トップ 基礎問題 数学C 複素数平面 ド・モアブルの定理 問題 15

数学C ド・モアブルの定理 問題 15 解説

数学C ド・モアブルの定理 問題 15 解説

方針・初手

$x^5=1$ を満たし、実部と虚部がともに正であることから、

$$ x=\cos\frac{2\pi}{5}+i\sin\frac{2\pi}{5} $$

である。$w$ は正五角形の頂点に対応する複素数 $1,x,x^2,x^3,x^4$ のうち、表が出た位置だけを足したものと考える。

特に

$$ 1+x+x^2+x^3+x^4=0 $$

を使うと、選ばなかった項の和との関係も利用できる。

解法1

まず、$x\ne 1$ かつ $x^5=1$ であるから、等比数列の和より

$$ 1+x+x^2+x^3+x^4=\frac{x^5-1}{x-1}=0 $$

である。

(1)

5回とも表が出たときは、

$$ a_0=a_1=a_2=a_3=a_4=1 $$

であるから、

$$ w=1+x+x^2+x^3+x^4=0 $$

となる。

(2)

$a_0=a_2=a_3=0,\ a_1=a_4=1$ のとき、

$$ w=x+x^4 $$

である。

ここで $x=\cos\frac{2\pi}{5}+i\sin\frac{2\pi}{5}$ であり、$x^4=\overline{x}$ であるから、

$$ w=x+\overline{x}=2\cos\frac{2\pi}{5} $$

となる。

また、

$$ \frac{\pi}{3}<\frac{2\pi}{5}<\frac{\pi}{2} $$

であり、$0<\theta<\pi$ において $\cos\theta$ は単調減少するから、

$$ 0<\cos\frac{2\pi}{5}<\cos\frac{\pi}{3}=\frac12 $$

である。したがって、

$$ |w|=2\cos\frac{2\pi}{5}<1 $$

となる。

(3)

$w$ は、$1,x,x^2,x^3,x^4$ のうち表が出たものの和である。表の出た回数ごとに場合を分けて数える。

まず、表が $0$ 回のときは

$$ w=0 $$

であるから、$|w|<1$ を満たす。この場合は $1$ 通りである。

表が $5$ 回のときは、(1)より

$$ w=0 $$

であるから、これも $|w|<1$ を満たす。この場合も $1$ 通りである。

次に、表が $1$ 回のとき、$w$ は $1,x,x^2,x^3,x^4$ のいずれかであるから、

$$ |w|=1 $$

であり、$|w|<1$ を満たさない。

表が $4$ 回のときは、選ばれなかったものを $x^k$ とすると、

$$ w=1+x+x^2+x^3+x^4-x^k=-x^k $$

であるから、

$$ |w|=1 $$

となる。よって、これも $|w|<1$ を満たさない。

残るのは、表が $2$ 回または $3$ 回の場合である。

表が $2$ 回のとき、選ばれた2つを $x^p,x^q$ とする。$p\ne q$ として、

$$ |x^p+x^q|=|x^p(1+x^{q-p})|=|1+x^{q-p}| $$

である。

指数の差を $5$ で割った余りで考えると、2点が隣り合う場合と、隣り合わない場合に分かれる。

隣り合う2点を選ぶと、その中心角は $\frac{2\pi}{5}$ であるから、和の大きさは

$$ 2\cos\frac{\pi}{5} $$

である。ここで $\frac{\pi}{5}<\frac{\pi}{3}$ なので、

$$ 2\cos\frac{\pi}{5}>2\cos\frac{\pi}{3}=1 $$

となり、$|w|<1$ を満たさない。

一方、隣り合わない2点を選ぶと、その中心角は $\frac{4\pi}{5}$ であるから、和の大きさは

$$ 2\cos\frac{2\pi}{5} $$

である。これは (2) と同様に $1$ より小さい。

したがって、表が $2$ 回のときに $|w|<1$ を満たすのは、正五角形の隣り合わない2頂点を選ぶ場合である。そのような組は対角線の本数に等しく、$5$ 通りである。

表が $3$ 回のときは、選ばれなかった2つの項の和を $u$ とすると、

$$ w+u=1+x+x^2+x^3+x^4=0 $$

より、

$$ w=-u $$

である。したがって、

$$ |w|=|u| $$

となる。

よって、表が $3$ 回のときに $|w|<1$ となるのは、選ばれなかった2点が隣り合わない場合である。そのような選び方も $5$ 通りである。

以上より、$|w|<1$ となる場合の数は

$$ 1+5+5+1=12 $$

である。

全事象は硬貨を5回投げるので、

$$ 2^5=32 $$

通りである。よって、求める確率は

$$ \frac{12}{32}=\frac{3}{8} $$

である。

解説

この問題の中心は、$1,x,x^2,x^3,x^4$ を正五角形の頂点と見ることである。$x$ は偏角 $\frac{2\pi}{5}$ の5乗根であり、5つの点は原点を中心とする単位円上に等間隔に並ぶ。

(3)では、表が出た回数で分けると整理しやすい。特に、全体の和が $0$ であるため、3個選ぶ場合は「選ばなかった2個」の和に置き換えられる。この補集合の考え方を使うことで、2個選ぶ場合だけを丁寧に調べればよい。

2個の単位複素数の和の大きさは、2点のなす中心角で決まる。隣り合う2点では和が長くなり、隣り合わない2点では和が短くなる。この幾何的判断が最も重要である。

答え

(1)

$$ w=0 $$

(2)

$$ |w|<1 $$

(3)

$$ \frac{3}{8} $$

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