京都大学 1961年 理系 第2問 解説

方針・初手
接弦定理と三角形の外角の性質を用いて、点 $P$ が定線分 $AD$ の両端点から等距離にあること($PA=PD$)を示す。定点から等距離にある点の軌跡が垂直二等分線となることを利用して証明を進める。
解法1
$\triangle ABC$ の $\angle A$ の二等分線が辺 $BC$ と交わる点が $D$ であるとする。$\angle BAD = \angle CAD = \theta$ とおく。 条件より $AB \neq AC$ であるから、$AB < AC$ の場合と $AB > AC$ の場合について考える。
(i)
$AB < AC$ の場合
角の二等分線の定理より $BD < DC$ であり、外接円の $A$ における接線と直線 $BC$ の交点 $P$ は、直線 $BC$ 上において $B$ の側の延長線上にある。
外接円の接線 $AP$ と弦 $AB$ について、接弦定理より
$$ \angle PAB = \angle ACB $$
が成り立つ。
ここで、$\angle PAD$ の大きさを考えると、
$$ \angle PAD = \angle PAB + \angle BAD = \angle ACB + \theta $$
となる。
一方、$\triangle ADC$ において、辺 $CD$ の延長線上に対する外角 $\angle ADB$ は、隣り合わない2つの内角の和に等しいから、
$$ \angle ADB = \angle ACD + \angle CAD = \angle ACB + \theta $$
となる。
したがって、$\angle PAD = \angle ADB$、すなわち $\angle PAD = \angle PDA$ が成り立つ。 よって、$\triangle PAD$ は二等辺三角形であり、$PA = PD$ を得る。
(ii)
$AB > AC$ の場合
交点 $P$ は直線 $BC$ 上において $C$ の側の延長線上にある。
接弦定理より、外接円の接線 $AP$ と弦 $AC$ について、
$$ \angle PAC = \angle ABC $$
が成り立つ。
$\angle PAD$ の大きさは、
$$ \angle PAD = \angle PAC + \angle CAD = \angle ABC + \theta $$
となる。
一方、$\triangle ABD$ において、辺 $BD$ の延長線上に対する外角 $\angle ADC$ は、
$$ \angle ADC = \angle ABD + \angle BAD = \angle ABC + \theta $$
となる。
したがって、$\angle PAD = \angle ADC$、すなわち $\angle PAD = \angle PDA$ が成り立つ。 よって、$\triangle PAD$ は二等辺三角形であり、$PA = PD$ を得る。
(i), (ii) のいずれの場合も $PA = PD$ が成り立つ。
点 $A$ および点 $D$ は定点であるから、点 $P$ は定線分 $AD$ の垂直二等分線上にある。 定線分の垂直二等分線は定直線であるから、点 $P$ はその上にある。
解説
円の接線と三角形の角に関する初等幾何の典型的な証明問題である。
接弦定理で角を追うと $PA = PD$ が得られる。点 $A, D$ は定点であるから、そこから等距離にある点 $P$ の軌跡は垂直二等分線になる。
なお、問題文にある $AB \neq AC$ という条件は、$\triangle ABC$ が $A$ を頂角とする二等辺三角形にならないための条件である。もし $AB = AC$ であった場合、$A$ における接線は底辺 $BC$ と平行になり、交点 $P$ が存在しなくなる。この条件から、$P$ が $B$ 側にあるか $C$ 側にあるかの2パターンの配置が生じるため、解答のように場合分けをして論証すると厳密である。
答え
$P$ は線分 $AD$ の垂直二等分線上を動く。
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