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京都大学 1995年 理系 第5問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
京都大学 1995年 理系 第5問 解説

方針・初手

与えられた条件 (イ), (ロ) を整理し、各空席に客が着席する確率を「重み(比率)」を用いてモデル化します。 問題文の「両端が空席の席」という表現は、文脈から「左右の両隣が空席である席」を指していると解釈します。したがって、各空席に着席する確率の比(重み)は以下のようになります。

ある客が到着したとき、各空席に着席する確率は、「その空席の重み」を「すべての空席の重みの和」で割った値として計算できます。このルールに基づいて、指定された着席順序ごとに確率を計算し、足し合わせます。

解法1

条件より、ある時点での空席を以下の3つのグループに分類し、着席する確率の比(重み)を割り当てる。

(1) 3人目の客が到着したときに1番と3番に先客がいる状態は、1人目と2人目が「1番 $\to$ 3番」または「3番 $\to$ 1番」の順で着席した場合である。

[1] 1人目が着席するとき 誰も着席していないため、各空席の分類は以下の通り。

[2] 1番 $\to$ 3番 の順で着席する確率 1人目が1番に着席した状態での空席の分類は以下の通り。

[3] 3番 $\to$ 1番 の順で着席する確率 1人目が3番に着席した状態での空席の分類は以下の通り。

以上より、求める確率は

$$ \frac{1}{60} + \frac{1}{48} = \frac{4}{240} + \frac{5}{240} = \frac{9}{240} = \frac{3}{80} $$

(2) 4人目の客が到着したときに2番、4番、6番に先客がいる状態は、1人目〜3人目が $\{2, 4, 6\}$ の順列の順に座る場合である。着席順は $3! = 6$ 通りあるが、対称性から「2番から座り始める3通り」と「6番から座り始める3通り」の確率は等しい。 よって、2番から始まる2通りと、4番から始まって次に2番に座る1通りについてのみ計算し、対称性を利用する。

[1] 1人目が着席するとき (1)と同様に重みの和は $12$。

[2] 2番 $\to$ 4番 $\to$ 6番 の順で着席する確率 ・1人目が2番に着席した後の空席状況(先客 $\{2\}$) 1(重み1), 3(1), 4(2), 5(2), 6(2), 7(1) 重みの和は $1 + 1 + 2\times 3 + 1 = 9$ 2人目が4番に着席する確率は $\frac{2}{9}$

・2人目が4番に着席した後の空席状況(先客 $\{2, 4\}$) 1(重み1), 3(1), 5(1), 6(2), 7(1) 重みの和は $1 \times 4 + 2 = 6$ 3人目が6番に着席する確率は $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$

よって、確率は $\frac{1}{6} \times \frac{2}{9} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{162} = \frac{1}{81}$ 対称性より、6番 $\to$ 4番 $\to$ 2番 も $\frac{1}{81}$

[3] 2番 $\to$ 6番 $\to$ 4番 の順で着席する確率 ・先客 $\{2\}$ の状態から、2人目が6番に着席する確率 [2]と同様に重みの和は $9$ であり、6番の重みは $2$ だから確率は $\frac{2}{9}$

・2人目が6番に着席した後の空席状況(先客 $\{2, 6\}$) 1(重み1), 3(1), 4(2), 5(1), 7(1) 重みの和は $1\times 4 + 2 = 6$ 3人目が4番に着席する確率は $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$

よって、確率は $\frac{1}{6} \times \frac{2}{9} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{81}$ 対称性より、6番 $\to$ 2番 $\to$ 4番 も $\frac{1}{81}$

[4] 4番 $\to$ 2番 $\to$ 6番 の順で着席する確率 ・1人目が4番に着席した後の空席状況(先客 $\{4\}$) 1(重み1), 2(2), 3(1), 5(1), 6(2), 7(1) 重みの和は $1\times 4 + 2\times 2 = 8$ 2人目が2番に着席する確率は $\frac{2}{8} = \frac{1}{4}$

・2人目が2番に着席した後の空席状況(先客 $\{4, 2\}$) これは[2]の途中状態と同じであるため、重みの和は $6$。 3人目が6番に着席する確率は $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$

よって、確率は $\frac{1}{6} \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{72}$ 対称性より、4番 $\to$ 6番 $\to$ 2番 も $\frac{1}{72}$

以上より、求める確率はこれら6通りの和であるから

$$ 4 \times \frac{1}{81} + 2 \times \frac{1}{72} = \frac{4}{81} + \frac{1}{36} = \frac{16}{324} + \frac{9}{324} = \frac{25}{324} $$

解説

条件文にある「両端が空席の席」という独特の言い回しを、「(配列の端ではなく)その席の左右両隣が空席である席」と正しく解釈できるかが最大のポイントです。「確率が2倍」などの比率が与えられた場合は、本解法のように「重み(ウェイト)」を設定し、「(その事象の重み) $\div$ (重みの総和)」で確率を計算する手法が非常に有用です。 (2)では、順番によって確率が異なるため、対称性をうまく利用して計算量を減らし、計算ミスを防ぐ工夫が求められます。

答え

(1)

$\frac{3}{80}$

(2)

$\frac{25}{324}$

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