数学3 その他応用 問題 6 解説

方針・初手
まず
$$ F(x)=\int_1^{x^2} f(t),dt+1 $$
を微分し,条件 $F'(x)=2xF(x)$ と結びつける。 すると $f(x^2)$ と $F(x)$ が直接結ばれるので,最後に変数を置き換えれば $f$ 自身の満たす関係式が得られる。
解法1
$f$ は $x>0$ で連続であるから,微積分の基本定理と合成関数の微分法により
$$ F'(x)=2x,f(x^2) $$
である。
一方,条件より
$$ F'(x)=2xF(x) $$
であるから,$x>0$ より $2x\neq 0$ なので両辺を $2x$ で割って
$$ f(x^2)=F(x) $$
を得る。
ここで $F(x)$ の定義を代入すると
$$ f(x^2)=\int_1^{x^2} f(t),dt+1 $$
となる。
$x>0$ のとき $x^2$ は任意の正の数をとるので,$y=x^2$ とおけば $y>0$ について
$$ f(y)=\int_1^y f(t),dt+1 $$
が成り立つ。
$f$ は連続であるから右辺は微分可能であり,両辺を $y$ で微分して
$$ f'(y)=f(y) $$
を得る。
さらに $y=1$ を代入すると
$$ f(1)=\int_1^1 f(t),dt+1=1 $$
である。
したがって,初期条件
$$ f'(y)=f(y),\qquad f(1)=1 $$
を満たす関数 $f$ は
$$ f(y)=e^{y-1} $$
である。変数を $x$ に戻して
$$ f(x)=e^{x-1}\qquad (x>0) $$
を得る。
確認すると,
$$ F(x)=\int_1^{x^2} e^{t-1},dt+1 =\left[e^{t-1}\right]_1^{x^2}+1 =e^{x^2-1} $$
であるから,
$$ F'(x)=2x e^{x^2-1}=2xF(x) $$
となり,条件を満たしている。
解法2
与えられた微分方程式
$$ F'(x)=2xF(x) $$
は $F$ に関する1階微分方程式である。これを直接解くと
$$ \frac{F'(x)}{F(x)}=2x $$
より
$$ \log |F(x)|=x^2+C $$
したがって
$$ F(x)=Ce^{x^2} $$
と書ける。
ここで
$$ F(1)=\int_1^1 f(t),dt+1=1 $$
なので
$$ 1=Ce $$
より
$$ C=e^{-1} $$
である。ゆえに
$$ F(x)=e^{x^2-1} $$
を得る。
一方,微積分の基本定理より
$$ F'(x)=2x f(x^2) $$
であり,また
$$ F'(x)=2x e^{x^2-1} $$
だから,$x>0$ において
$$ f(x^2)=e^{x^2-1} $$
となる。ここで $u=x^2$ とおけば $u>0$ で任意だから
$$ f(u)=e^{u-1} $$
すなわち
$$ f(x)=e^{x-1}\qquad (x>0) $$
である。
解説
この問題の要点は,$F$ の定義に含まれる上端が $x^2$ であることから
$$ F'(x)=2x,f(x^2) $$
となる点である。ここで与えられた条件 $F'(x)=2xF(x)$ と比較すると,$f(x^2)$ と $F(x)$ が一致することが分かる。
その後は,$x^2$ を新しい変数とみなして $f$ の積分方程式に直す方法でもよいし,先に $F$ の微分方程式を解く方法でもよい。どちらも典型的な処理である。
答え
$$ f(x)=e^{x-1}\qquad (x>0) $$
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