りに絞られる。 (1)の誘導に従って具体的な値を手計算で求める過程で、状態推移のルールを把握し、それを(2)で一般化された $n$ の式に落とし込む流れが非常に綺麗である。 特性方程式を用いた2項間漸化式の解法や、極限の計算など、数列および極限の標準的な知識を問う良問である。

答え

(1) $p_1 = \frac{2}{3}$

$p_2 = \frac{5}{9}$

$p_3 = \frac{14}{27}$

(2) $p_{n+1} = \frac{1}{3} p_n + \frac{1}{3}$

(3) $p_n = \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \left( \frac{1}{3} \right)^n$

(4) $\lim_{n \to \infty} p_n = \frac{1}{2}$

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