数学3 体積 問題 100 解説

方針・初手
(1) は、点 $P$ が「中心 $O$,半径 $1$ の球」と「中心 $Q$,半径 $1$ の球」の共通部分上にあることを使う。したがって、まずその交わりを方程式で表せばよい。
(2) は、まず「どのような点 $P$ が頂点になりうるか」を条件式で特徴づける。そのうえで、辺 $OP$ が通過する範囲 $K$ は、原点からそのような点 $P$ へ向かう線分全体になるので、極座標的に体積を積分すればよい。
解法1
(1) 点 $Q=(0,0,1)$ のとき
点 $P=(x,y,z)$ とおく。
正三角形 $OPQ$ の1辺の長さが $1$ であるから、
$$ OP=OQ=PQ=1 $$
である。したがって
$$ x^2+y^2+z^2=1 $$
および
$$ x^2+y^2+(z-1)^2=1 $$
が成り立つ。
両式の差をとると
$$ z=\frac12 $$
を得る。これを $x^2+y^2+z^2=1$ に代入して
$$ x^2+y^2+\frac14=1 $$
より
$$ x^2+y^2=\frac34 $$
となる。
したがって、点 $P$ は平面 $z=\dfrac12$ 上の半径 $\dfrac{\sqrt3}{2}$ の円を動くので、$x$ 座標の範囲は
$$ -\frac{\sqrt3}{2}\le x\le \frac{\sqrt3}{2} $$
である。
次に、$\angle AOP=\theta$ であり、$A=(1,0,0)$ だから、
$$ \overrightarrow{OA}=(1,0,0),\qquad \overrightarrow{OP}=(x,y,z) $$
である。しかも $|\overrightarrow{OA}|=|\overrightarrow{OP}|=1$ であるから、
$$ \cos\theta=\overrightarrow{OA}\cdot\overrightarrow{OP}=x $$
となる。
よって
$$ -\frac{\sqrt3}{2}\le \cos\theta\le \frac{\sqrt3}{2} $$
であり、$0^\circ\le \theta\le 180^\circ$ のもとで
$$ 30^\circ\le \theta\le 150^\circ $$
を得る。
(2) 点 $Q$ が平面 $x=0$ 上を動くとき
点 $Q$ は平面 $x=0$ 上にあり、しかも $OQ=1$ だから
$$ Q=(0,u,v),\qquad u^2+v^2=1 $$
と表せる。
また、点 $P=(x,y,z)$ が正三角形の頂点となるための条件は
$$ OP=PQ=1 $$
である。$OP=1$ より
$$ x^2+y^2+z^2=1 $$
であり、さらに $PQ=1$ より
$$ x^2+(y-u)^2+(z-v)^2=1 $$
である。
この2式の差をとると
$$ yu+zv=\frac12 $$
を得る。
ここで $u^2+v^2=1$ なので、Cauchy-Schwarz の不等式より
$$ |yu+zv|\le \sqrt{y^2+z^2}\sqrt{u^2+v^2}=\sqrt{y^2+z^2} $$
である。したがって、$yu+zv=\dfrac12$ を満たすための必要十分条件は
$$ \sqrt{y^2+z^2}\ge \frac12 $$
である。
実際、$\sqrt{y^2+z^2}=r\ (\ge \frac12)$ とすれば、単位ベクトル $(u,v)$ に対する $yu+zv$ の値は $-r$ から $r$ まで取りうるので、$\dfrac12$ を実現できる。
ゆえに、頂点 $P$ が取りうる条件は
$$ x^2+y^2+z^2=1,\qquad y^2+z^2\ge \frac14 $$
である。これを $x$ について書き直すと
$$ 1-x^2\ge \frac14 $$
すなわち
$$ x^2\le \frac34 $$
である。
したがって、点 $P$ は単位球面上の
$$ |x|\le \frac{\sqrt3}{2} $$
を満たす部分全体を動く。
さて、辺 $OP$ が通過する範囲 $K$ は、原点からそのような点 $P$ に向かう線分全体である。よって、$x$ 軸を極軸とする球座標で表せば、
$$ 0\le r\le 1,\qquad 30^\circ\le \theta\le 150^\circ,\qquad 0\le \varphi<2\pi $$
となる立体である。
したがって体積は
$$ \begin{aligned} \iiint_K dV &= \int_0^{2\pi}\int_{30^\circ}^{150^\circ}\int_0^1 r^2\sin\theta,dr,d\theta,d\varphi \end{aligned} $$
であり、
$$ \begin{aligned} \int_0^1 r^2,dr=\frac13,\qquad \int_{30^\circ}^{150^\circ}\sin\theta,d\theta &= -\cos150^\circ+\cos30^\circ \\ \sqrt3 \end{aligned} $$
より
$$ \begin{aligned} V(K)=2\pi\cdot \sqrt3\cdot \frac13 &= \frac{2\pi\sqrt3}{3} \end{aligned} $$
となる。
解説
(1) は、2つの半径 $1$ の球の交わりが円になることをそのまま使えばよい。そこから $x$ の範囲が出て、さらに $\cos\theta=x$ と結びつければ $\theta$ の範囲も直ちに求まる。
(2) の本質は、「点 $P$ が存在するための条件」を $Q$ の成分 $u,v$ を用いて式に直すことである。$PQ=1$ を展開すると $yu+zv=\dfrac12$ となり、これは $(y,z)$ と単位ベクトル $(u,v)$ の内積であるから、Cauchy-Schwarz で判定できる。そこから、許される方向が $30^\circ\le \theta\le 150^\circ$ に限られることが分かり、あとは球座標で体積を積分すればよい。
答え
(1)
点 $P$ の $x$ 座標の範囲は
$$ -\frac{\sqrt3}{2}\le x\le \frac{\sqrt3}{2} $$
であり、$\theta$ の範囲は
$$ 30^\circ\le \theta\le 150^\circ $$
である。
(2)
$$ K\text{ の体積}=\frac{2\pi\sqrt3}{3} $$
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