数学3 定積分・面積 問題 81 解説

方針・初手
(1) 関数を微分し、導関数の符号を調べて増減表を作成する。無理関数の微分公式と積の微分公式を用いる。$f(-x) = f(x)$ より $y$ 軸対称(偶関数)であることを利用すると計算量を減らせる。
(2) $y \geqq 0$ であることから、定積分 $\int_{-3}^{3} y \,dx$ を計算する。$\sqrt{a^2-x^2}$ を含む積分であるため、$x = 3\sin\theta$ と置換積分を行う。偶関数の性質を利用し、積分区間を $0 \leqq x \leqq 3$ に限定して計算を簡略化する。
解法1
(1)
与えられた関数は $y = \frac{1}{3}(x^2+3)\sqrt{9-x^2}$ $(-3 \leqq x \leqq 3)$ である。
$x$ を $-x$ に置き換えても $y$ の値は変わらないため、この関数は偶関数であり、そのグラフは $y$ 軸に関して対称である。 したがって、$0 \leqq x \leqq 3$ の範囲で増減を調べる。
$0 < x < 3$ において、$y$ を $x$ で微分すると、
$$y' = \frac{1}{3} \left\{ 2x \sqrt{9-x^2} + (x^2+3) \cdot \frac{-x}{\sqrt{9-x^2}} \right\}$$
$$= \frac{1}{3\sqrt{9-x^2}} \left\{ 2x(9-x^2) - x(x^2+3) \right\}$$
$$= \frac{x}{3\sqrt{9-x^2}} \left( 18 - 2x^2 - x^2 - 3 \right)$$
$$= \frac{x(15 - 3x^2)}{3\sqrt{9-x^2}}$$
$$= \frac{x(5-x^2)}{\sqrt{9-x^2}}$$
$y' = 0$ となるのは、$0 < x < 3$ より $x = \sqrt{5}$ のときである。
$x = \sqrt{5}$ のとき、
$$y = \frac{1}{3}(5+3)\sqrt{9-5} = \frac{8}{3} \cdot 2 = \frac{16}{3}$$
$x = 0$ のとき、
$$y = \frac{1}{3}(0+3)\sqrt{9-0} = 3$$
$x = 3$ のとき、$y = 0$ である。
対称性を考慮すると、$-3 \leqq x \leqq 3$ における増減表は次のようになる。
| $x$ | $-3$ | $\cdots$ | $-\sqrt{5}$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\sqrt{5}$ | $\cdots$ | $3$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $y'$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ | ||
| $y$ | $0$ | $\nearrow$ | $\frac{16}{3}$ | $\searrow$ | $3$ | $\nearrow$ | $\frac{16}{3}$ | $\searrow$ | $0$ |
以上より、極大値は $\frac{16}{3}$ ($x = \pm\sqrt{5}$ のとき)、極小値は $3$ ($x=0$ のとき) となる。 概形は、点 $(0, 3)$ で極小、点 $(\pm\sqrt{5}, \frac{16}{3})$ で極大となり、両端点 $(\pm3, 0)$ を結ぶ、$y$ 軸対称なM字型の曲線となる。(図示は省略)
(2)
$-3 \leqq x \leqq 3$ において $y \geqq 0$ であり、$y$ は偶関数であるから、求める面積を $S$ とすると、
$$S = \int_{-3}^{3} \frac{x^2+3}{3}\sqrt{9-x^2} \,dx = 2 \int_{0}^{3} \frac{x^2+3}{3}\sqrt{9-x^2} \,dx$$
ここで、$x = 3\sin\theta$ とおく。 $x$ が $0$ から $3$ まで変化するとき、$\theta$ は $0$ から $\frac{\pi}{2}$ まで変化する。 また、$\frac{dx}{d\theta} = 3\cos\theta$ より $dx = 3\cos\theta \,d\theta$ である。 $0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ において $\cos\theta \geqq 0$ であるから、
$$\sqrt{9-x^2} = \sqrt{9-9\sin^2\theta} = \sqrt{9\cos^2\theta} = 3\cos\theta$$
これらを定積分の式に代入すると、
$$S = 2 \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{9\sin^2\theta+3}{3} \cdot 3\cos\theta \cdot 3\cos\theta \,d\theta$$
$$= 2 \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} (3\sin^2\theta+1) \cdot 9\cos^2\theta \,d\theta$$
$$= 18 \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} (3\sin^2\theta\cos^2\theta + \cos^2\theta) \,d\theta$$
ここで、半角の公式および2倍角の公式より、
$$3\sin^2\theta\cos^2\theta = \frac{3}{4}(2\sin\theta\cos\theta)^2 = \frac{3}{4}\sin^2 2\theta = \frac{3}{4} \cdot \frac{1-\cos 4\theta}{2} = \frac{3}{8}(1-\cos 4\theta)$$
$$\cos^2\theta = \frac{1+\cos 2\theta}{2}$$
したがって、被積分関数は、
$$3\sin^2\theta\cos^2\theta + \cos^2\theta = \frac{3}{8}(1-\cos 4\theta) + \frac{1}{2}(1+\cos 2\theta) = \frac{7}{8} + \frac{1}{2}\cos 2\theta - \frac{3}{8}\cos 4\theta$$
よって、面積 $S$ は、
$$S = 18 \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \left( \frac{7}{8} + \frac{1}{2}\cos 2\theta - \frac{3}{8}\cos 4\theta \right) \,d\theta$$
$$= 18 \left[ \frac{7}{8}\theta + \frac{1}{4}\sin 2\theta - \frac{3}{32}\sin 4\theta \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}}$$
$$= 18 \left( \frac{7}{8} \cdot \frac{\pi}{2} \right) = 18 \cdot \frac{7\pi}{16} = \frac{63\pi}{8}$$
解説
微積分における基本的な計算力を問う標準的な問題である。
(1) では、関数の対称性(偶関数・奇関数)に気づくことで、微分や増減表の作成にかかる手間を半減させることができる。無理関数の微分は計算ミスが起こりやすいため、括り出しなどを丁寧に行い、因数分解された形に整理することが重要である。
(2) では、$\sqrt{a^2-x^2}$ を含む定積分であるため、$x = a\sin\theta$ の置換を行う典型的な手法を用いる。置換後の三角関数の積分においては、次数を下げる(半角の公式や2倍角の公式の逆)という定石に従って計算を進める。
答え
(1)
増減表は解答の通り。
極大値: $\frac{16}{3}$ ($x = \pm\sqrt{5}$ のとき)
極小値: $3$ ($x = 0$ のとき)
概形: 点 $(0, 3)$ で極小、点 $(\pm\sqrt{5}, \frac{16}{3})$ で極大となり、両端点 $(\pm3, 0)$ を結ぶ、$y$ 軸対称なM字型の曲線。
(2)
$\frac{63\pi}{8}$
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