トップ 基礎問題 数学3 積分法 接線・極限との複合 問題 6

数学3 接線・極限との複合 問題 6 解説

数学3 接線・極限との複合 問題 6 解説

方針・初手

対称性から、放物線 $C_1$ と 2直線 $\mathrm{OP}_0, \mathrm{OP}_1$ で囲まれる部分の面積を求め、それを $n$ 倍することで $S_n$ を求める方針をとる。 計算を容易にするため、$\angle \mathrm{P}_0 \mathrm{O} \mathrm{P}_1$ の二等分線が座標軸と重なるように座標系を設定し、放物線の方程式を決定して積分を行う。

解法1

$xy$ 平面において、原点を $\mathrm{O}(0,0)$ とし、$\angle \mathrm{P}_0 \mathrm{O} \mathrm{P}_1$ の二等分線を $x$ 軸にとる。

$\theta = \frac{2\pi}{n}$ とおく。点 $\mathrm{P}_1, \mathrm{P}_0$ は原点中心、半径 $1$ の円周上にあり、対称性からそれぞれの座標は $\left(\cos\frac{\theta}{2}, \sin\frac{\theta}{2}\right), \left(\cos\frac{\theta}{2}, -\sin\frac{\theta}{2}\right)$ とおける。

直線 $\mathrm{OP}_1$ の方程式は $y = \left(\tan\frac{\theta}{2}\right) x$、すなわち $x = \left(\cot\frac{\theta}{2}\right) y$ である。

放物線 $C_1$ は $x$ 軸に関して対称であるから、その方程式を $x = ay^2 + b$ とおくことができる。$x$ を $y$ で微分すると $\frac{dx}{dy} = 2ay$ となる。 $C_1$ は点 $\mathrm{P}_1$ において直線 $\mathrm{OP}_1$ と接するので、点 $\mathrm{P}_1$ における $\frac{dx}{dy}$ が $\cot\frac{\theta}{2}$ に等しい。

$$2a \sin\frac{\theta}{2} = \cot\frac{\theta}{2} = \frac{\cos\frac{\theta}{2}}{\sin\frac{\theta}{2}}$$

これを解いて、$a$ を求める。

$$a = \frac{\cos\frac{\theta}{2}}{2\sin^2\frac{\theta}{2}}$$

また、$C_1$ は点 $\mathrm{P}_1$ を通るため、座標を代入して $b$ を求める。

$$\cos\frac{\theta}{2} = a \sin^2\frac{\theta}{2} + b$$

$$b = \cos\frac{\theta}{2} - \frac{\cos\frac{\theta}{2}}{2\sin^2\frac{\theta}{2}} \sin^2\frac{\theta}{2} = \frac{1}{2}\cos\frac{\theta}{2}$$

$S_n$ のうち、放物線 $C_1$ と 2直線 $\mathrm{OP}_0, \mathrm{OP}_1$ によって囲まれる部分の面積を $T_n$ とすると、$S_n = n T_n$ である。 $T_n$ のうち $y \ge 0$ の部分の面積 $\frac{T_n}{2}$ は、放物線 $x = ay^2+b$、直線 $x = \left(\cot\frac{\theta}{2}\right) y$、および $x$ 軸で囲まれた領域である。放物線が直線の右側にあるため、右から左を引いて $y$ について積分する。

$$\frac{T_n}{2} = \int_0^{\sin\frac{\theta}{2}} \left\{ \left( ay^2 + b \right) - \left(\cot\frac{\theta}{2}\right) y \right\} dy$$

$$= \left[ \frac{a}{3}y^3 + by - \frac{1}{2}y^2 \cot\frac{\theta}{2} \right]_0^{\sin\frac{\theta}{2}}$$

$$= \frac{a}{3}\sin^3\frac{\theta}{2} + b\sin\frac{\theta}{2} - \frac{1}{2}\sin^2\frac{\theta}{2} \frac{\cos\frac{\theta}{2}}{\sin\frac{\theta}{2}}$$

