数学3 体積 問題 116 解説

方針・初手
まず $f(x)=\dfrac{e^x-1}{x}$ を微分し,$f'(x)$ の符号を調べる。
(1) では,分子を別の関数として置いて増減を見ると,$f'(x)>0$ が素直に示せる。
(2) では,(1) により $f(x)$ が単調増加であることを使う。すると
$$ f(2)=\frac{e^2-1}{2},\qquad f(3)=\frac{e^3-1}{3} $$
であるから,指定された2直線はそれぞれ曲線 $y=f(x)$ と $x=2,3$ の位置で交わる。回転体の体積は $y$ で積分するよりも,$y=f(x)$ を用いて $x$ で置換して計算するのがよい。
解法1
(1) $x>0$ のとき $f'(x)>0$ を示す
$$ f(x)=\frac{e^x-1}{x} $$
より,商の微分法を用いると
$$ f'(x)=\frac{xe^x-(e^x-1)}{x^2} =\frac{(x-1)e^x+1}{x^2} $$
となる。
ここで
$$ g(x)=(x-1)e^x+1 $$
とおくと,
$$ g'(x)=xe^x $$
である。$x>0$ では $e^x>0$ であるから
$$ g'(x)=xe^x>0 $$
となり,$g(x)$ は $x>0$ で増加する。
さらに
$$ g(0)=(-1)e^0+1=0 $$
であるから,$x>0$ では
$$ g(x)>g(0)=0 $$
が成り立つ。
したがって,$x>0$ では分母 $x^2>0$ でもあるので,
$$ f'(x)=\frac{g(x)}{x^2}>0 $$
となる。よって,$x>0$ のとき $f'(x)>0$ である。
(2) 回転体の体積を求める
(1) より,$f(x)$ は $x>0$ で単調増加する。
また
$$ f(2)=\frac{e^2-1}{2},\qquad f(3)=\frac{e^3-1}{3} $$
であるから,直線
$$ y=\frac{e^2-1}{2},\qquad y=\frac{e^3-1}{3} $$
はそれぞれ曲線 $y=f(x)$ と $x=2,3$ に対応する。
したがって,求める部分は,$y$ の値が $f(2)$ から $f(3)$ まで動くとき,$x=0$ から $x=f^{-1}(y)$ までの部分である。これを $y$ 軸のまわりに回転すると,半径 $f^{-1}(y)$ の円板ができるので,体積 $V$ は
$$ V=\pi\int_{f(2)}^{f(3)} \left(f^{-1}(y)\right)^2,dy $$
である。
ここで $y=f(x)$ とおくと
$$ dy=f'(x),dx $$
であり,$y=f(2)$ のとき $x=2$,$y=f(3)$ のとき $x=3$ だから,
$$ V=\pi\int_2^3 x^2 f'(x),dx $$
となる。
先ほど求めた
$$ f'(x)=\frac{(x-1)e^x+1}{x^2} $$
を代入すると,
$$ x^2f'(x)=(x-1)e^x+1 $$
ゆえに
$$ V=\pi\int_2^3 \left((x-1)e^x+1\right),dx $$
を得る。
ここで
$$ \frac{d}{dx}\left((x-2)e^x\right)=(x-1)e^x $$
であるから,
$$ V=\pi\left[(x-2)e^x+x\right]_2^3 $$
となる。よって,
$$ V=\pi\left\{(3-2)e^3+3-\left((2-2)e^2+2\right)\right\} =\pi(e^3+1) $$
である。
解説
この問題の要点は,まず $f'(x)$ の分子
$$ (x-1)e^x+1 $$
の符号判定を,さらにその導関数 $xe^x$ の符号に落とすことである。直接不等式処理をするより見通しがよい。
体積については,回転軸が $y$ 軸であり,領域が $y$ 軸と曲線にはさまれているので,円板法で
$$ V=\pi\int x^2,dy $$
と考えるのが自然である。ただし $x$ を $y$ の関数として明示しにくいので,$y=f(x)$ による置換
$$ dy=f'(x),dx $$
を使うと計算が簡潔になる。
答え
(1)
$$ f'(x)=\frac{(x-1)e^x+1}{x^2}>0\qquad (x>0) $$
(2)
回転体の体積は
$$ \pi(e^3+1) $$
である。
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





