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京都大学 1988年 文系 第1問 解説

数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
京都大学 1988年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1)は $x^2 = t$ とおき、$t$ の2次方程式に帰着させる。$x$ が実数であるとき $t \geqq 0$ となるため、「$t$ の2次方程式が $t \geqq 0$ の範囲に実数解をもたない」条件を考える。 (2)も同様に $t = x^2 \geqq 0$ における2次関数の最小値を考える。軸の位置($-a$)と定義域($t \geqq 0$)の位置関係により場合分けを行い、最小値 $m(a)$ を $a$ の式で表してから、その最大値を求める。

解法1

(1)

与えられた方程式 $x^4 + 2ax^2 - a + 2 = 0$ において、$x^2 = t$ とおく。 $x$ が実数であるための条件は $t \geqq 0$ である。 したがって、与えられた方程式が実数解をもたないための条件は、$t$ の2次方程式

$$ t^2 + 2at - a + 2 = 0 \quad \cdots (*) $$

が $t \geqq 0$ の範囲に実数解をもたないことである。

$f(t) = t^2 + 2at - a + 2$ とおき、$y = f(t)$ のグラフを考える。 方程式 $(*)$ が $t \geqq 0$ の範囲に解をもたないのは、次の2つのいずれかの場合である。

(i)

$(*)$ が実数解をもたない

(ii)

$(*)$ が実数解をもつが、それらがすべて負である

方程式 $(*)$ の判別式を $D$ とすると、

$$ \frac{D}{4} = a^2 - 1 \cdot (-a + 2) = a^2 + a - 2 = (a+2)(a-1) $$

である。

(i)の場合

$D < 0$ となればよいので、

$$ (a+2)(a-1) < 0 $$

$$ -2 < a < 1 $$

(ii)の場合

$f(t) = (t+a)^2 - a^2 - a + 2$ より、放物線 $y = f(t)$ の軸は直線 $t = -a$ である。 「実数解をもち、それらがすべて負」となる条件は、

$$ \begin{cases} D \geqq 0 \\ -a < 0 \\ f(0) > 0 \end{cases} $$

すなわち

$$ \begin{cases} (a+2)(a-1) \geqq 0 \\ a > 0 \\ -a + 2 > 0 \end{cases} $$

これらを解くと、

$$ \begin{cases} a \leqq -2, \quad 1 \leqq a \\ a > 0 \\ a < 2 \end{cases} $$

これらを同時にみたす $a$ の範囲は、

$$ 1 \leqq a < 2 $$

(i), (ii) より、求める $a$ の範囲は、これらの和集合をとって

$$ -2 < a < 2 $$

(2)

(1)の範囲 $-2 < a < 2$ において、$f(t) = t^2 + 2at - a + 2$ の $t \geqq 0$ における最小値を考える。 $y = f(t)$ の軸は $t = -a$ であるから、軸と定義域 $t \geqq 0$ の位置関係で場合分けをする。

(ア) 軸が定義域内にあるとき($-a \geqq 0$ すなわち $a \leqq 0$ のとき)

(1)の範囲と合わせて、$-2 < a \leqq 0$ のときである。 $t \geqq 0$ における $f(t)$ の最小値は頂点の $y$ 座標であるから、

$$ m(a) = f(-a) = -a^2 - a + 2 $$

これを平方完成すると、

$$ m(a) = -\left( a + \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{9}{4} $$

この範囲において、$m(a)$ は $a = -\frac{1}{2}$ のとき、最大値 $\frac{9}{4}$ をとる。

(イ) 軸が定義域外にあるとき($-a < 0$ すなわち $a > 0$ のとき)

(1)の範囲と合わせて、$0 < a < 2$ のときである。 $t \geqq 0$ において $f(t)$ は単調に増加するから、最小値は $t=0$ のときである。

$$ m(a) = f(0) = -a + 2 $$

この範囲において $m(a)$ は単調に減少し、$0 < a < 2$ であるから $0 < m(a) < 2$ となる。 したがって、最大値は存在しない。

(ア), (イ) より、$-2 < a < 2$ における $m(a)$ の最大値は $\frac{9}{4}$ である。

解説

$x^2 = t$ とおき換えて2次方程式・2次関数の問題に帰着させる、標準的な典型問題である。 (1)では、おき換えた後の変数 $t$ の変域が $t \geqq 0$ となることに注意し、「解の配置問題」として処理する。「実数解をもたない」という条件は、「$D < 0$」だけでなく「$D \geqq 0$ だが解がすべて範囲外にある」ケースを見落とさないようにすることが最大のポイントである。 (2)は、定義域が固定され、軸が動く2次関数の最小値を求める問題になる。軸が定義域に含まれるか否かで場合分けをする。

答え

(1)

$$ -2 < a < 2 $$

(2)

$$ \frac{9}{4} $$

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