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北海道大学 1996年 理系 第1問 解説

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北海道大学 1996年 理系 第1問 解説

方針・初手

各試行で A 君の得点は $+1$ または $-1$ だけ増減するので、A 君の得点だけを追えばよい。(2) は勝ち数と負け数の連立、(3) は「常に A 君が B 君より多い」を「A 君の得点が常に正」と読み替えて、反射法で数える。

解法1

A 君が勝つ回数を $x$ 回、負ける回数を $y$ 回とする。 すると A 君の得点は

$$ x-y $$

であり、試行回数は

$$ x+y $$

である。

また毎回 A 君と B 君の得点の和は $0$ だから、B 君の得点は常に A 君の得点の符号を反転したものになる。

(1)

3 回の試行後に A 君の得点が 1 点であるから、

$$ \begin{cases} x+y=3,\\ x-y=1 \end{cases} $$

より

$$ x=2,\qquad y=1 $$

となる。

したがって、3 回のうち A 君が勝つ回数がちょうど 2 回であるような並びの数は

$$ {}_3\mathrm{C}_{2}=3 $$

通りである。

(2)

$2n$ 回の試行後に A 君の得点が $2m$ 点であるから、

$$ \begin{cases} x+y=2n,\\ x-y=2m \end{cases} $$

より

$$ x=n+m,\qquad y=n-m $$

となる。

このとき $y\geqq 0$ が必要なので $m\leqq n$ のときに限り場合の数が存在する。

よって

$$ m\leqq n $$

ならば、A 君が勝つ回数 $n+m$ 回の位置の選び方として

$$ {}_{2n}\mathrm{C}_{n+m} $$

通り。

一方

$$ m>n $$

ならば不可能なので $0$ 通りである。

(3)

(2) の条件のもとで、試行開始後 A 君の得点がつねに B 君の得点より多い確率を求める。

先に述べたように B 君の得点は常に $-A_k$($k$ 回目終了時の A 君の得点を $A_k$ とする)なので、

$$ A_k>B_k $$

$$ A_k>0 $$

と同値である。

したがって求めるのは、$2n$ 回後に A 君の得点が $2m$ 点であるような並びのうち、途中の得点が常に正である並びの割合である。

全体の数は (2) より

$$ {}_{2n}\mathrm{C}_{n+m} $$

通り。

次に、途中の得点が常に正である並びの数を求める。 これは、原点から出発して 1 回勝つごとに $(1,1)$、1 回負けるごとに $(1,-1)$ へ進む格子経路で考えると、$(0,0)$ から $(2n,2m)$ へ行く経路のうち、$x$ 軸に触れないものの数に等しい。

反射法より、その個数は

$$ {}_{2n-1}\mathrm{C}_{n+m-1}-{}_{2n-1}\mathrm{C}_{n+m} $$

である。

これを整理すると

$$ \begin{aligned} {}_{2n-1}\mathrm{C}_{n+m-1}-{}_{2n-1}\mathrm{C}_{n+m} &=\frac{(2n-1)!}{(n+m-1)!(n-m)!}-\frac{(2n-1)!}{(n+m)!(n-m-1)!}\\ &=\frac{2m(2n-1)!}{(n+m)!(n-m)!} \end{aligned} $$

したがって求める条件付き確率は

$$ \begin{aligned} \frac{\frac{2m(2n-1)!}{(n+m)!(n-m)!}}{\frac{(2n)!}{(n+m)!(n-m)!}} &=\frac{2m(2n-1)!}{(2n)!}\\ &=\frac{m}{n} \end{aligned} $$

である。

解説

(3) は典型的な ballot problem である。A 君と B 君の得点差だけを追うと、単純な $+1,-1$ の格子経路に落ちる。そこまで落とせれば、反射法で一気に数えられる。

答え

(1) $3$ 通り

(2) $m\leqq n$ のとき ${}_{2n}\mathrm{C}_{n+m}$ 通り、$m>n$ のとき $0$ 通り

(3) $\dfrac{m}{n}$

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