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九州大学 1970年 文系 第1問 解説

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九州大学 1970年 文系 第1問 解説

方針・初手

$y$ 軸に平行な軸をもつ放物線の方程式を $y = ax^2 + bx + c$ ($a \neq 0$) と設定し、与えられた「原点を通る」「直線 $y=1$ に接する」という条件を立式してパラメータを減らしていく代数的な方針と、放物線の定義である「焦点と準線からの距離が等しい点の軌跡」を利用する幾何学的な方針の2つが考えられる。

どちらの方針でも、「放物線である」という条件によって除外される点(今回であれば $a \neq 0$ に由来するもの)の存在に注意して軌跡を求める。

解法1

$y$ 軸に平行な軸をもつ放物線の方程式は、実数 $a, b, c$ ($a \neq 0$) を用いて次のように表せる。

$$y = ax^2 + bx + c$$

この放物線が原点 $(0, 0)$ を通ることから、代入して $c = 0$ となる。よって、放物線の方程式は以下となる。

$$y = ax^2 + bx$$

また、この放物線が直線 $y = 1$ に接するため、方程式 $ax^2 + bx = 1$ すなわち $ax^2 + bx - 1 = 0$ は重解をもつ。$a \neq 0$ より、この2次方程式の判別式を $D$ とすると $D = 0$ であるから、

$$D = b^2 - 4a(-1) = b^2 + 4a = 0$$

これより $a$ を $b$ で表すと以下のようになる。

$$a = -\frac{b^2}{4}$$

ここで $a \neq 0$ より $b \neq 0$ である。このとき、放物線の方程式は次のように平方完成できる。

$$y = -\frac{b^2}{4}x^2 + bx = -\frac{b^2}{4}\left( x - \frac{2}{b} \right)^2 + 1$$

したがって、この放物線の頂点の座標は $\left( \frac{2}{b}, 1 \right)$ である。 一般に、放物線 $y = A(x - p)^2 + q$ の焦点の座標は $\left( p, q + \frac{1}{4A} \right)$ であるから、求める焦点の座標を $(X, Y)$ とおくと、

$$X = \frac{2}{b}$$

$$Y = 1 + \frac{1}{4 \left( -\frac{b^2}{4} \right)} = 1 - \frac{1}{b^2}$$

$X$ の式から $\frac{1}{b} = \frac{X}{2}$ となるため、これを $Y$ の式に代入して $b$ を消去する。

$$Y = 1 - \left( \frac{X}{2} \right)^2 = -\frac{1}{4}X^2 + 1$$

また、$b \neq 0$ より $X \neq 0$ である。 変数 $X, Y$ を $x, y$ に書き換えることで、求める軌跡の方程式が得られる。

解法2

求める焦点の座標を $(X, Y)$ とする。 放物線の軸が $y$ 軸に平行であるため、その準線は $x$ 軸に平行であり、方程式を $y = k$ とおくことができる。

放物線の定義より、放物線上の点は「焦点までの距離と準線までの距離が等しい点」である。 原点 $(0, 0)$ はこの放物線上にあるため、原点と焦点 $(X, Y)$ の距離は、原点と準線 $y = k$ の距離に等しい。

$$\sqrt{X^2 + Y^2} = |k|$$

両辺を2乗して、以下の関係式を得る。

$$X^2 + Y^2 = k^2$$

また、この放物線は $x$ 軸に平行な直線 $y = 1$ に接する。 放物線の軸が $y$ 軸に平行であるとき、接線が $x$ 軸に平行となる接点は放物線の頂点に一致するため、頂点の $y$ 座標は $1$ である。 頂点の $y$ 座標は、焦点の $y$ 座標 $Y$ と準線の $y$ 座標 $k$ の中点であるから、

$$\frac{Y + k}{2} = 1 \implies k = 2 - Y$$

さらに、図形が退化せず放物線となるためには、焦点が準線上にないことが必要である。 すなわち $Y \neq k$ であり、$Y \neq 2 - Y \implies Y \neq 1$ を満たす必要がある。 $k = 2 - Y$ を先ほどの距離の式に代入して整理する。

$$X^2 + Y^2 = (2 - Y)^2$$

$$X^2 + Y^2 = 4 - 4Y + Y^2$$

$$X^2 = 4 - 4Y$$

$$Y = -\frac{1}{4}X^2 + 1$$

$Y \neq 1$ であるため、$X \neq 0$ を得る。 変数 $X, Y$ を $x, y$ に書き換えることで、求める軌跡の方程式が得られる。

解説

放物線を代数的に処理するか、幾何学的な定義から処理するかで分かれる問題である。代数的に頂点と $x^2$ の係数を設定する【解法1】は直感的で手が動きやすい。一方で、焦点と準線の関係を用いる【解法2】は計算量が少なく、非常に見通しが良い。

軌跡を求める際、図形が直線に退化してしまう条件($x = 0$)を除外できるかが重要な採点ポイントとなる。【解法1】では「$x^2$ の係数 $a$ が $0$ にならないこと」から、【解法2】では「焦点が準線上に乗らないこと」から、それぞれ除外すべき点が論理的に導き出される。

答え

$$y = -\frac{1}{4}x^2 + 1 \quad (x \neq 0)$$

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