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北海道大学 2003年 文系 第3問 解説

数学1/立体図形数学1/図形計量数学2/三角関数テーマ/空間図形
北海道大学 2003年 文系 第3問 解説

方針・初手

(1) は、頂点から底面に下ろした垂線の足を考え、高さを求めるのが定石である。底面が正三角形であり、側稜の長さがすべて等しいことから、垂線の足は底面の外接円の中心に一致する性質を利用する。

(2) は、$AE = x$ とおき、平面図形として各面の三角形に余弦定理を適用していく。$\triangle AEF$ と $\triangle PAE$ で線分 $EF$ と $PE$ の長さを $x$ で表し、最後に $\triangle PEF$ における余弦定理を用いて $x$ の方程式を立てる。

解法1

(1)

底面 $ABC$ は一辺の長さ $3$ の正三角形である。頂点 $P$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の足を $H$ とおく。

$PA = PB = PC = 2$ であり、$PH$ は共通であるから、直角三角形 $\triangle PAH$, $\triangle PBH$, $\triangle PCH$ はすべて合同である。 したがって、$AH = BH = CH$ となり、$H$ は正三角形 $ABC$ の外心(重心)である。

正三角形 $ABC$ の外接円の半径を $R$ とすると、正弦定理より、

$$ \frac{3}{\sin 60^\circ} = 2R $$

よって、

$$ R = \frac{3}{2 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}} = \sqrt{3} $$

ゆえに、$AH = \sqrt{3}$ である。

直角三角形 $\triangle PAH$ において三平方の定理より、四面体の高さ $PH$ は、

$$ PH = \sqrt{PA^2 - AH^2} = \sqrt{2^2 - (\sqrt{3})^2} = 1 $$

底面 $\triangle ABC$ の面積 $S$ は、

$$ S = \frac{1}{2} \cdot 3 \cdot 3 \cdot \sin 60^\circ = \frac{9\sqrt{3}}{4} $$

よって、求める四面体の体積 $V$ は、

$$ V = \frac{1}{3} S \cdot PH = \frac{1}{3} \cdot \frac{9\sqrt{3}}{4} \cdot 1 = \frac{3\sqrt{3}}{4} $$

(2)

$AE = AF = x$ とおく。点 $E, F$ はそれぞれ辺 $AB, AC$ 上の点であるから、$0 \le x \le 3$ である。

$\triangle AEF$ において、$\angle EAF = 60^\circ$ より余弦定理を用いると、

$$ EF^2 = x^2 + x^2 - 2 \cdot x \cdot x \cdot \cos 60^\circ = x^2 $$

次に $\triangle PAB$ に着目する。$PA = PB = 2$, $AB = 3$ であるから、余弦定理より、

$$ \cos \angle PAB = \frac{PA^2 + AB^2 - PB^2}{2 \cdot PA \cdot AB} = \frac{4 + 9 - 4}{2 \cdot 2 \cdot 3} = \frac{3}{4} $$

$\triangle PAE$ において、$\angle PAE = \angle PAB$ であるから、余弦定理より、

$$ PE^2 = PA^2 + AE^2 - 2 \cdot PA \cdot AE \cdot \cos \angle PAE = 4 + x^2 - 2 \cdot 2 \cdot x \cdot \frac{3}{4} = x^2 - 3x + 4 $$

対称性より、$AF = x$ のとき $PF^2$ も同様に計算され、$PF^2 = x^2 - 3x + 4$ となる。すなわち $PE = PF$ である。

$\triangle PEF$ において余弦定理より、

$$ \cos \angle EPF = \frac{PE^2 + PF^2 - EF^2}{2 \cdot PE \cdot PF} $$

問題の条件より $\cos \angle EPF = \frac{4}{5}$ であり、$PE = PF$ であるから、

$$ \frac{4}{5} = \frac{2PE^2 - EF^2}{2PE^2} = 1 - \frac{EF^2}{2PE^2} $$

整理すると、

$$ \frac{EF^2}{2PE^2} = \frac{1}{5} $$

$$ 5EF^2 = 2PE^2 $$

これに $EF^2 = x^2$ と $PE^2 = x^2 - 3x + 4$ を代入すると、

$$ 5x^2 = 2(x^2 - 3x + 4) $$

$$ 3x^2 + 6x - 8 = 0 $$

これを解くと、

$$ x = \frac{-3 \pm \sqrt{3^2 - 3 \cdot (-8)}}{3} = \frac{-3 \pm \sqrt{33}}{3} $$

ここで、$5 < \sqrt{33} < 6$ であるから、$\frac{-3 - \sqrt{33}}{3} < 0$、かつ $0 < \frac{-3 + \sqrt{33}}{3} < \frac{3}{3} = 1$ となる。 したがって、$x = \frac{-3 + \sqrt{33}}{3}$ は条件 $0 \le x \le 3$ を満たす。

よって、求める長さ $AE$ は、

$$ AE = \frac{-3 + \sqrt{33}}{3} $$

解説

空間図形における計量問題の基本を問う標準的な問題である。

(1) では「すべての側稜の長さが等しい錐の頂点から底面に下ろした垂線の足は、底面の多角形の外接円の中心と一致する」という重要な性質を利用している。この知識があると見通しが良くなるが、知らなくても直角三角形の合同から容易に導出できる。

(2) は、各面の三角形において余弦定理を繰り返し用いることで長さの関係式を導く。空間のまま考えるのではなく、必要な平面(三角形)を1つずつ取り出して処理していくことがポイントとなる。途中で導かれる方程式の解について、点が辺上にあることから定義域 $0 \le x \le 3$ に収まっているかの確認を忘れないようにしたい。

答え

(1)

$$ \frac{3\sqrt{3}}{4} $$

(2)

$$ AE = \frac{-3 + \sqrt{33}}{3} $$

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