数学C 平面ベクトル 問題 56 解説

方針・初手
垂直二等分線上の点は、線分の両端から等距離にある。したがって、$P$ が辺 $AB$ の垂直二等分線上にあることから $PA=PB$、辺 $AC$ の垂直二等分線上にあることから $PA=PC$ が成り立つ。
これをベクトルの長さの等式に直し、内積 $\vec{b}\cdot\vec{p}$、$\vec{c}\cdot\vec{p}$ を求める。
解法1
$\vec{AB}=\vec{b}$、$\vec{AC}=\vec{c}$、$\vec{AP}=\vec{p}$ であるから、
$$ \vec{BP}=\vec{p}-\vec{b},\qquad \vec{CP}=\vec{p}-\vec{c} $$
である。
まず、$P$ は辺 $AB$ の垂直二等分線上にあるので、$PA=PB$ である。よって、
$$ |\vec{p}|=|\vec{p}-\vec{b}| $$
であり、両辺を2乗して
$$ |\vec{p}|^2=|\vec{p}-\vec{b}|^2 $$
となる。右辺を展開すると、
$$ |\vec{p}-\vec{b}|^2 =|\vec{p}|^2-2\vec{b}\cdot\vec{p}+|\vec{b}|^2 $$
であるから、
$$ |\vec{p}|^2=|\vec{p}|^2-2\vec{b}\cdot\vec{p}+|\vec{b}|^2 $$
となる。したがって、
$$ 2\vec{b}\cdot\vec{p}=|\vec{b}|^2 $$
である。$|\vec{b}|=2$ より、
$$ \vec{b}\cdot\vec{p}=\frac{|\vec{b}|^2}{2}=\frac{4}{2}=2 $$
である。
同様に、$P$ は辺 $AC$ の垂直二等分線上にあるので、$PA=PC$ である。よって、
$$ |\vec{p}|=|\vec{p}-\vec{c}| $$
より、
$$ |\vec{p}|^2=|\vec{p}-\vec{c}|^2 $$
である。これを展開すると、
$$ |\vec{p}|^2=|\vec{p}|^2-2\vec{c}\cdot\vec{p}+|\vec{c}|^2 $$
となるから、
$$ 2\vec{c}\cdot\vec{p}=|\vec{c}|^2 $$
である。$|\vec{c}|=5$ より、
$$ \vec{c}\cdot\vec{p}=\frac{|\vec{c}|^2}{2}=\frac{25}{2} $$
である。
次に、
$$ \vec{p}=s\vec{b}+t\vec{c} $$
とおく。両辺に $\vec{b}$ との内積をとると、
$$ \vec{b}\cdot\vec{p} =s|\vec{b}|^2+t\vec{b}\cdot\vec{c} $$
である。$|\vec{b}|^2=4$、$\vec{b}\cdot\vec{c}=8$、$\vec{b}\cdot\vec{p}=2$ より、
$$ 4s+8t=2 $$
を得る。
また、両辺に $\vec{c}$ との内積をとると、
$$ \vec{c}\cdot\vec{p} =s\vec{b}\cdot\vec{c}+t|\vec{c}|^2 $$
である。$\vec{b}\cdot\vec{c}=8$、$|\vec{c}|^2=25$、$\vec{c}\cdot\vec{p}=\dfrac{25}{2}$ より、
$$ 8s+25t=\frac{25}{2} $$
を得る。
したがって、$s,t$ は連立方程式
$$ \begin{cases} 4s+8t=2,\\ 8s+25t=\dfrac{25}{2} \end{cases} $$
を満たす。
第1式を $4$ で割ると、
$$ s+2t=\frac{1}{2} $$
より、
$$ s=\frac{1}{2}-2t $$
である。これを第2式に代入すると、
$$ 8\left(\frac{1}{2}-2t\right)+25t=\frac{25}{2} $$
であるから、
$$ 4-16t+25t=\frac{25}{2} $$
となる。よって、
$$ 9t=\frac{25}{2}-4=\frac{17}{2} $$
であり、
$$ t=\frac{17}{18} $$
である。したがって、
$$ s=\frac{1}{2}-2\cdot\frac{17}{18} =\frac{9}{18}-\frac{34}{18} =-\frac{25}{18} $$
である。
解説
垂直二等分線の条件は「垂直」そのものを使うよりも、「両端から等距離」という性質を使う方が内積に直しやすい。
特に、
$$ |\vec{p}|^2=|\vec{p}-\vec{b}|^2 $$
から
$$ \vec{b}\cdot\vec{p}=\frac{|\vec{b}|^2}{2} $$
が出る流れは典型である。同じ処理を $\vec{c}$ に対して行えば、$\vec{c}\cdot\vec{p}$ も求まる。
その後は、$\vec{p}=s\vec{b}+t\vec{c}$ とおいて、$\vec{b}$、$\vec{c}$ との内積をそれぞれ取れば、$s,t$ に関する連立一次方程式に帰着する。
答え
$$ \vec{b}\cdot\vec{p}=2 $$
$$ \vec{c}\cdot\vec{p}=\frac{25}{2} $$
$$ s=-\frac{25}{18},\qquad t=\frac{17}{18} $$
したがって、
$$ (\text{オ})=2,\qquad (\text{カ})=\frac{25}{2},\qquad (\text{キ})=-\frac{25}{18},\qquad (\text{ク})=\frac{17}{18} $$
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