数学3 接線・極限との複合 問題 69 解説

方針・初手
指数関数を含む関数なので、まず微分して増減を調べる。接線については、接点の $x$ 座標を $t$ とおき、接線が原点を通る条件を式にする。面積は、この関数が下に凸であることを利用して、曲線と接線の差を積分して求める。
解法1
(1)
$$ f(x)=e^{a(x+1)}-ax $$
とする。$a>0$ であるから、
$$ f'(x)=ae^{a(x+1)}-a=a{e^{a(x+1)}-1} $$
である。
したがって、
$$ f'(x)=0 $$
となるのは
$$ e^{a(x+1)}=1 $$
すなわち
$$ a(x+1)=0 $$
より、
$$ x=-1 $$
のときである。
また、$a>0$ より、$x<-1$ では $a(x+1)<0$ だから $e^{a(x+1)}<1$ となり、$f'(x)<0$ である。一方、$x>-1$ では $f'(x)>0$ である。
よって、$f(x)$ は $x=-1$ で最小値をとる。その値は
$$ f(-1)=e^0-a(-1)=1+a $$
である。
したがって、$f(x)$ の最小値は
$$ 1+a $$
である。
(2)
接点の $x$ 座標を $t$ とする。このとき接線の方程式は
$$ y=f'(t)(x-t)+f(t) $$
である。
この接線が原点を通るから、$x=0,\ y=0$ を代入して
$$ 0=f'(t)(-t)+f(t) $$
すなわち
$$ f(t)=tf'(t) $$
を得る。
ここで、
$$ f(t)=e^{a(t+1)}-at $$
かつ
$$ f'(t)=a{e^{a(t+1)}-1} $$
であるから、
$$ e^{a(t+1)}-at=at{e^{a(t+1)}-1} $$
となる。
両辺を整理すると、
$$ e^{a(t+1)}-at=ate^{a(t+1)}-at $$
より、
$$ e^{a(t+1)}=ate^{a(t+1)} $$
である。指数関数は常に正であるから、両辺を $e^{a(t+1)}$ で割って
$$ 1=at $$
となる。よって、
$$ t=\frac{1}{a} $$
である。
したがって、接点は $x=\dfrac{1}{a}$ の点であり、このとき
$$ f'\left(\frac{1}{a}\right) =a{e^{a(\frac{1}{a}+1)}-1} =a(e^{a+1}-1) $$
である。
原点を通る接線なので、求める接線の方程式は
$$ y=a(e^{a+1}-1)x $$
である。
(3)
まず、
$$ f''(x)=a^2e^{a(x+1)}>0 $$
であるから、曲線 $y=f(x)$ は下に凸である。したがって、接線は曲線の下側にある。
(2) で求めた接線と曲線の接点は $x=\dfrac{1}{a}$ である。また、$y$ 軸は $x=0$ であるから、囲まれる部分の面積 $S(a)$ は
$$ S(a)=\int_0^{1/a}{f(x)-a(e^{a+1}-1)x},dx $$
である。
ここで、
$$ \begin{aligned} f(x)-a(e^{a+1}-1)x &=e^{a(x+1)}-ax-a(e^{a+1}-1)x \\ &=e^{a(x+1)}-ae^{a+1}x \end{aligned} $$
である。よって、
$$ \begin{aligned} S(a) &=\int_0^{1/a}{e^{a(x+1)}-ae^{a+1}x},dx \\ &=\left[\frac{1}{a}e^{a(x+1)}-\frac{ae^{a+1}}{2}x^2\right]_0^{1/a} \\ &=\frac{1}{a}(e^{a+1}-e^a)-\frac{ae^{a+1}}{2}\cdot\frac{1}{a^2} \\ &=\frac{e^a}{a}(e-1)-\frac{e^{a+1}}{2a} \\ &=\frac{e^a}{a}\left(e-1-\frac{e}{2}\right) \\ &=\frac{e^a}{a}\left(\frac{e}{2}-1\right) \end{aligned} $$
である。
したがって、
$$ S(a)=\frac{e^a}{a}\left(\frac{e}{2}-1\right) $$
である。
(4)
(3) より、
$$ S(a)=\left(\frac{e}{2}-1\right)\frac{e^a}{a} $$
である。ここで $e>2$ より、
$$ \frac{e}{2}-1>0 $$
であるから、$S(a)$ の最小化は
$$ \frac{e^a}{a} $$
の最小化に帰着される。
$$ g(a)=\frac{e^a}{a} $$
とおく。ただし $a>0$ である。このとき、
$$ g'(a)=\frac{ae^a-e^a}{a^2} =\frac{e^a(a-1)}{a^2} $$
である。
したがって、$0<a<1$ では $g'(a)<0$、$a>1$ では $g'(a)>0$ である。よって、$g(a)$ は $a=1$ で最小値をとる。
したがって、$S(a)$ も $a=1$ で最小値をとり、その値は
$$ S(1)=\left(\frac{e}{2}-1\right)e =\frac{e^2}{2}-e $$
である。
解説
この問題では、接線が原点を通る条件を正しく立式できるかが中心である。接点を $t$ とおくと、接線が原点を通る条件は $f(t)=tf'(t)$ になる。この条件を使うと、接点の座標が $t=\dfrac{1}{a}$ と簡単に求まる。
面積については、$f''(x)>0$ から曲線が下に凸であることを確認しておく必要がある。これにより、曲線が接線の上側にあると判断でき、面積を
$$ \int_0^{1/a}(\text{曲線}-\text{接線}),dx $$
として計算できる。
最後の最小化では、$S(a)$ が定数倍された $\dfrac{e^a}{a}$ の形になるため、微分して $a=1$ を得ればよい。
答え
(1)
$$ 1+a $$
(2)
$$ y=a(e^{a+1}-1)x $$
(3)
$$ S(a)=\frac{e^a}{a}\left(\frac{e}{2}-1\right) $$
(4)
$$ \frac{e^2}{2}-e $$
ただし、この最小値は $a=1$ のときにとる。
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