数学3 体積 問題 70 解説

方針・初手
各 $s$ に対して,点 $P(s^r,0)$,$Q(0,(1-s)^r)$ を通る直線の方程式をまず立てる。
この直線が点 $(f(s),g(s))$ で曲線 $C$ に接するということは,
- 点 $(f(s),g(s))$ がその直線上にあること
- その直線の傾きと,曲線 $C$ の接線の傾きが一致すること
の2条件に言い換えられる。これを式にして $f,g$ を決定する。
解法1
点 $P,Q$ を通る直線を $\ell_s$ とすると,その方程式は
$$ \frac{x}{s^r}+\frac{y}{(1-s)^r}=1 $$
である。
条件より,$\ell_s$ は点 $(f(s),g(s))$ において曲線 $C$ に接するから,まず
$$ \frac{f(s)}{s^r}+\frac{g(s)}{(1-s)^r}=1 \tag{1} $$
が成り立つ。
また,$\ell_s$ が $C$ に接するので,固定した $s$ に対し
$$ \Phi(t)=\frac{f(t)}{s^r}+\frac{g(t)}{(1-s)^r}-1 $$
とおくと,$t=s$ は $\Phi(t)=0$ の重解である。したがって
$$ \Phi'(s)=\frac{f'(s)}{s^r}+\frac{g'(s)}{(1-s)^r}=0 \tag{2} $$
も成り立つ。
ここで,(1) を $s$ で微分すると
$$ \frac{f'(s)}{s^r}-\frac{r f(s)}{s^{r+1}} +\frac{g'(s)}{(1-s)^r} +\frac{r g(s)}{(1-s)^{r+1}}=0 \tag{3} $$
を得る。
(3) から (2) を引くと
$$ -\frac{r f(s)}{s^{r+1}}+\frac{r g(s)}{(1-s)^{r+1}}=0 $$
すなわち
$$ \frac{f(s)}{s^{r+1}}=\frac{g(s)}{(1-s)^{r+1}} $$
となる。
そこで共通の値を $k(s)$ とおくと
$$ f(s)=s^{r+1}k(s),\qquad g(s)=(1-s)^{r+1}k(s) $$
である。これを (1) に代入すると
$$ \frac{s^{r+1}k(s)}{s^r}+\frac{(1-s)^{r+1}k(s)}{(1-s)^r}=1 $$
すなわち
$$ sk(s)+(1-s)k(s)=1 $$
より
$$ k(s)=1 $$
である。したがって
$$ f(s)=s^{r+1},\qquad g(s)=(1-s)^{r+1} $$
を得る。変数名を $t$ に戻せば,
$$ f(t)=t^{r+1},\qquad g(t)=(1-t)^{r+1} $$
である。
つぎに (2) を考える。
$r=\dfrac12$ のとき,
$$ x=t^{3/2},\qquad y=(1-t)^{3/2} \qquad (0\le t\le 1) $$
である。
$x=t^{3/2}$ より
$$ t=x^{2/3} $$
だから,曲線 $C$ は
$$ y=(1-x^{2/3})^{3/2} \qquad (0\le x\le 1) $$
と表せる。
よって,$C$ と $x$ 軸,$y$ 軸で囲まれた部分を $x$ 軸のまわりに回転してできる立体の体積 $V$ は
$$ V=\pi\int_0^1 y^2,dx =\pi\int_0^1 (1-x^{2/3})^3,dx $$
である。
これを展開すると
$$ V=\pi\int_0^1 \left(1-3x^{2/3}+3x^{4/3}-x^2\right),dx $$
となるので,
$$ \begin{aligned} V &=\pi\left[x-\frac95 x^{5/3}+\frac97 x^{7/3}-\frac13 x^3\right]_0^1 \\ &=\pi\left(1-\frac95+\frac97-\frac13\right) \\ &=\pi\cdot \frac{16}{105}. \end{aligned} $$
したがって
$$ V=\frac{16\pi}{105} $$
である。
解説
この問題の本質は,直線族
$$ \frac{x}{s^r}+\frac{y}{(1-s)^r}=1 $$
の包絡線を求めることにある。接するという条件を,
- 曲線上の点がその直線上にある
- その点での接線条件が成り立つ
という2本の式に分けると,$f(t),g(t)$ が自然に決まる。
(2) では媒介変数のままでも計算できるが,$t=x^{2/3}$ と直して $y$ を $x$ の関数で表すと,通常の回転体の公式
$$ V=\pi\int y^2,dx $$
がそのまま使えて処理しやすい。
答え
(1)
$$ f(t)=t^{r+1},\qquad g(t)=(1-t)^{r+1} \qquad (0\le t\le 1) $$
(2)
$$ \frac{16\pi}{105} $$
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