数学3 体積 問題 1 解説

方針・初手
$x$ を固定すると,不等式 $|x+y|\le \sin x$ は $y$ の範囲を表す。
したがって,まず各 $x\in[0,\pi]$ に対して断面の上下端を求め,その線分を $x$ 軸のまわりに回転したときの断面積を求めて積分すればよい。
解法1
不等式 $|x+y|\le \sin x$ は
$$ -\sin x\le x+y\le \sin x $$
と同値であるから,
$$ -x-\sin x\le y\le -x+\sin x $$
となる。
よって,$x$ を固定したときの図形の縦の切り口は,$y=-x$ を中心とする長さ $2\sin x$ の線分である。
ここで $0\le x\le \pi$ では $\sin x\le x$ が成り立つので,
$$ -x+\sin x\le 0 $$
である。したがって,この線分は $x$ 軸の下側にあり,これを $x$ 軸のまわりに回転すると中空の円板(ワッシャー)になる。
外半径 $R$,内半径 $r$ はそれぞれ
$$ R=x+\sin x,\qquad r=x-\sin x $$
であるから,断面積 $S(x)$ は
$$ S(x)=\pi\left\{(x+\sin x)^2-(x-\sin x)^2\right\} $$
となる。展開すると
$$ S(x)=\pi\cdot 4x\sin x=4\pi x\sin x $$
である。
したがって体積 $V$ は
$$ V=\int_0^\pi 4\pi x\sin x,dx $$
である。
ここで
$$ \int x\sin x,dx=-x\cos x+\sin x $$
より,
$$ V=4\pi\left[-x\cos x+\sin x\right]_0^\pi $$
となる。これを計算すると
$$ V=4\pi\left\{-\pi\cos\pi+\sin\pi-(0+\sin0)\right\} $$
$$ =4\pi(\pi)=4\pi^2 $$
である。
解説
この問題の要点は,絶対値不等式をそのまま回転体として眺めるのではなく,まず $y$ の範囲に直すことである。
すると各 $x$ に対して
$$ -x-\sin x\le y\le -x+\sin x $$
という縦の線分になり,それが $x$ 軸の下側にあることから,回転後の断面がワッシャーになると分かる。外半径と内半径を正しく読み取れれば,あとは定積分の計算だけである。
また,$\sin x\le x$ を使って断面が $x$ 軸をまたがないことを確認するのが重要である。
答え
求める体積は
$$ 4\pi^2 $$
である。
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