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京都大学 1995年 理系 第6問 解説

数学3/積分法数学2/微分法テーマ/面積・体積テーマ/速度・距離
京都大学 1995年 理系 第6問 解説

方針・初手

時刻 $t$ における水面の高さを $y$ とおき、容器に入っている水の体積を「時間 $t$ から求めたもの」と「高さ $y$ から積分で求めたもの」の2通りで表して等式を立てます。 さらに、水面の面積という条件を「時間 $t$ の式」と「高さ $y$ の式(半径 $f(y)$ の円)」の2通りで表すことで、$t$ と $y$ の関係式も得られます。 これらを組み合わせて $y$ で微分することで、未知の関数 $f(y)$ を決定する微分方程式(または直接的な関係式)を導きます。

解法1

時刻 $t$ ($0 \le t \le T$)における水面の高さを $y$ とする。 容器に単位時間当たり $V$ の割合で水を入れるため、時刻 $t$ における水の体積は $Vt$ である。 一方、この体積を回転体の体積として計算すると、底面が半径 $a$ の円板で側面が $x = f(y)$ を $y$ 軸のまわりに回転させたものであるから、高さ $y$ までの体積は

$$ \int_0^y \pi \{f(u)\}^2 \, du $$

となる。したがって、次の等式が成り立つ。

$$ Vt = \int_0^y \pi \{f(u)\}^2 \, du \quad \cdots \text{①} $$

また、時刻 $t$ における水面の面積について考える。 問題文の条件より、水面の面積は $Vt + \pi a^2$ である。 一方、高さ $y$ における水面は半径 $f(y)$ の円であるから、その面積は $\pi \{f(y)\}^2$ である。 したがって、次の等式が成り立つ。

$$ \pi \{f(y)\}^2 = Vt + \pi a^2 \quad \cdots \text{②} $$

①を②に代入して $t$ を消去すると

$$ \pi \{f(y)\}^2 = \int_0^y \pi \{f(u)\}^2 \, du + \pi a^2 $$

両辺を $\pi$ で割ると

$$ \{f(y)\}^2 = \int_0^y \{f(u)\}^2 \, du + a^2 \quad \cdots \text{③} $$

この等式は任意の $y$ ($0 \le y \le h$)について成り立つ。 ③の両辺を $y$ で微分すると、微積分学の基本定理より

$$ \frac{d}{dy} \{f(y)\}^2 = \{f(y)\}^2 $$

ここで $\{f(y)\}^2 = g(y)$ とおくと

$$ g'(y) = g(y) $$

この微分方程式を解くと、$g(y) = C e^y$ ($C$ は積分定数)となる。 したがって

$$ \{f(y)\}^2 = C e^y $$

$f(0) = a$ より、$y=0$ を代入すると

$$ a^2 = C e^0 \implies C = a^2 $$

よって

$$ \{f(y)\}^2 = a^2 e^y $$

$f(y)$ は正の連続関数であり、$a > 0$ であるから、両辺の正の平方根をとって

$$ f(y) = a e^{\frac{y}{2}} $$

これが求める関数 $f(y)$ である。

次に、一杯になるまでの時間 $T$ を求める。 一杯になるとき、水面の高さは $y = h$ である。 ②の式において、$t = T$ のとき $y = h$ となるから

$$ \pi \{f(h)\}^2 = VT + \pi a^2 $$

ここで $\{f(h)\}^2 = a^2 e^h$ であるから

$$ \pi a^2 e^h = VT + \pi a^2 $$

$$ VT = \pi a^2 (e^h - 1) $$

$V$ は一定の割合であり $V \neq 0$ と考えられる(水を入れているため $V>0$)ので、両辺を $V$ で割って

$$ T = \frac{\pi a^2 (e^h - 1)}{V} $$

解説

「水を入れる問題」の典型的な解法パターンです。体積 $V(t)$ を時間の関数として表す式(今回は $Vt$)と、高さの関数として表す積分式($\int \pi x^2 dy$)を等置し、さらに水面の面積 $S(y) = \pi x^2$ を利用します。 本問では、体積の式 $\int \pi \{f(u)\}^2 du$ と水面の面積の式 $\pi \{f(y)\}^2$ が微積分の関係(面積は体積の導関数)にあることを利用して、変数 $t$ を消去し $y$ だけの微分方程式に帰着させています。$g'(y) = g(y)$ という最も基本的な微分方程式が現れるため、落ち着いて処理すれば確実に得点できる問題です。

答え

$f(y) = a e^{\frac{y}{2}}$, $\quad T = \frac{\pi a^2 (e^h - 1)}{V}$

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