トップ 基礎問題 数学3 積分法 体積 問題 103

数学3 体積 問題 103 解説

数学3 体積 問題 103 解説

方針・初手

平面 $z=t$ で切ると,切り口は $xy$ 平面内で

$$ \frac{x^2+t^2}{2}\le y\le x+\frac12 $$

を満たす部分になる。したがって,まずこの不等式を満たす $x$ が存在する条件を調べれば (1) が求まる。

さらに,切り口の面積は「上の直線 $y=x+\frac12$ と下の放物線 $y=\frac{x^2+t^2}{2}$ の差」を $x$ について積分すればよい。最後にそれを $t$ について積分すれば体積が出る。

解法1

(1) 平面 $z=t$ による切り口が空集合でない条件を求める。

$z=t$ とすると,$K$ の切り口は

$$ \frac{x^2+t^2}{2}\le y\le x+\frac12 $$

を満たす点全体である。したがって,この切り口が空集合でないためには,ある実数 $x$ について

$$ \frac{x^2+t^2}{2}\le x+\frac12 $$

が成り立てばよい。

これを整理すると

$$ x^2+t^2\le 2x+1 $$

すなわち

$$ (x-1)^2+t^2\le 2 $$

となる。

ここで,ある $x$ が存在してこの不等式を満たすための必要十分条件は

$$ t^2\le 2 $$

である。よって

$$ -\sqrt2\le t\le \sqrt2 $$

である。

(2) 切り口の面積 $S(t)$ を求める。

(1) より,$-\sqrt2\le t\le \sqrt2$ のとき切り口は空でない。このとき $x$ の範囲は

$$ (x-1)^2\le 2-t^2 $$

より

$$ 1-\sqrt{2-t^2}\le x\le 1+\sqrt{2-t^2} $$

である。

したがって,切り口の面積 $S(t)$ は

$$ S(t)=\int_{,1-\sqrt{2-t^2}}^{,1+\sqrt{2-t^2}} \left\{\left(x+\frac12\right)-\frac{x^2+t^2}{2}\right\},dx $$

である。

ここで

$$ u=x-1 $$

とおくと,積分区間は $-\sqrt{2-t^2}\le u\le \sqrt{2-t^2}$ となり,被積分関数は

$$ x+\frac12-\frac{x^2+t^2}{2} =(u+1)+\frac12-\frac{(u+1)^2+t^2}{2} =\frac{2-t^2-u^2}{2} $$

と変形できる。よって

$$ S(t)=\int_{-\sqrt{2-t^2}}^{\sqrt{2-t^2}}\frac{2-t^2-u^2}{2},du $$

となる。

$a=\sqrt{2-t^2}$ とおくと

$$ S(t)=\int_{-a}^{a}\frac{a^2-u^2}{2},du =\frac12\left[a^2u-\frac{u^3}{3}\right]_{-a}^{a} =\frac{2}{3}a^3 $$

であるから,

$$ S(t)=\frac{2}{3}(2-t^2)^{3/2} \qquad (-\sqrt2\le t\le \sqrt2) $$

となる。

切り口が空集合となる範囲では面積は $0$ であるから,まとめると

$$ S(t)= \begin{cases} \displaystyle \frac{2}{3}(2-t^2)^{3/2} & (-\sqrt2\le t\le \sqrt2),\\[1ex] 0 & (\text{それ以外}) \end{cases} $$

である。

(3)

$K$ の体積を求める。

体積 $V$ は切り口の面積を $t$ について積分して

$$ V=\int_{-\sqrt2}^{\sqrt2}S(t),dt =\frac23\int_{-\sqrt2}^{\sqrt2}(2-t^2)^{3/2},dt $$

となる。

ここで

$$ t=\sqrt2\sin\theta \qquad \left(-\frac{\pi}{2}\le \theta\le \frac{\pi}{2}\right) $$

とおくと,

$$ dt=\sqrt2\cos\theta,d\theta, \qquad (2-t^2)^{3/2}=(2\cos^2\theta)^{3/2}=2\sqrt2\cos^3\theta $$

であるから

$$ V=\frac23\int_{-\pi/2}^{\pi/2}4\cos^4\theta,d\theta =\frac83\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\cos^4\theta,d\theta $$

を得る。

さらに

$$ \cos^4\theta=\frac{3+4\cos2\theta+\cos4\theta}{8} $$

より

$$ \int_{-\pi/2}^{\pi/2}\cos^4\theta,d\theta=\frac{3\pi}{8} $$

である。したがって

$$ V=\frac83\cdot \frac{3\pi}{8}=\pi $$

となる。

解説

この問題の本質は,立体をそのまま扱うのではなく,平面 $z=t$ で切った断面を考えることである。すると三次元の問題が,直線と放物線に挟まれた二次元の面積問題に落ちる。

まず

$$ \frac{x^2+t^2}{2}\le x+\frac12 $$

$$ (x-1)^2+t^2\le 2 $$

と変形するのが重要である。これにより,切り口が存在する $t$ の範囲も,$x$ の積分区間も同時に読み取れる。

また,面積計算では $u=x-1$ と平行移動すると,被積分関数が

$$ \frac{2-t^2-u^2}{2} $$

という対称な形になり,計算が大きく簡単になる。この対称性を使えるかどうかが処理の分かれ目である。

答え

(1)

切り口が空集合でないのは

$$ -\sqrt2\le t\le \sqrt2 $$

のときである。

(2)

切り口の面積は

$$ S(t)= \begin{cases} \displaystyle \frac{2}{3}(2-t^2)^{3/2} & (-\sqrt2\le t\le \sqrt2),\\[1ex] 0 & (\text{それ以外}) \end{cases} $$

である。

(3)

$K$ の体積は

$$ \pi $$

である。

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