数学3 その他応用 問題 21 解説

方針・初手
$x,y$ はそれぞれ独立な微分方程式を満たしているので,まず $x(t),y(t)$ をそれぞれ求める。 そのうえで,$y=x$ を通過する条件,すなわちある $t>0$ で $x(t)=y(t)$ となる条件を調べればよい。
解法1
与えられた微分方程式は
$$ \frac{dx}{dt}=\sqrt{x+1},\qquad \frac{dy}{dt}=\sqrt{y} $$
である。
まず $x$ について解くと,
$$ \frac{dx}{\sqrt{x+1}}=dt $$
より
$$ 2\sqrt{x+1}=t+C $$
となる。初期条件 $t=0$ で $x=a$ を用いると
$$ 2\sqrt{a+1}=C $$
であるから,
$$ 2\sqrt{x+1}=t+2\sqrt{a+1} $$
すなわち
$$ \sqrt{x+1}=\frac{t}{2}+\sqrt{a+1} $$
であり,
$$ x=\left(\frac{t}{2}+\sqrt{a+1}\right)^2-1 $$
を得る。
同様に $y$ については
$$ \frac{dy}{\sqrt{y}}=dt $$
より
$$ 2\sqrt{y}=t+C' $$
初期条件 $t=0$ で $y=b$ を用いると
$$ 2\sqrt{b}=C' $$
であるから,
$$ 2\sqrt{y}=t+2\sqrt{b} $$
すなわち
$$ y=\left(\frac{t}{2}+\sqrt{b}\right)^2 $$
である。
したがって
$$ x=\frac{t^2}{4}+t\sqrt{a+1}+a,\qquad y=\frac{t^2}{4}+t\sqrt{b}+b $$
となるので,
$$ y-x=t\bigl(\sqrt{b}-\sqrt{a+1}\bigr)+(b-a) $$
である。
動点 $P$ が正のある時刻に $y=x$ を通過するためには,ある $t>0$ で
$$ t\bigl(\sqrt{b}-\sqrt{a+1}\bigr)+(b-a)=0 $$
となればよい。
これは $t$ についての一次式であるから,$t>0$ の解をもつための必要十分条件は,定数項と $t$ の係数の符号が反対であることである。
ここで
(i)
$b-a>0$,すなわち $b>a$
(ii)
$\sqrt{b}-\sqrt{a+1}<0$,すなわち $b<a+1$
が同時に成り立てば,正の解
$$ t=\frac{b-a}{\sqrt{a+1}-\sqrt{b}} $$
をもつ。
逆に,
(i)
$b-a<0$ と (ii) $\sqrt{b}-\sqrt{a+1}>0$ を同時に満たすことは不可能である。 実際,$\sqrt{b}>\sqrt{a+1}$ なら $b>a+1>a$ となり,$b<a$ に反するからである。
また $b=a$ のときは $t=0$ でしか $y=x$ とならず,問題の条件である「正の時刻」に合わない。
以上より求める条件は
$$ a<b<a+1 $$
である。
したがって,$(a,b)$ 平面では,$a>0$ の範囲で直線 $b=a$ と $b=a+1$ にはさまれた部分である。
解説
$x(t),y(t)$ を直接求めると,$y-x$ が $t$ の一次式になる。 したがって,「正の時刻に交わるか」は,$t=0$ における符号と傾きの符号を比べれば一気に判定できる。
見落としやすいのは,$b=a$ のときである。初めから $y=x$ 上にあるが,これは $t=0$ であり,問題は「正の時刻」を要求しているので含まれない。
答え
求める点 $(a,b)$ の範囲は
$$ a>0,\qquad a<b<a+1 $$
である。
すなわち,$(a,b)$ 平面において,直線 $b=a$ と $b=a+1$ にはさまれた帯状領域のうち,$a>0$ の部分であり,境界は含まない。
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