北海道大学 1996年 理系 第2問 解説

方針・初手
- 接線の方程式を立て、それが直線 $y=-1$ と交わる条件を立式する。
- 与えられた $g(t)$ に関する微分方程式を解き、$g(t)$ を具体的に求める。
- 得られた $g(t)$ を交点の条件式に代入し、$f(t)$ に関する微分方程式を導く。
- $f(t)$ に関する微分方程式を解き、$f(x)$ の一般形を求める。その際、直線 $y=-1$ と交点をもたないという条件を確認する。
- 最後に (1) および (2) の条件をそれぞれ適用し、未知の定数を決定する。
解法1
曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(t, f(t))$ における接線の方程式は、
$$ y - f(t) = f'(t)(x - t) $$
すなわち、
$$ y = f'(t)(x - t) + f(t) $$
である。この接線が直線 $y = -1$ と交点をもつので、$f'(t) \neq 0$ である(もし $f'(t) = 0$ ならば接線は $y = f(t)$ となり、$f(t)$ は $y = -1$ と交点をもたないことから $f(t) \neq -1$ となるため交点をもたない)。 接線と直線 $y = -1$ との交点の $x$ 座標が $g(t)$ であるから、
$$ -1 = f'(t)(g(t) - t) + f(t) $$
が成り立つ。
一方、$g(t)$ は条件 $\frac{dg(t)}{dt} = 1$ を満たすため、これを $t$ で積分して、
$$ g(t) = t + C \quad (C \text{ は積分定数}) $$
となる。条件 $g(1) = 0$ より、
$$ 1 + C = 0 \iff C = -1 $$
したがって、$g(t) = t - 1$ である。これを先ほどの交点の関係式に代入すると、
$$ -1 = f'(t)( (t - 1) - t ) + f(t) $$
$$ -1 = -f'(t) + f(t) $$
整理して、
$$ f'(t) - f(t) = 1 $$
を得る。この微分方程式を解く。両辺に $e^{-t}$ を掛けると、
$$ f'(t)e^{-t} - f(t)e^{-t} = e^{-t} $$
$$ \{f(t)e^{-t}\}' = e^{-t} $$
両辺を $t$ で積分して、
$$ f(t)e^{-t} = -e^{-t} + A \quad (A \text{ は積分定数}) $$
$$ f(t) = Ae^t - 1 $$
となる。ここで、$y = f(x)$ は直線 $y = -1$ と交点をもたないという条件を確認する。 $A = 0$ のとき $f(x) = -1$ となり、条件に反する。 $A \neq 0$ のとき、$Ae^x - 1 = -1$ すなわち $Ae^x = 0$ を満たす実数 $x$ は存在しないため、条件を満たす。 よって、$f(x)$ は $A \neq 0$ なる定数 $A$ を用いて、
$$ f(x) = Ae^x - 1 $$
と表される。
(1)
曲線 $y = f(x)$ が点 $(0, 1)$ を通るから、$f(0) = 1$ である。
$$ A e^0 - 1 = 1 $$
$$ A - 1 = 1 \iff A = 2 $$
これは $A \neq 0$ を満たす。よって、求める関数 $f(x)$ は、
$$ f(x) = 2e^x - 1 $$
(2)
曲線 $y = f(x)$ と曲線 $y = x^2 - 4$ がある点 $(s, b)$ で接するとする。 点 $(s, b)$ が2つの曲線上にあるため、
$$ b = Ae^s - 1 = s^2 - 4 \quad \cdots \text{①} $$
であり、かつ $x=s$ における両曲線の接線の傾きが等しいから、
$$ Ae^s = 2s \quad \cdots \text{②} $$
が成り立つ。②を①に代入して、
$$ 2s - 1 = s^2 - 4 $$
$$ s^2 - 2s - 3 = 0 $$
$$ (s - 3)(s + 1) = 0 $$
これより、$s = 3, -1$ である。
(i) $s = 3$ のとき
②より、$Ae^3 = 6$ であるから、$A = 6e^{-3}$ となる。 これは $A \neq 0$ を満たす。このとき、
$$ f(x) = 6e^{-3} e^x - 1 = 6e^{x-3} - 1 $$
(ii) $s = -1$ のとき
②より、$Ae^{-1} = -2$ であるから、$A = -2e$ となる。 これは $A \neq 0$ を満たす。このとき、
$$ f(x) = -2e \cdot e^x - 1 = -2e^{x+1} - 1 $$
以上より、求める関数 $f(x)$ は、
$$ f(x) = 6e^{x-3} - 1 \quad \text{または} \quad f(x) = -2e^{x+1} - 1 $$
解説
- 微分方程式の立式と求解がテーマとなっている問題である。
- 接線の式と直線 $y=-1$ との交点を求めるプロセスで、自然に $f(t)$ の関係式が現れる。
- $g(t)$ に関する条件から $g(t)$ を決定し、それを代入することで1階線形微分方程式 $f'(t) - f(t) = 1$ に帰着する。この形は両辺に $e^{-t}$ を掛けて積の微分公式の形 $(f(t)e^{-t})'$ を作る手法が定石である。(または変数分離形 $f'(t) = f(t)+1$ として解くことも可能である)
- また、「$y=f(x)$ は直線 $y=-1$ と交点をもたない」という条件が、積分定数 $A \neq 0$ を保証する役割を果たしている点に注意する。
- 2つの曲線が接する条件は、「共有点をもつこと」と「その点での微分係数(接線の傾き)が等しいこと」の2式を連立して解く標準的な処理である。
答え
(1)
$$ f(x) = 2e^x - 1 $$
(2)
$$ f(x) = 6e^{x-3} - 1, \quad -2e^{x+1} - 1 $$
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