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北海道大学 2024年 文系 第1問 解説

数学A/整数問題数学A/場合の数数学2/指数対数テーマ/整数の証明
北海道大学 2024年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1)は、素因数分解された形から正の約数の個数を求める基本公式を、具体的な素因数 $2, 3$ の場合について確認する問題である。各素因数の指数の選び方がそれぞれ何通りあるかを考える。

(2)は、まず $6912$ を素因数分解する。「$12$ で割り切れない」という条件を素因数の指数の条件に翻訳し、条件を満たす約数をすべて足し合わせるか、全体の約数の総和から「$12$ で割り切れる約数」の総和を引くことで求める。

解法1

(1)

自然数 $m, n$ に対して、$2^m \cdot 3^n$ の正の約数は、$a, b$ を整数として

$$ 2^a \cdot 3^b \quad (0 \le a \le m,\ 0 \le b \le n) $$

と一意に表すことができる。

$a$ のとり得る値は $0, 1, 2, \dots, m$ の $m+1$ 通りある。

$b$ のとり得る値は $0, 1, 2, \dots, n$ の $n+1$ 通りある。

これらは互いに独立に選べるので、正の約数の個数は

$$ (m+1)(n+1) $$

(2)

まず、$6912$ を素因数分解する。

$$ 6912 = 2^8 \cdot 3^3 $$

$6912$ の正の約数の総和 $S$ は、

$$ S = (1 + 2 + 2^2 + \dots + 2^8)(1 + 3 + 3^2 + 3^3) $$

等比数列の和の公式を用いて計算すると、

$$ S = \frac{2^9 - 1}{2 - 1} \cdot \frac{3^4 - 1}{3 - 1} = 511 \cdot 40 = 20440 $$

次に、$6912$ の正の約数のうち、$12$ で割り切れるものの総和 $S_{12}$ を求める。 $12 = 2^2 \cdot 3^1$ であるため、$6912$ の約数 $2^a \cdot 3^b$ が $12$ の倍数となる条件は、

$$ 2 \le a \le 8 \quad \text{かつ} \quad 1 \le b \le 3 $$

である。したがって、これらの約数の総和 $S_{12}$ は、

$$ S_{12} = (2^2 + 2^3 + \dots + 2^8)(3^1 + 3^2 + 3^3) $$

これを計算すると、

$$ S_{12} = (511 - 1 - 2)(40 - 1) = 508 \cdot 39 = 19812 $$

求める値は「$12$ で割り切れないものの総和」であるから、全体の総和 $S$ から $12$ の倍数であるものの総和 $S_{12}$ を引いて、

$$ S - S_{12} = 20440 - 19812 = 628 $$

解法2

(2)の別解として、条件を満たすものを直接足し合わせる。

$6912 = 2^8 \cdot 3^3$ の約数 $2^a \cdot 3^b$ ($0 \le a \le 8, 0 \le b \le 3$) が $12 = 2^2 \cdot 3^1$ で割り切れない条件は、「$a \le 1$ または $b = 0$」である。 これを満たす約数は、次の2つのグループに分けられる。

(i) $b = 0$ かつ $0 \le a \le 8$ を満たす約数

(ii) $1 \le b \le 3$ かつ $0 \le a \le 1$ を満たす約数

これら2つのグループに重複はないため、それぞれの総和を求めて足し合わせればよい。

(i) の約数の総和 $S_1$:

$$ S_1 = 1 + 2 + 2^2 + \dots + 2^8 = \frac{2^9 - 1}{2 - 1} = 511 $$

(ii) の約数の総和 $S_2$:

$$ S_2 = (2^0 + 2^1)(3^1 + 3^2 + 3^3) = (1 + 2)(3 + 9 + 27) = 3 \cdot 39 = 117 $$

したがって、求める総和は、

$$ S_1 + S_2 = 511 + 117 = 628 $$

解説

約数の個数や総和を求める基本公式の成り立ちを問う問題である。(1)のような具体的な素因数の場合の確認を通じて、条件が付加されても公式の原理(多項式の展開)に立ち返って処理できるかがポイントとなる。

(2)では、「〜でない」という否定の条件の処理が問われている。解法1のように補集合を考えて「全体から引く」アプローチは計算の見通しが立ちやすく、数え漏らしが起きにくい。解法2のように場合分けを用いて直接求めるアプローチも、条件の排反性を正確に整理できれば有効である。

答え

(1) $(m+1)(n+1)$ (2) $628$

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