東北大学 2010年 理系 第5問 解説

方針・初手
領域は
$$ 0\le y\le \sin x,\qquad x+y\le t $$
で表されるので、各 $x$ に対する上端は $\sin x$ と $t-x$ のうち小さい方である。
そこで、曲線 $y=\sin x$ と直線 $y=t-x$ の交点の $x$ 座標を $a$ とおくと、
$$ a+\sin a=t $$
を満たす。この $a$ を用いて体積 $V(t)$ を積分表示し、さらに $t$ で微分する。
解法1
$0<t<3$ であり、$x+\sin x$ の導関数は
$$ \frac{d}{dx}(x+\sin x)=1+\cos x $$
である。$0<x<3<\pi$ では $1+\cos x>0$ だから、$x+\sin x$ は単調増加である。したがって
$$ x+\sin x=t $$
を満たす $x$ はただ 1 つ存在する。その値を $a$ とする。
このとき、$0\le x\le a$ では $\sin x\le t-x$、また $a\le x\le t$ では $t-x\le \sin x$ であるから、回転体の体積は
$$ V(t)=\pi\int_0^a \sin^2 x,dx+\pi\int_a^t (t-x)^2,dx $$
となる。
後半の積分は
$$ \int_a^t (t-x)^2,dx=\frac{(t-a)^3}{3} $$
であり、$t-a=\sin a$ だから
$$ V(t)=\pi\left(\int_0^a \sin^2 x,dx+\frac{\sin^3 a}{3}\right) $$
と書ける。
次に $a+\sin a=t$ を $t$ で微分すると
$$ (1+\cos a)\frac{da}{dt}=1 $$
より
$$ \frac{da}{dt}=\frac{1}{1+\cos a} $$
である。
したがって $V(t)$ を $t$ で微分すると、
$$ \frac{dV}{dt} =\pi\left(\sin^2 a+\sin^2 a\cos a\right)\frac{da}{dt} =\pi\sin^2 a $$
となる。
これが $\pi/4$ に等しいので、
$$ \pi\sin^2 a=\frac{\pi}{4} $$
すなわち
$$ \sin^2 a=\frac14 $$
である。
$0<a<t<3$ より $0<a<3$ であり、この範囲で $\sin a=\frac12$ となる候補は
$$ a=\frac{\pi}{6},\ \frac{5\pi}{6} $$
である。しかし
$$ t=a+\sin a $$
であり、$a=\frac{5\pi}{6}$ のとき
$$ t=\frac{5\pi}{6}+\frac12>3 $$
となって条件 $0<t<3$ に反する。よって
$$ a=\frac{\pi}{6} $$
である。
このとき
$$ t=\frac{\pi}{6}+\frac12 $$
であり、
$$ V(t)=\pi\left(\int_0^{\pi/6}\sin^2 x,dx+\frac{1}{24}\right) $$
となる。
ここで
$$ \int \sin^2 x,dx=\frac{x}{2}-\frac{\sin 2x}{4} $$
より
$$ \int_0^{\pi/6}\sin^2 x,dx =\frac{\pi}{12}-\frac{\sin(\pi/3)}{4} =\frac{\pi}{12}-\frac{\sqrt3}{8} $$
である。したがって
$$ V(t)=\pi\left(\frac{\pi}{12}-\frac{\sqrt3}{8}+\frac{1}{24}\right) =\frac{\pi}{24}\left(2\pi-3\sqrt3+1\right) $$
を得る。
解説
この問題の要点は、領域の上端が $\sin x$ と $t-x$ の小さい方になることを正確に捉えることである。
交点 $a$ を $a+\sin a=t$ で定めると積分区間が自然に分かれ、さらに微分すると $a$ の複雑な変化がうまく消えて
$$ \frac{dV}{dt}=\pi\sin^2 a $$
という簡潔な形になる。ここで $a$ の候補を出したあと、条件 $0<t<3$ で不要な解を除くことが重要である。
答え
$$ V(t)=\frac{\pi}{24}\left(2\pi-3\sqrt3+1\right) $$
である。
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