数学3 体積 問題 114 解説

方針・初手
まず、$K$ を回転してできる $K_x,\ K_y$ の形を式で表す。 $K$ は平面 $z=0$ 上の正方形
$$ 0\le x\le 1,\quad 0\le y\le 1 $$
であるから、これを $x$ 軸のまわりに回転すると、$x$ 軸方向に長さ $1$、半径 $1$ の円柱になる。 同様に、$y$ 軸のまわりに回転すると、$y$ 軸方向に長さ $1$、半径 $1$ の円柱になる。
したがって
$$ K_x={(x,y,z)\mid 0\le x\le 1,\ y^2+z^2\le 1}, $$
$$ K_y={(x,y,z)\mid 0\le y\le 1,\ x^2+z^2\le 1} $$
と表せる。
(2), (3) では平面 $z=t$ で切った断面を考えるのが自然である。 最後に断面積を $t$ について積分すれば体積が求まる。
解法1
(1) $K_x$ の体積
$K_x$ は半径 $1$、高さ $1$ の円柱であるから、その体積は
$$ \pi\cdot 1^2\cdot 1=\pi $$
である。
(2) 平面 $z=t$ と $K_x$ の共有点、および断面積 $A(t)$
$K_x$ の条件は
$$ 0\le x\le 1,\quad y^2+z^2\le 1 $$
である。
平面 $z=t$ 上では
$$ y^2+t^2\le 1 $$
となるので、共有点をもつための条件は
$$ t^2\le 1 $$
すなわち
$$ -1\le t\le 1 $$
である。
このとき、$y$ の範囲は
$$ -\sqrt{1-t^2}\le y\le \sqrt{1-t^2} $$
であり、$x$ は常に
$$ 0\le x\le 1 $$
である。よって断面は、$x$ 方向の長さが $1$、$y$ 方向の長さが $2\sqrt{1-t^2}$ の長方形であるから
$$ A(t)=2\sqrt{1-t^2} $$
である。
(3) 平面 $z=t$ と $L$ の共有点、および断面積 $B(t)$
$L=K_x\cap K_y$ であるから、平面 $z=t$ 上の点 $(x,y,t)$ が $L$ に属するための条件は
$$ 0\le x\le 1,\quad y^2+t^2\le 1, $$
$$ 0\le y\le 1,\quad x^2+t^2\le 1 $$
の両方を満たすことである。
したがって、まず共有点をもつ条件は
$$ t^2\le 1 $$
すなわち
$$ -1\le t\le 1 $$
である。
このとき
$$ x^2+t^2\le 1,\quad 0\le x\le 1 $$
より
$$ 0\le x\le \sqrt{1-t^2}, $$
同様に
$$ 0\le y\le \sqrt{1-t^2} $$
となる。よって断面は、$xy$ 平面内の第1象限にある一辺 $\sqrt{1-t^2}$ の正方形である。
したがって断面積は
$$ B(t)=\left(\sqrt{1-t^2}\right)^2=1-t^2 $$
である。
(4) $L$ の体積
(3) で求めた断面積を積分すればよい。
$$ \operatorname{Vol}(L)=\int_{-1}^{1}B(t),dt =\int_{-1}^{1}(1-t^2),dt $$
$$ =\left[t-\frac{t^3}{3}\right]_{-1}^{1} =\left(1-\frac13\right)-\left(-1+\frac13\right) =\frac43 $$
したがって
$$ \operatorname{Vol}(L)=\frac43 $$
である。
(5) $M$ の体積
$M$ は $K_x$ と $K_y$ の和集合であるから、包除原理より
$$ \operatorname{Vol}(M) =\operatorname{Vol}(K_x)+\operatorname{Vol}(K_y)-\operatorname{Vol}(L) $$
である。
$K_x,\ K_y$ は対称性から同体積であり、(1) より
$$ \operatorname{Vol}(K_x)=\operatorname{Vol}(K_y)=\pi $$
だから
$$ \operatorname{Vol}(M)=\pi+\pi-\frac43=2\pi-\frac43 $$
となる。
解説
この問題の本質は、回転体を図形として眺めるだけで終わらせず、座標条件で正確に書き下すことである。
$K_x$ は
$$ 0\le x\le 1,\quad y^2+z^2\le 1 $$
で表される円柱、$K_y$ は
$$ 0\le y\le 1,\quad x^2+z^2\le 1 $$
で表される円柱である。ここまで整理できれば、平面 $z=t$ で切った断面は簡単に求まる。
特に $L=K_x\cap K_y$ では、$x\ge 0,\ y\ge 0$ が効いているため、断面が円ではなく第1象限の正方形になる点が重要である。ここを見落として断面積を誤ると、その後の体積もすべて崩れる。
答え
(1)
$$ \operatorname{Vol}(K_x)=\pi $$
(2)
平面 $z=t$ が $K_x$ と共有点をもつのは
$$ -1\le t\le 1 $$
のときであり、そのときの断面積は
$$ A(t)=2\sqrt{1-t^2} $$
である。
(3)
平面 $z=t$ が $L$ と共有点をもつのは
$$ -1\le t\le 1 $$
のときであり、そのときの断面積は
$$ B(t)=1-t^2 $$
である。
(4)
$$ \operatorname{Vol}(L)=\frac43 $$
(5)
$$ \operatorname{Vol}(M)=2\pi-\frac43 $$
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