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北海道大学 1971年 文系 第1問 解説

数学1/方程式不等式数学1/命題と集合テーマ/不等式の証明テーマ/場合分け
北海道大学 1971年 文系 第1問 解説

方針・初手

$a>0$ の条件に注意して、それぞれの不等式を解き、$x$ の範囲(区間)を $a$ を用いて表す。(1) では $a$ の値によって区間の位置関係が変わるため、端点の大小関係で場合分けを行って和集合を求める。(2) では、(1) で求めた和集合の区間に不等式③の解の区間がすっぽりと含まれるような $a$ の条件を、(1) の場合分けごとに考える。

解法1

$a>0$ であることに注意して、不等式①〜③をそれぞれ解く。

① $x(3x-a) < 0$ より

$$x \left( x - \frac{a}{3} \right) < 0$$

$a>0$ より $0 < \frac{a}{3}$ であるから、不等式①の解は

$$0 < x < \frac{a}{3} \quad \cdots \text{①}'$$

② $(x-1)(x-2) < 0$ より、不等式②の解は

$$1 < x < 2 \quad \cdots \text{②}'$$

③ $x(9x-a^2) < 0$ より

$$x \left( x - \frac{a^2}{9} \right) < 0$$

$a>0$ より $0 < \frac{a^2}{9}$ であるから、不等式③の解は

$$0 < x < \frac{a^2}{9} \quad \cdots \text{③}'$$

(1) 求める範囲は、① $'$ または ② $'$ を満たす $x$ の範囲である。$\frac{a}{3}$ と $1, 2$ の大小関係によって、和集合の形が変わるため場合分けをする。

(i) $\frac{a}{3} \leqq 1$ すなわち $0 < a \leqq 3$ のとき $0 < x < \frac{a}{3}$ と $1 < x < 2$ の共通部分はない。 よって、求める範囲は

$$0 < x < \frac{a}{3} \quad \text{または} \quad 1 < x < 2$$

(ii) $1 < \frac{a}{3} \leqq 2$ すなわち $3 < a \leqq 6$ のとき $0 < x < \frac{a}{3}$ と $1 < x < 2$ の区間は一部が重なるか、端点が接するため、合わさって1つの区間になる。右端は大きい方の $2$ となるので、求める範囲は

$$0 < x < 2$$

(iii) $\frac{a}{3} > 2$ すなわち $a > 6$ のとき 区間 $1 < x < 2$ は区間 $0 < x < \frac{a}{3}$ に完全に含まれる。 よって、求める範囲は

$$0 < x < \frac{a}{3}$$

(2) 「③を成立させるすべての $x$ について①または②が成立する」とは、③ $'$ の区間が、(1) で求めた和集合の区間に含まれるということである。 これを満たす $a$ の範囲を、(1) の場合分けに従って求める。

(i) $0 < a \leqq 3$ のとき ①または②が成立する範囲は $0 < x < \frac{a}{3}$ または $1 < x < 2$ である。 区間 $0 < x < \frac{a^2}{9}$ は $0$ を左端とするひと繋がりの区間であるため、これが上の範囲に含まれるためには、左側の区間 $0 < x < \frac{a}{3}$ の中に完全に収まらなければならない。 したがって、右端の大小関係から

$$\frac{a^2}{9} \leqq \frac{a}{3}$$

$$a^2 - 3a \leqq 0$$

$$a(a - 3) \leqq 0$$

これを解いて $0 \leqq a \leqq 3$ を得る。場合分けの条件 $0 < a \leqq 3$ と合わせると

$$0 < a \leqq 3$$

(ii) $3 < a \leqq 6$ のとき ①または②が成立する範囲は $0 < x < 2$ である。 区間 $0 < x < \frac{a^2}{9}$ がこの範囲に含まれるための条件は

$$\frac{a^2}{9} \leqq 2$$

$$a^2 \leqq 18$$

$a > 0$ であるから $0 < a \leqq 3\sqrt{2}$ となる。場合分けの条件 $3 < a \leqq 6$ との共通範囲をとる。$\sqrt{16} < \sqrt{18} < \sqrt{25}$ より $4 < 3\sqrt{2} < 5$ であるから、共通範囲は

$$3 < a \leqq 3\sqrt{2}$$

(iii) $a > 6$ のとき ①または②が成立する範囲は $0 < x < \frac{a}{3}$ である。 区間 $0 < x < \frac{a^2}{9}$ がこの範囲に含まれるための条件は

$$\frac{a^2}{9} \leqq \frac{a}{3}$$

これを解くと $0 \leqq a \leqq 3$ となるが、これは場合分けの条件 $a > 6$ を満たさない。 よって、この場合には条件を満たす $a$ は存在しない。

以上、(i)(iii) より、求める $a$ の範囲は

$$0 < a \leqq 3 \quad \text{と} \quad 3 < a \leqq 3\sqrt{2}$$

を合わせた範囲となる。

解説

不等式を解いた後に現れる「区間の包含関係」を扱う典型問題である。 (1) の和集合を考える際、端点となる文字式 $\frac{a}{3}$ が動くことによって、固定された区間 $1 < x < 2$ との位置関係がどのように変化するかを丁寧に場合分けできるかがポイントである。 (2) においては、「すべての〜について…が成立する」という命題を「集合の包含関係(部分集合)」に読み替える視点が重要になる。区間が分離している場合に、連結した区間がそれに含まれるための条件は、分かれた区間のどちらか一方にすっぽりと収まることである点に注意したい。

答え

(1) $0 < a \leqq 3$ のとき、$0 < x < \frac{a}{3}$ または $1 < x < 2$ $3 < a \leqq 6$ のとき、$0 < x < 2$ $a > 6$ のとき、$0 < x < \frac{a}{3}$

(2) $$0 < a \leqq 3\sqrt{2}$$

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