京都大学 2011年 文系 第4問 解説

方針・初手
絶対値を含む関数の不等式ですが、連立不等式の最初の条件 $|x| \leqq 2$ に着目します。この範囲では絶対値の中身 $\dfrac{3}{4}x^2 - 3$ の符号が常に $0$ 以下に確定するため、絶対値記号をそのまま(マイナスをつけて)外すことができます。その後は、放物線と直線で囲まれた部分の面積を求める標準的な定積分の問題に帰着します。交点を求めて積分区間を決定し、上下関係に注意して計算を実行します。
解法1
連立不等式の最初の条件より、領域の $x$ 座標の範囲は $-2 \leqq x \leqq 2$ である。
この範囲において、$x^2 \leqq 4 \implies \dfrac{3}{4}x^2 - 3 \leqq 0$ となるため、第3の不等式の絶対値は次のように外すことができる。
$$ y \leqq -\left( \frac{3}{4}x^2 - 3 \right) - 2 = -\frac{3}{4}x^2 + 1 $$
したがって、求める領域は $-2 \leqq x \leqq 2$ において
$$ x \leqq y \leqq -\frac{3}{4}x^2 + 1 $$
を満たす部分である。放物線 $y = -\dfrac{3}{4}x^2 + 1$ と直線 $y = x$ の交点の $x$ 座標を求める。
$$ -\frac{3}{4}x^2 + 1 = x \iff 3x^2 + 4x - 4 = 0 \iff (3x-2)(x+2) = 0 \implies x = -2,\ \frac{2}{3} $$
$-2 \leqq x \leqq \dfrac{2}{3}$ の範囲では $-\dfrac{3}{4}x^2 + 1 \geqq x$ であり、条件を満たす領域が存在する。一方、$\dfrac{2}{3} < x \leqq 2$ の範囲では $-\dfrac{3}{4}x^2 + 1 < x$ となり、条件を満たす領域は存在しない。
よって、求める面積 $S$ は、
$$ S = \int_{-2}^{\frac{2}{3}} \left( -\frac{3}{4}x^2 - x + 1 \right) dx = \left[ -\frac{1}{4}x^3 - \frac{1}{2}x^2 + x \right]_{-2}^{\frac{2}{3}} $$
$$ = \left( -\frac{2}{27} - \frac{6}{27} + \frac{18}{27} \right) - (2 - 2 - 2) = \frac{10}{27} + 2 = \frac{64}{27} $$
(別解:$\dfrac{1}{6}$ 公式の利用)
被積分関数は $-\dfrac{3}{4}(x+2)\!\left(x-\dfrac{2}{3}\right)$ と因数分解できるため、
$$ S = \frac{3}{4} \cdot \frac{1}{6}\left(\frac{2}{3} - (-2)\right)^3 = \frac{1}{8}\left(\frac{8}{3}\right)^3 = \frac{1}{8} \cdot \frac{512}{27} = \frac{64}{27} $$
解説
絶対値を含む関数の面積計算問題だが、$|x| \leqq 2$ という定義域の制限があるおかげで、絶対値の中身が常に負(または0)になるという非常に扱いやすい問題になっている。
積分区間の両端がそのまま方程式の解になっているため、$\dfrac{1}{6}$ 公式を用いると計算ミスのリスクを大幅に減らすことができる。
答え
$$ \frac{64}{27} $$
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