$a, b$ の値を代入して整理する。

$$\frac{T_n}{2} = \frac{1}{3} \cdot \frac{\cos\frac{\theta}{2}}{2\sin^2\frac{\theta}{2}} \sin^3\frac{\theta}{2} + \frac{1}{2}\cos\frac{\theta}{2}\sin\frac{\theta}{2} - \frac{1}{2}\cos\frac{\theta}{2}\sin\frac{\theta}{2}$$

$$= \frac{1}{6} \sin\frac{\theta}{2}\cos\frac{\theta}{2} = \frac{1}{12} \sin\theta$$

したがって、$T_n = \frac{1}{6} \sin\theta = \frac{1}{6} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)$ となる。 全体の面積 $S_n$ はこれを $n$ 倍して得られる。

$$S_n = n T_n = \frac{n}{6} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)$$

極限値 $\lim_{n\to\infty} S_n$ を計算する。

$$\lim_{n\to\infty} S_n = \lim_{n\to\infty} \frac{n}{6} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right) = \lim_{n\to\infty} \frac{\pi}{3} \cdot \frac{\sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)}{\frac{2\pi}{n}}$$

$n \to \infty$ のとき $\frac{2\pi}{n} \to 0$ であり、$\lim_{x\to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$ であるから、極限値は $\frac{\pi}{3}$ である。

解法2

放物線のよく知られた面積公式を利用する。放物線の外部の点から引いた 2本の接線と、その接点を結ぶ弦によって囲まれる図形の面積は、2接線と弦によって作られる三角形の面積の $\frac{1}{3}$ 倍になるという性質がある。

各 $i$ において、放物線 $C_i$ は $\mathrm{OP}_{i-1}, \mathrm{OP}_i$ に点 $\mathrm{P}_{i-1}, \mathrm{P}_i$ で接する。 原点 $\mathrm{O}$ を頂点とし、接点 $\mathrm{P}_{i-1}, \mathrm{P}_i$ を底辺の両端とする $\triangle \mathrm{OP}_{i-1}\mathrm{P}_i$ を考える。 $\mathrm{OP}_{i-1} = \mathrm{OP}_i = 1$、$\angle \mathrm{P}_{i-1} \mathrm{O} \mathrm{P}_i = \frac{2\pi}{n}$ であるから、この三角形の面積は次のように求まる。

$$\triangle \mathrm{OP}_{i-1}\mathrm{P}_i = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot 1 \cdot \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right) = \frac{1}{2} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)$$

放物線 $C_i$ と 2接線 $\mathrm{OP}_{i-1}, \mathrm{OP}_i$ によって囲まれる部分の面積 $T_n$ は、上記の性質より三角形の面積の $\frac{1}{3}$ 倍となる。

$$T_n = \frac{1}{3} \triangle \mathrm{OP}_{i-1}\mathrm{P}_i = \frac{1}{6} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)$$

領域全体は、この部分が $n$ 個集まったものであるから、全体の面積 $S_n$ は以下のようになる。

$$S_n = n T_n = \frac{n}{6} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)$$

極限計算は解法1と同様であり、極限値は $\frac{\pi}{3}$ となる。

解説

放物線と接線に関する面積計算の問題である。解法1のように対称性を活かした適切な座標設定を行うことで、多項式の積分として標準的な計算に帰着させることができる。解法2で用いた放物線の性質(放物線と 2接線で囲まれる面積は、接点の弦と接線がなす三角形の面積の $\frac{1}{3}$ になる)は、穴埋め問題であれば瞬殺できる強力な武器となる。記述式においては解法1で定式化するのが安全である。

また、$n \to \infty$ としたときの図形の極限について考えると興味深い。放物線の頂点($x$軸との交点)の原点からの距離は $\frac{1}{2}\cos\frac{\pi}{n}$ であり、$n \to \infty$ で $\frac{1}{2}$ に近づくが、接点の距離は常に $1$ である。そのため、極限の図形は滑らかな円にはならず、半径 $\frac{1}{2}$ と $1$ の間を往復する無数の「ギザギザ」を持った図形となる。直感的に「半径 $\frac{1}{2}$ の円の面積 $\frac{\pi}{4}$」と誤認しやすいが、厳密な極限をとると $\frac{\pi}{3}$ になるという事実には、極限図形の周長や面積に関する本質的な注意点が含まれている。

答え

$\frac{\pi}{3}$

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