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京都大学 1965年 文系 第5問 解説

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京都大学 1965年 文系 第5問 解説

方針・初手

角の二等分線の配置から、$P$ と $Q$ を中心とする傍接円に着目すると整理しやすい。 円外の点から引いた接線の長さが等しいことを使って $CH$ と $KB$ を辺の長さで表す方法と、垂線を下ろして三角比で直接計算する方法が考えられる。

解法1

三角形 $ABC$ の辺の長さをそれぞれ $BC = a$、$CA = b$、$AB = c$ とする。

点 $P$ は $\angle B$ の二等分線上にあるので、直線 $BC$ と直線 $AB$ から等距離にある。また、$\angle C$ の外角の二等分線上にあるので、直線 $BC$ と直線 $AC$ から等距離にある。 ゆえに、点 $P$ は直線 $BC$、直線 $CA$、直線 $AB$ のすべてから等距離にある。 したがって、点 $P$ を中心とし、これら3直線に接する円(傍接円)が存在する。

点 $P$ から直線 $BC$、直線 $CA$、直線 $AB$ に下ろした垂線の足をそれぞれ $H$、$H_A$、$H_C$ とすると、これらは傍接円と各直線の接点である。 円外の点から引いた2本の接線の長さは等しいので、

$$ CH = CH_A $$

$$ AH_C = AH_A $$

$$ BH = BH_C $$

が成り立つ。 ここで、点 $P$ は $\angle C$ の外角の二等分線上にあるので、点 $H$ は辺 $BC$ の $C$ の側への延長線上にある。よって $BH = BC + CH = a + CH$ である。 また、点 $P$ は $\angle B$ の内角の二等分線上にあるので、点 $H_C$ は辺 $AB$ の $A$ の側への延長線上にある。よって $BH_C = BA + AH_C = c + AH_A$ である。 これらを $BH = BH_C$ に代入して、

$$ a + CH = c + AH_A $$

さらに、点 $H_A$ は線分 $AC$ 上にあるので、$AH_A + CH_A = b$ より $AH_A = b - CH_A = b - CH$ となる。 これを上の式に代入すると、

$$ a + CH = c + (b - CH) $$

$$ 2CH = b + c - a $$

$$ CH = \frac{b + c - a}{2} $$

を得る。

同様に、点 $Q$ は $\angle C$ の内角の二等分線と $\angle B$ の外角の二等分線の交点である。 上記と同様の議論により、点 $Q$ を中心とし3直線 $BC$、$CA$、$AB$ に接する傍接円が存在する。 点 $Q$ から直線 $BC$ に下ろした垂線の足 $K$ は、この傍接円の接点となる。 三角形の頂点 $B$ と $C$(および辺の長さ $b$ と $c$)の役割を入れ替えて対称性を考えると、点 $K$ は辺 $BC$ の $B$ の側への延長線上にあり、

$$ KB = \frac{c + b - a}{2} $$

が得られる。 したがって、$CH = KB$ であり、$KB = CH$ が成り立つ。

解法2

三角形 $ABC$ の内角の大きさをそれぞれ $A$、$B$、$C$ とし、辺の長さを $BC = a$ とする。

点 $P$ から直線 $BC$ に下ろした垂線の足が $H$ であり、線分 $PH$ の長さを $h_1$ とする。 直角三角形 $PBH$ において、$\angle PBH = \frac{B}{2}$ であるから、

$$ BH = \frac{h_1}{\tan \frac{B}{2}} $$

また、点 $P$ は $\angle C$ の外角の二等分線上にあるため、$\angle PCH = \frac{180^\circ - C}{2} = 90^\circ - \frac{C}{2}$ である。 直角三角形 $PCH$ において、

$$ CH = \frac{h_1}{\tan\left(90^\circ - \frac{C}{2}\right)} = h_1 \tan \frac{C}{2} $$

点 $H$ は辺 $BC$ の $C$ を越える延長線上にあるため、$BH - CH = BC = a$ が成り立つ。よって、

$$ \frac{h_1}{\tan \frac{B}{2}} - h_1 \tan \frac{C}{2} = a $$

$$ h_1 \left( \frac{\cos \frac{B}{2}}{\sin \frac{B}{2}} - \frac{\sin \frac{C}{2}}{\cos \frac{C}{2}} \right) = a $$

$$ h_1 \frac{\cos \frac{B}{2} \cos \frac{C}{2} - \sin \frac{B}{2} \sin \frac{C}{2}}{\sin \frac{B}{2} \cos \frac{C}{2}} = a $$

加法定理より分子は $\cos\left(\frac{B}{2} + \frac{C}{2}\right) = \cos \frac{B+C}{2}$ となる。 さらに、三角形の内角の和 $A+B+C = 180^\circ$ より $\cos \frac{B+C}{2} = \cos\left(90^\circ - \frac{A}{2}\right) = \sin \frac{A}{2}$ であるから、

$$ h_1 \frac{\sin \frac{A}{2}}{\sin \frac{B}{2} \cos \frac{C}{2}} = a $$

$$ h_1 = \frac{a \sin \frac{B}{2} \cos \frac{C}{2}}{\sin \frac{A}{2}} $$

したがって、線分 $CH$ の長さは、

$$ CH = h_1 \tan \frac{C}{2} = \frac{a \sin \frac{B}{2} \cos \frac{C}{2}}{\sin \frac{A}{2}} \cdot \frac{\sin \frac{C}{2}}{\cos \frac{C}{2}} = \frac{a \sin \frac{B}{2} \sin \frac{C}{2}}{\sin \frac{A}{2}} $$

同様に、点 $Q$ について考える。 点 $Q$ から直線 $BC$ に下ろした垂線の足を $K$ とし、$QK = h_2$ とおく。 直角三角形 $QCK$ において、$\angle QCK = \frac{C}{2}$ であるから、

$$ CK = \frac{h_2}{\tan \frac{C}{2}} $$

また、点 $Q$ は $\angle B$ の外角の二等分線上にあるため、$\angle QBK = 90^\circ - \frac{B}{2}$ であり、

$$ KB = h_2 \tan \frac{B}{2} $$

点 $K$ は辺 $BC$ の $B$ を越える延長線上にあるため、$CK - KB = BC = a$ が成り立つ。よって、

$$ \frac{h_2}{\tan \frac{C}{2}} - h_2 \tan \frac{B}{2} = a $$

先ほどと同様の変形を行うと(角 $B$ と $C$ の役割が入れ替わる形になるため)、

$$ h_2 = \frac{a \sin \frac{C}{2} \cos \frac{B}{2}}{\sin \frac{A}{2}} $$

したがって、線分 $KB$ の長さは、

$$ KB = h_2 \tan \frac{B}{2} = \frac{a \sin \frac{C}{2} \cos \frac{B}{2}}{\sin \frac{A}{2}} \cdot \frac{\sin \frac{B}{2}}{\cos \frac{B}{2}} = \frac{a \sin \frac{C}{2} \sin \frac{B}{2}}{\sin \frac{A}{2}} $$

ゆえに、$CH = KB$ であり、$KB = CH$ が成り立つ。

解説

問題文の点 $P$, $Q$ はそれぞれ三角形 $ABC$ の辺 $AC$, $AB$ に関する傍心である。接線の長さに着目すると整理しやすい。 一方、解法2のように三角比で立式しても、加法定理を用いれば同じ結論に到達できる。

答え

$KB = CH$

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