トップ 基礎問題 数学3 極限 確率・極限 問題 20

数学3 確率・極限 問題 20 解説

数学3 確率・極限 問題 20 解説

方針・初手

$n$ 回目の状態から $n+1$ 回目の状態への遷移を確率を用いて立式し、連立漸化式を立てる。得られた連立漸化式は対称な形をしているため、2式の和と差をとることで独立した2つの等比数列として解き進めることができる。極限については、階差数列の形から無限等比級数の和として計算する。

解法1

さいころを投げたときの各状態からの遷移確率は以下のようになる。

$x=1$ にいるとき: 出た目が $1$(確率 $\frac{1}{6}$)のとき、$x=2$ へ動く。 目が偶数(確率 $\frac{3}{6} = \frac{1}{2}$)のとき、$x=0$ へ動く。 目が $3$ か $5$(確率 $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$)のとき、$x=1$ にとどまる。

$x=2$ にいるとき: 出た目が $1$(確率 $\frac{1}{6}$)のとき、$x=1$ へ動く。 目が偶数(確率 $\frac{3}{6} = \frac{1}{2}$)のとき、$x=3$ へ動く。 目が $3$ か $5$(確率 $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$)のとき、$x=2$ にとどまる。

$n+1$ 回目に点Qが $x=1$ にいるのは、$n$ 回目に $x=1$ にいてとどまるか、$x=2$ にいて移動してくる場合のみであるため、次の漸化式が成り立つ。

$$P_1(n+1) = \frac{1}{3} P_1(n) + \frac{1}{6} P_2(n)$$

同様に、$n+1$ 回目に点Qが $x=2$ にいる確率について、次の漸化式が成り立つ。

$$P_2(n+1) = \frac{1}{6} P_1(n) + \frac{1}{3} P_2(n)$$

したがって、カは $\frac{1}{3}$、キは $\frac{1}{3}$ である。

これら2式の差と和をとることで、それぞれ以下の式を得る。

$$P_1(n+1) - P_2(n+1) = \frac{1}{6} \{ P_1(n) - P_2(n) \}$$

$$P_1(n+1) + P_2(n+1) = \frac{1}{2} \{ P_1(n) + P_2(n) \}$$

点Qははじめ $x=2$ にあるため、$P_1(0) = 0$、$P_2(0) = 1$ となる。これを初期条件として等比数列の一般項を求めると、

$$P_1(n) - P_2(n) = \left(\frac{1}{6}\right)^n \{ P_1(0) - P_2(0) \} = -\left(\frac{1}{6}\right)^n$$

$$P_1(n) + P_2(n) = \left(\frac{1}{2}\right)^n \{ P_1(0) + P_2(0) \} = \left(\frac{1}{2}\right)^n$$

したがって、等式 $P_1(n+1) - P_2(n+1) = - (\text{ク})^{n+1}$ および $P_1(n+1) + P_2(n+1) = (\text{ケ})^{n+1}$ と係数や指数を比較して、クは $\frac{1}{6}$、ケは $\frac{1}{2}$ となる。

次に、$P_2(n)$ を求めるため、和の式から差の式を引いて整理する。

$$2P_2(n) = \left(\frac{1}{2}\right)^n + \left(\frac{1}{6}\right)^n$$

$$P_2(n) = \frac{1}{2} \left\{ \left(\frac{1}{2}\right)^n + \left(\frac{1}{6}\right)^n \right\}$$

問題文で与えられた漸化式 $P_3(n+1) = \frac{1}{2} P_2(n) + P_3(n)$ は、階差数列の形に変形できる。初期状態は $x=2$ なので $P_3(0) = 0$ であることを踏まえ、極限 $\lim_{n \to \infty} P_3(n)$ を計算する。これは無限等比級数の和として計算できる。

$$\lim_{n \to \infty} P_3(n) = P_3(0) + \sum_{k=0}^{\infty} \frac{1}{2} P_2(k) = \frac{1}{4} \sum_{k=0}^{\infty} \left\{ \left(\frac{1}{2}\right)^k + \left(\frac{1}{6}\right)^k \right\}$$

公比の絶対値はどちらも $1$ より小さいため収束し、

$$\lim_{n \to \infty} P_3(n) = \frac{1}{4} \left( \frac{1}{1 - \frac{1}{2}} + \frac{1}{1 - \frac{1}{6}} \right)$$

$$= \frac{1}{4} \left( 2 + \frac{6}{5} \right) = \frac{1}{4} \cdot \frac{16}{5} = \frac{4}{5}$$

したがって、コは $\frac{4}{5}$ である。

解説

確率漸化式の基本手順に従い、状態間の遷移確率を整理して漸化式を立てる典型的な問題である。 対称性のある連立漸化式は、和と差をとって独立な等比数列を作るのが定石である。求める $\lim_{n \to \infty} P_3(n)$ は「最終的に状態3に吸収される確率」を意味している。状態 $1$ と $2$ の遷移確率は対称に設定されているが、初期位置が $x=2$ であり状態 $3$ に近いため、$1/2$ より高い確率で $x=3$ に吸収されることが、直感的にも最終的な計算結果からも妥当であると確認できる。

答え

カ:$\frac{1}{3}$

キ:$\frac{1}{3}$

ク:$\frac{1}{6}$

ケ:$\frac{1}{2}$

コ:$\frac{4}{5}$

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