数学C 平面ベクトル 問題 15 解説

方針・初手
円は辺 $AB$ と、辺 $CA,CB$ のそれぞれ $A,B$ 方向への延長に接しているので、中心 $K$ は三角形 $ABC$ の $C$ 傍心である。
傍心の位置ベクトルは、符号付き面積を用いた重心係数で表すのが早い。ここでは $K$ が辺 $AB$ に関して頂点 $C$ と反対側にあるため、$C$ に対応する係数だけが負になる。
解法1
任意の点 $P$ について、符号付き面積を用いると
$$ \vec{OP} = \frac{[PBC]\vec{OA}+[PCA]\vec{OB}+[PAB]\vec{OC}} {[PBC]+[PCA]+[PAB]} $$
が成り立つ。ここで、$[XYZ]$ は符号付き面積であり、三角形 $ABC$ の内部の点に対して三つの係数がすべて正になるように符号をとる。
円の半径を $r$ とする。中心 $K$ から直線 $BC,CA,AB$ までの距離はいずれも $r$ である。
また、$K$ は直線 $BC$ に関して頂点 $A$ と同じ側、直線 $CA$ に関して頂点 $B$ と同じ側、直線 $AB$ に関して頂点 $C$ と反対側にある。したがって
$$ [KBC]=\frac{1}{2}ar,\qquad [KCA]=\frac{1}{2}br,\qquad [KAB]=-\frac{1}{2}cr $$
である。
よって
$$ \begin{aligned} \vec{OK} &= \frac{\frac{1}{2}ar\vec{OA}+\frac{1}{2}br\vec{OB}-\frac{1}{2}cr\vec{OC}} {\frac{1}{2}ar+\frac{1}{2}br-\frac{1}{2}cr}\\[4pt] &= \frac{a\vec{OA}+b\vec{OB}-c\vec{OC}}{a+b-c} \end{aligned} $$
となる。三角不等式より $a+b-c>0$ である。
ここで、$\vec{OA}=\vec{\alpha}$、$\vec{OB}=\vec{\beta}$、$\vec{OC}=\vec{\gamma}$ とすれば
$$ \vec{OK} = \frac{a\vec{\alpha}+b\vec{\beta}-c\vec{\gamma}}{a+b-c} $$
である。
次に、$\vec{AK}=\vec{OK}-\vec{OA}$ より
$$ \begin{aligned} \vec{AK} &= \frac{a\vec{OA}+b\vec{OB}-c\vec{OC}}{a+b-c}-\vec{OA}\\[4pt] &= \frac{a\vec{OA}+b\vec{OB}-c\vec{OC}-(a+b-c)\vec{OA}}{a+b-c}\\[4pt] &= \frac{b(\vec{OB}-\vec{OA})-c(\vec{OC}-\vec{OA})}{a+b-c}\\[4pt] &= \frac{b\vec{AB}-c\vec{AC}}{a+b-c} \end{aligned} $$
である。
解説
この問題の中心は、接円の中心 $K$ がどの傍心であるかを見抜くことである。
通常の内心なら係数はすべて正で
$$ a:b:c $$
となるが、この円は辺 $AB$ に接し、辺 $CA,CB$ の延長に接しているため、$K$ は $C$ 傍心である。そのため符号付き重心係数は
$$ a:b:-c $$
となる。
この符号の違いを見落とすと、内心の公式
$$ \frac{a\vec{OA}+b\vec{OB}+c\vec{OC}}{a+b+c} $$
を誤用してしまう。延長上に接する条件は、係数の符号を決めるための重要な情報である。
答え
(1)
$$ \boxed{ \vec{AK} = \frac{b\vec{AB}-c\vec{AC}}{a+b-c} } $$
(2)
$$ \boxed{ \vec{OK} = \frac{a\vec{\alpha}+b\vec{\beta}-c\vec{\gamma}}{a+b-c} } $$
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